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住まいのエイジング

住まいも、人と同じで歳をとります。むしろ人より長い寿命を持って、幾世代もの暮らしを

支える器であるべきもの。ですが、日本では平均30年で建て替えられていました。

イギリスのように、百年を超えて資産価値が継続するような、考え方がむしろ必要です。

日本の古民家のように、生き永らえるためには、愛着を持てる素材や、融通のきくプランが

必須であると思います。今の日本の都市で、細分化されて建ち並ぶ建売住宅には、

既製品のオンパレードと、部屋数だけを確保した「間取り」しかありません。

 愛着が湧くには、触れたくなる素材や、居心地のよい場所がなければ、住み続けたい

希望も得られぬもの。質素で単純な、素材と的確なプランさえあれば、その希望には

応えられる、と思っています。

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 日本が高度成長をする前の住まいは、木の窓が普通でした。

アルミサッシが登場し、都市の防火の観点から、今の日本の家には、

ほとんど見られなくなった木で出来た建具。わたしたちは、愛着を込めて「木建もくたて」と

呼んで、なるたけ使うようにしています。(コストとの闘いに負ケズに)

上の建具は、同じところの硝子戸ですが、左側は召し合わせ(引き違いの窓で重なる部分)

が外の雨がかりなので、風化して灰色になっていて、右側は部屋うちなので、綺麗なまま。

 このように、木は経年変化していくもの。これを、歳月を経た味わいと捉える感覚が

まず必要ではないでしょうか。遺伝子の解析が進み出した頃から、言われ出した

「アンチ・エイジング」。歳を重ねることが、自然なことなのに、加齢が醜いことかのように

抗う「不自然」。本来の「お手入れ」は、よりよく在るための「エチケット」でありました。

 よりよく在るのは「ウェル・ビーイング」。エイジングには、本来、馴染ませるという意味が

あったはずなので、そこのところを思い出して、よりよい歳の重ねかたを、

人それぞれ探していきたいものです。住まいにも、お手入れを。

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