空間のビート
西洋の建築は、石やレンガを積んだ厚い壁で出来ています。
日本の伝統建築は、木の柱、梁のフレームに屋根。壁は薄く、障子や襖などの
軽く、動く建具で仕切られています。
現在でも、木造の家には、木のフレームがつくるリズムがありました。
人が歩くとき、それぞれの歩幅に応じて、歩くリズムが生まれてきます。
同じように、建築にも、材料の大きさに応じて、一定の間隔、ビートがあります。
畳の大きさが、「座って半畳、寝て一畳」と言われて、人の体の大きさから、
決まってきたように、経済的に、運びやすい長さ、人が機械を使わずに、
運べる大きさから、ある寸法を持った規格のようなものが出来上がりました。
伝統的な日本の建築の根底には、その経済性があります。
民家の構造のように、出来るだけ少ない材料で、能率よく、必要な空間を創る。
無駄のでない使い方や、無理のこない使い方。そこには、一定の間隔を持った
繰り返しのリズムが、自然と生まれてきます。
たくさんのモノがある現代にも、今の時代に合ったビート、鼓動する空間を
シンプルに、力強く、現していきたいものですね。
私の家の仕事場。入り口の戸は、以前祖父が建てた家の、納戸の戸です。
ハンガーレールでカーテンのように動きます。
昔の家は、どこも大抵同じような大きさ、高さの建具でした。
ある規格サイズで作られた、シンプルな「豊かさ」。
受け継いで、潔い建築を、創りたいものです。
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