納得の場所
結果を求められて、それに答えるのが仕事といわれます。
期日、条件、予算などを縦糸に、時間を横糸にして紡いでいく設計の仕事。
この時間に含まれるものに、経験があると思います。若いうちは、頭でっかちで、
「こうじゃなければいけない!」と鼻息を荒らげていました。その答えがあっていれば、
それは素晴しいアイデアですが、方向がずれていたりして、ただの傍迷惑であったり。
経験を積むには、時間がかかります。これがだめなら、こっちはどうか?もうすこし
ここを動かしてみようとか、代替案が次々と出せるための「引き出し」それを経験値という
のでしょう。以前、父から言われた「頭を使え」という言葉には、言外に試行錯誤して経験
しろという意味がありました。もちろん、自分で考えて、実行して、失敗して、省みて。
自分の経験を糧に、他人の失敗も自分の分に取り込んで「引き出し」に取りおくこと。
様々なことが「身に沁みて」わかるための、経験という時間のファクターを、
おろそかにしないこと。「初心」にはそのことも含まれていると思います。より謙虚に。
納得という自分だけの在り処。その場所が引き出しでもあるようです。
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