一に収納、二に収納
以前に出た写真集で、各国の家の持ち物を、家の外に出して撮影した本がありました。
なかでも、日本人の持っている物の多さは、はんぱない!ものです。
モンゴルのパオのように、家自体が折りたためる生活では、おのずと家財道具も
持ち運びできる範囲に限られます。が、今の日本では、食生活を見ても、パスタ鍋から
様々なフライパン、食器、お猪口からシャンペングラス、最近ではパン焼き器まで
加わって、物のスペースが増えてきました。生活全体では、言わずもがなでしょう。
設計の仕事上、必ずといっていい要望の一つが「収納をたくさん」。奥様方は、
場所がないから片付かないという、強硬な論理で設計屋に迫ります。
出来るだけ確保するべく、善処します。などと役人のような答弁をしつつ、いつも考えます。
物が住むのか、人が住むのか、と。
設計屋として、紺屋の白袴、家人から収納が足りない、と自分の設計した家で
文句を聞きつつ、人様の家をちゃんと創っているのだから、よいではないか、と
殿様口調で言ってみたりしています。
日本の畳の間には、物を置かないのが、そもそもでした。
ちゃぶ台や座布団や寝具は、使い終わったら押入れや納戸へ。
こざっぱりと、部屋が片付いていてこそ、の和室です。
ふたたび、サザエサンちのお舟さんという存在があってこそなのかもしれません。
そんなこんなの和室の押入れ、今の時代、クロゼット化するのも当然でした。
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