« 2011年3月 | トップページ | 2011年5月 »

2011年4月

使われてこその技術

先だって携帯を買い換えて、使いづらいまま過ごしています。せいぜいメールと通話少々。

表示される歩数計と消費カロリーの数字を、ビールの本数やご飯一膳に換算するぐらいで、

使いこなしているとは言えません。が、カメラの機能が上がったことには気づきました。

Sn3r0012

いつものリコーのデジカメを置き忘れた朝、なにげなく撮った携帯カメラの画像は

自然な色合いで、目で見た感じがそのままにありました。

Sn3r00070001

空と雲のグラデーション、そのままに潮風の吹き抜ける気分が写っています。

Sn3r00080001

 カメラの技術進歩は、腕を通り越し。精神を技術が克服することもありえます。

 設計屋という商売は、技術屋です。建築するために、設計の技術を図面に託す。

Sn3r00090001

 人のため、人に使われてこその技術。ささやかでも、毎日が「技術革新」に向かう日々。

これも、無事であることのおかげ。日々是好日。感謝。

住まいの陰影

俗に言う懐の深い人と同じ様に、奥行きのある住まいがあります。単にプランに奥行きが

あるだけではなくて、明るいところと暗いところがほどよくある、ということです。

Rimg3519

遠藤新さん設計の「旧近藤邸」には、現代の家にはない陰影がそこここにありました。

Rimg3525

私のクライアントの方が、お気に入りの和室の出窓。ちょうどよい奥行きと、腰掛けたく

なる場所と光りの入り具合。絶妙のバランスであります。外観もさりげなく、主張して。

Rimg3553

 何事も単純化する今から比べると、線の多いデザインに見えるかもしれませんね。

当時は、今のように大きな板ガラスが出来る技術がなく、両手で運べるぐらいまでが

限度だったので、窓に桟が入るのはデザインの一部になっていました。

レンガが、人が片手で持てる大きさから、決まっているように、時代ごとに移り変わりが

あっても、人の体からくる寸法はそれほど変わらないと思います。

Rimg3538

 摺りガラスの、柔らかな光りも印象に残りました。

Rimg3548

室内の中心には、大谷石で作られた暖炉があります。

これもライトゆずりの、定番デザインでどっかりと存在していました。

Rimg3517

 住まいの奥行きを感じさせる、陰影の作り方は、外部の押縁の表情にも踏襲されて

陰りを与えています。板の継ぎ目を押さえる役目、雨水を切る役目、そして水平線を

強調する役目をしている複合材としての木は、外観の佇まいに奥行きを与えていました。

Rimg3546

 これから作る家が、底の浅い、浅はかな住まいにならぬよう、肝に銘じて

また考え始めます。よりよい、暮らしの場所が、陰影に富み、そして奥行きを持つように。

肯定のデザイン

大正14年に建てられた「旧近藤邸」を見に行きました。藤沢市に移築保存され、

登録文化財に指定されています。設計は、遠藤新さん。フランク・ロイド・ライトの弟子で、

その流れを忠実に受け継いだデザインをして創られているものです。

Rimg3558

チョコレート色の、長押挽きをした下見板に、押縁止めをした外壁は、水平線を強調して

横長の安定したプロポーション。威圧感など、さらさらない、穏やかな佇まいです。

Rimg3505

庭側にはパーゴラがかかり、藤棚があって、ちょうど咲き始め。これから見ごろです。

Rimg3549

下見板張りの外壁は、雨水が切れるように、斜めに削がれた形の押縁で止められて

さながら鎧のようにも見えます。現代のペラン、ツルンとした透明建築にはない、「陰影」

があるデザインが、そこにはありました。

Rimg3545

師ライトは、その師ルイス・サリバンの、優美なフリーハンドの曲線が生み出す装飾の

デザインを見て、自分には敵わないので、ならば定規を使った幾何学のデザインで

勝負しようとなったそうです。その流れを汲んだ遠藤新さんの「窓」。

Rimg3509

この窓のプロポーションを見れば、遠藤さんのデザイナーとしての力量は歴然としてます。

Rimg3512

 印象的だったのは、その室内の天井。壁から天井には継ぎ目なく、漆喰が塗り廻されて

いて、境界があいまい。昼間の光がすこし抑えられた室内では、天井が白く浮かんでいる

かのようでした。

 遠藤新さん、当時36歳だったそう。若さと希望にあふれた設計です。

人生すべてを肯定して、一所懸命した設計の、静謐な住まいを見て、励まされた一日。

気分よく、黄金と勉強の週間に突入します。また、明日。のちあっぱれ。

七時から三時まで

年に四度、季節の風が変わった、と感じる朝があります。今朝は初夏の風が吹いています。

Rimg3502

強い南風が、砂つぶてと潮の香を乱暴に運んできました。犬と一緒に、横を向きつつ

やり過ごす。もう、来週は五月ですね。

Rimg3503

 夏場の電力需要のための、サマータイム導入が見送られたそうですが、

そんなことは政府に言われなくても、民間ではとっくに検討と実践が始まっています。

Rimg3501

 自営業であれば、もう朝の明るくなるのに合わせて、5時には起きて身辺雑事を片し

犬の面倒!!も見て、仕事を始める。そのペースはすでに、夏モードに乗っています。

Rimg3504

 時間の流れを変えなくとも、行動は変えられる。ナイントゥファイブより、

これからの季節は、七時から三時まで、自分タイムで働きまうす。

年男の、おはよううさぎなう。

ペースとスペース

穏やかな朝焼け、ひんやりとした風が吹き抜けていきました。とても気持ちが晴れる朝です。

Rimg3484

水面には、おしどり夫婦がゆったりと泳いでいきます。

Rimg3485

 住まいの設計をするというのは、人がそこで暮らす空間、ある大きさを持つスペースを

作り出すことです。スペースは、無限にはありえません。限られたスペースに、いかに

広がりを作り出せるか、が設計者の使命となります。

Rimg3488

 海の水平線のように、平らな床を創り出し、水平に広がる融通無碍なスペース。

日本の伝統空間の、自然との親和性を、限られた今の街中にも創り出したいものです。

Rimg3489

 そのためには、生活のあらゆるペースを受け止める、しっかりとしたスペースを用意

する。時間という要素を加味して、不易なものを考える仕事をしよう。

Rimg3493

 刻々と移り変わる砂紋のように、家族のかたちも、いつの間にか変わっていくもの。

暮らしのペースを、受け止められるスペース。今週も、手を動かして探していきます。

手がかり足がかりを探しに

朝の凛とした空気の中、とてもすっきりとした心持で始まった今週です。

週末から、始まる黄金週間。いつにも増して、楽しみ励みにしていきます。

Rimg3475

Rimg3476

 今日は、杉並まで打ち合わせに出かけてきます。

リノヴェーションは、刷新する意味もあって、設計者としては多彩な判断が求められます。

いわば、あの手この手。手練手管。千手観音のように、いろいろな提案をして、最適解を

見つける仕事。大枠は決まっているけれども、細かく取捨選択していくことを繰り返し、

なるべくして、こうなる。というとこまで、考え詰めていきます。

Rimg3477

 世代や、生活観は違うクライアントの方々ですが、共通する部分は必ずあります。

同じ部分、異なる考え。等価に並べて、答えを探す設計は、お医者さんの問診にも

似ているかもしれません。

Rimg3481

 設計の手がかりを探すのは、もちろん手探りですが、この手があった!!が

見つけられれば、後はスムーズにことを運べます。設計という山登りの足場、足がかりが

しっかり見つかれば、そこからは登っていくだけです。

 集中する、月曜日。平常心とオープンマインド、心がけて。行ってきます。

自分の範疇

降り続いた雨が、やっと上がって清清しい朝がやってきました。

由比ガ浜はいい波が立っていて、ホリディサーファーがたくさん出ています。

Rimg3466

足元で動き回る犬を、ねじ伏せてしばらく海を眺めていました。

月もそろそろ下弦に向かう、4月の最終日曜日です。

Rimg3469

Rimg3472

Rimg3461

 動物たちにテリトリーがあるように、自分たちにも範疇があります。

ある人にとっては、外向的でどこまでも広がるかのように、前向きであったり、

またある人は、内向的で目の届く守備範囲でやっていく。

どちらかと言えば、内向きな性格の私でも、今回の震災の後は考え方、範疇を

広げていく方に向かっています。思惟の形が範疇ならば、自分の器の大きさなり、

かたちなりに、充実させていこう。よりよい場所を目指して、すこしずつ動き続けよう。

Rimg3455

 同じ場所にとどまっていても、しっかりと咲く花のように。

自分がしたことは、その人なりに、充分個性的な一輪の花です。

Rimg3473

 新緑の季節、静かにココロの範疇、ひろげて活きませう。

ミースのバルセロナ・パビリオン

近代建築家の、三大巨匠と言えば、ミース、コルビジェ、ライトと言われます。

そのうちの一人、ミース・ファン・デル・ローエ。その作品を、この目で見たのは

バルセロナに再建された、「バルセロナ・パビリオン」でした。

Spain054

 もともとは、1929年バルセロナ国際博覧会のパビリオンとして建てられたものです。

おりしも起こった世界恐慌によって取り壊されていたものが、オリンピックの開催に

再建されたもの。この「モダン」、いまだにモダン!そのものです。

 薄い屋根を支える、細い柱は十字型の平面をしています。L字型の鉄のアングルを

4枚合わせて十字型にして、その外側をステンレスクロームのカバーで覆ったものです。

この柱を建築雑誌で目にして、実物を見に出かけたのでした。

その柱は、十字型が床の石の目地の交点、十字の真ん中に建っているのが「すごい」。

これをコンクリートで作ったのが安藤忠雄さんですが、当時、このレベルで実現をした

「魂」は、恐れ入りやの鬼子母神(?)言葉はありません。

Spian055

 当然のように、窓の方立て(サッシのたて枠のこと)も、外の壁の石の目地の真ん中に

すっくと建てられておりました。こういう「モダン」が実現してしまうともう我々の出番はない。

と言いたいとこですが、救いは「パビリオン」で、人が住まないということ。

 人がそこで暮らさないということは、「うつくしい」だけを考えればいいんですね。

凡人には、人がそこで暮らして、普通に感じる「こぎれい」をつくることに、まだ出番は

いくらでもあるようです。

窓辺の風景

とても静かに朝がはじまりました。仕事の次のフェーズへ、いい切り替えが出来そうです。

消防署のマーガレットも、元気に咲き続けています。

Rimg3450

来週は、黄金週間。今年は、いつにもまして穏やかに過ごせますように。

Rimg3451

 毎年、桜前線を北に見送ってのち、ここ鎌倉には新緑がとてもうつくしい季節が

やってきます。我が家の絵窓にも、谷戸の風景が「絵になって」います。

Rimg3440

 この新緑のまぶしさは、一週間。連休に入ると、とたんに濃い緑に変わります。

この明るさを、今年は忘れないようにしよう。日々是感謝。

Rimg3442

 英語のwindowは、壁に穴を開けて風を通すことから来ています。

日本の窓は、間戸から。柱の間に戸を立てることから来ています。

もともと、すかすかだった日本の家。環境の面から、断熱を考えるのは当然ですが、

間を空けて、日本らしい、よい窓辺をつくるのが、設計屋の使命でもあります。

Rimg3443

 よい住まいは、窓辺の風景をつくることから。

 今日も、よい一日を。

予期せぬかたちを創る

締め切り前日に、設計コンペ案を無事提出して、打ち上げ!!

おつかれサマンサ 心地よい疲労感は、達成感に支えられておりました。

今回のメインテーマはパティオ。中庭ではなく、「パティオ」でした。

スペインのコルトバでは、美しく飾られた、各家庭のパティオの美を競うコンテストが

あるように、生活の一部として使われる場所でもあります。

 さて、いろいろと考えた結果、こんなん出来ました。

013

 本来、パティオの廻りにある回廊を、敷地条件や日本の家であることを加味して

L字型にして、眺望や採光、そして風通しをよりよくする提案を考えました。

016

 筋道は、割と早く見つけられたのですが、敷地の特性や大きさと、暮らしやすさ、

ほどよいボリューム(タテ、ヨコ、ナナメ、ウエ、シタ)のバランスを見出すのに

時間を費やしました。それだけに、「これで、イケル!!」という手ごたえが得られた時の

うれしさは、またひとつの財産になります。

022

 実際の設計実務では、ある程度、好みや生活感覚を、打ち合わせで伺いながら進めて

いくものですが、設計コンペの場合は、クライアントの方々が、こういう家が欲しい、

という具体的なイメージを持って、そのテーマを受けるかたちで進めることになります。

059

 だから、自分でも予期せぬデザインのパターンが出来たりして、自分自身が

そのことにサプライズする。そんな、面白さもあります。

 もちろん、通常業務の合間をぬって、提案するわけで、やりくりしなければなりませんが

楽しさも半分以上あるので、やめるわけにはいかないなあ。

Rimg0042

 また、ひとつ、自分でも住みたい家、居心地のよいコーナーを創ってしまいました。

穀雨のスパート

まだ明けやらぬ空、立待月が昇っている中、早めの朝散歩に出かけます。

Rimg0001

設計コンペ、提出のため、まとめる日が来て、集中する日。

いい打ち上げが出来るよう、一所懸命に過ごします。

Rimg0003

今日は、二十四節気の「穀雨」。作物を育てる雨が降る時期です。

Rimg0007

設計コンペ案も、自分が育て上げた作物とすれば、今日はぴったりな一日です。

Rimg0013

スパートするには、日常の蓄えがいりました。

急に力を込めようとしても、無い袖は振れないから。

月の、佇まいのように、理想の家づくり、提案する日です。

仕事の放課後

波立つ春の海。潮騒と吹きぬける風の音を聴きながら、朝の始まりを感じます。

Rimg3355

菫色の空が、すこしずつ明るさを増していくのを見るのはとても気持ちがいい。

Rimg3352

休日仕事の元気の素、もらってきました。

Rimg3346

 先日、クライアントのご家族と、早起きや仕事のペースの話をしていました。

設計の打ち合わせは、具体的な間取りやかたちのこと以外の、暮らし方や働き方が、

特に住宅の場合は、とても大切です。

Rimg3347

 さて、そのとき「家は午後三時から、放課後。」という話が出ました。

午後のお茶の時間を迎えたら、仕事はお休みして、寛がれるとのこと。

学校のチャイムが鳴って、下校時刻を知らせるように、オンとオフを切り替える。

なるほど、生産的。スムーズなゆとりのある生活、これからは本当に大事になりますね。

Rimg3351

 原発の問題から、エネルギーのことを考える必然が、身近になりました。

土のこと、作物をはぐくむ土壌の豊かさを、手に触れて、感じることで、

自然の循環や浄化、再生産性など、出来ることがたくさん考えられます。

 今度の家づくりは、土間のある空間。おもしろいことになります。

仕事の放課後は、もちろん よい、日曜日をお過ごし下さいませ。

働く基本

鶯の声で目覚め、谷戸を渡っていく声を追いながら起床しました。

そぼふる雨をものともせず、由比ガ浜へと向かいます。

ドウダンツツジの花が可憐に風に揺れています。

どんよりとしたグレイッシュな空を睨み、気合を入れて帰ってきました。

Rimg3345

 設計コンペの締め切りを控えた、この週末は仕事をします。

「働く」のは、傍にいる人を楽にすることだ。という名言があって、

私の場合、今日明日、仕事をすることで、自分が楽にもなります。

Rimg3344

仕事の基本は、前倒し。早めに手がければ、その後の余裕が違ってきます。

うまい具合にまとまった設計案。自分自身が楽しみながら、楽しようと思います。

土日は肩の力がうまく抜けて、はかどること受けあいでした。お日様を待ちながら。

設計という見繕い

建物の設計をし始めると、四六時中どこかで考えていることになります。

Rimg3341

海を見ているようで、レンガの積み方を考えていたり、風景のポイントとなる木を

どう切り取って、家の中から見るか?などなど考えて。そのうち、車とぶつかるかも。

Rimg3062

人に何かを頼むとき、昔の人は「その、なにを、適当に見繕って。よろしく!」

っていいますね。これは、任せておけば悪いようにはしない、という信頼関係があるから。

 設計者も、クライアントからの要望に「見繕う」仕事であります。

Rimg3343

 アイアンワークのご所望があれば、こんな感じですか?と見繕う。

常日頃から、きょろきょろと仕入れて、引き出しを豊富にしとかないと、

「取り繕う」ことになりますから。今日も、よい一日を。

幸せのデザインを

八幡様のお池が花筏で満ちていました。今日も、桜吹雪のいいお天気です。

Rimg3328

Rimg3329

Rimg3327

近代美術館や、我が家の裏山にも、桜吹雪がやってきました。

Rimg3325

建物のデザインは、緑があることで助けられる面があります。

人の考えた「かたち」は、それだけではどうしても「固く」「不完全」です。

風景の中に溶け込むようにするには、木々の緑に助けてもらって、自然との接点を

ぼかしていただく。一本の木があるだけで、木陰も出来るし鳥も来ます。

Rimg3332

うちの谷戸では、台湾リスまで渡っていきますし。

Rimg3336

↑熊本デザイン専門学校とのコラボで生まれた、人を幸せにするデザイン。

この手があったか!!震災後、初めてココロから笑った、グッドデザインでした。

設計の、句読点

この時代に、平屋の家をつくるのは、それだけでとても贅沢なことです。

昨日の打ち合わせで、基本となるプランが決まりました。

九案作ってみた中、末広がりの八番目のH案が選ばれました。

Rimg3276

敷地に立つと、向こう側に開ける空の広がりを活かす平屋の家。

Rimg3282

地面に近く、また空にも近く。外と内が自然に一体となるような家に。

Rimg3292

人を迎えるかたちがあって、それぞれの居場所があって、視線のひろがりもある。

そんな家を、具体化する礎が出来ました。まずは、ほっとしています。

Rimg3291

暮らしが日々、川のように流れていくのと同じで、設計の仕事にも流れがあります。

区切りというのではなく、よいエッセイの文章の、句読点のような。

起承転結で言えば、「起」。ここがうまく決まると、文章の流れが自然と出来ていきます。

 設計という行為は、意図の集積でもあります。こちら側の意図するところを、

依頼者が汲み取って、自分の住まいをよりよく考える。そのお手伝いが出来れば。

 終わりよければ、の前に、始めが肝心。一次試験を無事通過した設計者は、

ほっとして一杯する日でした。 やっててよかった、仕事です。

ひと月後の夕暮れ

鎌倉では、桜舞い散るなか、追善供養復興祈願祭が無事執り行われました。

静かな朝焼けが、後押しをしてくれます。

Rimg3232

一般社団法人「ひと・まち・鎌倉ネットワーク」に参加しているご縁でお手伝い。

おりしも、お花見の人々でたくさんの町を歩いて、海までの托鉢のお供をしました。

Rimg3314

 仏教、神道、キリスト教の区別なく賛同した方々が、由比ガ浜の祭壇に到着。

お焼香をし、海に向かって合掌。手を合わせて、お祈りする術あるのみです。

Rimg3315

 浜辺にたどりつく直前の、交差点で鳴り出した「緊急地震速報」

家に戻って、大きな余震で被害があったと知りました。

 今までなら、とても大きな揺れでも、あの日の後では、すこし感覚が鈍くなっているかの

よう。本当に、体験しないと、わからないのが、私達無事な人間のようです。

Rimg3316

 知ってか知らずか、沈む夕日がスマイルしているようでした。

朝日から、夕暮れまで、「出来ること」は大したことのない、ひと月後の我なり。合掌。

春の愁い

静かに朝が来ました。鎌倉の桜は満開で、この世の春を歌っています。

Rimg3228

Rimg3230

いつもの朝を迎えられるのが、有り難く、桜の海の中を歩きました。

Rimg3231

朝日が昇ることさえ、不思議に見える日です。

Rimg3235

 秋のココロが愁いならば、春にも物悲しさがありました。

桜の花びらが舞い落ちる季節は、新緑に変わるまでの、愁いを含んだ風の季節です。

今年の桜は、同じように咲いてくれましたが、見るほうのこちら側の感情が変わって、

いつもの年とは違って、哀しげに見えます。

 もし、来年の春がない、としたら、違って見える。というのも、無事であることで、

実感出来ました。判った心持を進めて、一所懸命。ということでしょうか。

Rimg3219

 庭の朝露、ハートマークに見えました。

「明日、世界が滅びようとも、今日、私は林檎の木を植える。」

サクラサク

朝晩の風の冷たさが、今年はずいぶんと長く感じられます。

ぽっかりと空いた大きなところに、北風が吹き抜けていくからでしょうか。

Rimg3194_2

 東北の春の訪れは遅く、だからこそ春を待つ気持ちも大きい。

その春を待ちわびながら、今年の桜を楽しみにしながら、果たせなくなったたくさんの

人々のことを、身近な桜を見上げながら思います。この感じを忘れないようにするぐらい

しか出来そうにないから。

Rimg3204

Rimg3199

 自分の居場所が、確かにあって、見上げれば桜が咲いている。

この幸せを、今年は忘れないでしょう。

Rimg3189_2

Rimg3191_2

 満開の枝を止まり木に、白鷺は何を思うのかな。

サクラサク、希望の言葉のひとつを、かみしめる今日。

選挙と桜の日になりました。

自分のスペース

昨日は、一日、一級建築士の定期講習会で、教室に缶詰でした。ぎこぎこと鳴る

折りたたみのパイプ椅子と、足にあたる折りたたみテーブル。おまけに眠たい、講師の

ビデオ講義!!睡魔と闘いながら、正座をした足の上に石を載せられる、時代劇の

「お仕置き」を思い出しておりました。耐えに耐え、○×式のマークシートの考査を受け

無罪放免となりました。考査の結果如何では、再講習!!それだけは、勘弁してくだせい

辛いお勤めの後の、が五臓六腑に染み渡って、終わってみれば「ご苦労であった」

長い一日でした。

Rimg3155

おとといは、仕事が決まった御礼と報告をかねて、神田明神へ。

境内の桜が満開で、しばし見とれておりました。

Rimg3156

その足で、レモン画翆で模型の材料を仕込み、大きな袋をかかえつつ

半蔵門線で、桜咲く、桜新町へと向かいました。

Rimg3158

設計コンペの敷地を見に行く道すがら、桜並木のトンネルを歩きました。

Rimg3184

ぽかぽかと暖かく柔らかな日差しの下。風にそよぐ桜に、ピンクに染まるような

心地よさを味わいながら、の行き帰りとなりました。

Rimg3186

十数年ぶりの、長谷川町子美術館では、レンガと桜の競演。絵になってました。

 出歩く時間を過ごす、一週間ではありましたが、神田明神の境内の囲われた心地よさ

や、桜の木の下で木に寄り添うような心地よさ。自分ひとりのスペース感覚を、

味わって、一人悦に入る桃源郷週間でした。

 強い南風に、雨。花散らしの雨となりませぬよう、よい週末を。

地に足つけて

朝晩の花冷えにも負ケズ、今年も変わらずに源氏池の桜が咲き始めました。

後数日で満開になると思います。週末のマーク、消えてくれるといいのにな。

Rimg3150

 今年ほど、桜がばらばらに咲くのは、ここ数年になかったこと。

足並みが揃わず、別れ別れに咲くのは、この世の混乱を感じているのでしょうか。

Rimg3143

 海辺の消防署の、花壇にさくマーガレット。次から次へと開いていく生命力。

土に根を張って、可憐な花を咲かすのは、強い力です。

Rimg3153

 震災から、ほぼ一月。なにかと浮き足立つ日常に、しゃんと立つこと。

アントニオ猪木さんの「元気があれば、何でも出来る!!」、その通りでした。

設計の、方向付け

以前設計したお宅の一軒おいてのお隣に、同じ方から、新しい家の設計を依頼されました。

隣家の隙間から、そのお宅を望める、静かな宅地です。

Rimg2943

幸いにも、プレゼンの結果、気に入っていただけて一安心。

したのも束の間、責任を感じながら、方向性を決めるための試行錯誤が始まりました。

Rimg2853 

Rimg2855

Rimg2852

同じような規模でも、テーマをどう捕らえるかで、まるっきり「かたち」が変わります。

住まいに対する視点は、震災後明らかに変わっていくことになります。

が、不易なもの、人々の住まいにおいて、原点は揺るがないはずであると考えています。

「きもち」の、ありようを、「もの」のありように、誠実に翻訳するのが、設計者の役割。

来週に向けて、直前まで練り直して、打ち合わせに臨みます。

仕事が、いつもと変わらず出来る、幸せをかみしめながら。感謝。

我が家の春の生き物たち

花冷えの明け方、まだマフラーが手離せいや首元から離れません。

北へと、への字がたの編隊を組んで、鳥たちが渡っていくのが見えました。

Rimg3137

新学期を迎え、被災地の学校では、授業の再開が五月になるところもあるようです。

ランドセルを被災地の子供たちに送るプロジェクトを聴いて、数ヶ月しか使っていなかった

我が家のランドセル、引っ張り出してきれいにしました。どこかの、だれかが、これを

背負って、笑顔で学校へと向かう姿、思い浮かべて「いってらっしゃい。」

Rimg3128

風が冷たくても、日中の陽射しは春爛漫。きれいにした水槽の「亀吉」も、ぽかぽかの

光をうけて甲羅干し。足が伸びてとてもご満悦のようでした。(初登場かな?)

Rimg3126

夕べのニュース。流された家の屋根に乗って漂流中を救助された犬が、飼い主と再会。

涙なしには見られませんでした。うちのこれ↓は、漂流は無理だな。とほほ。

Rimg3045

人々が大変なとき、その場所にいる生き物も、生きるのは楽じゃない。

Rimg3058

せめて、我が家の生き物の面倒をしっかりみるぐらいしか出来ないけれど、

気にかけて、続けていこうと思う、春です。

自分という地平

花冷えの北風が今朝も冷たいです。心の芯まで冷やさぬように、顔を上げて行きましょう。

Rimg3116

とてもありがたいことに、設計の仕事を信頼して依頼してくださる方々がいます。

その信頼に応えるには、自分のなかに一本の芯がいるようです。

とくに、今回のような大きな出来事のあと、考え方が揺らがない人はいないでしょう。

肩の力を抜き、前を見据えて、すっと立つ。自然体のまま、意志の力を感じて、

すっと一歩、前に踏み出す。体は、心より正直で、動くと心を引っ張っていきます。

Rimg3118

 芯があれば、自分の前にひろがる地平。だんだんとはっきり見えてくるものです。

きれい事ですまなくても、歩いていくしかありません。今日も、顔をあげて前へ。

最前線と後方支援

春の暖かさに、鎌倉の桜がほころび始めた矢先、花冷えする北風が夕べから吹いてます。

今年の桜は、多分いつもと違ってみえるはずです。それは大きな出来事が起きて、

わたしたちの、自然を見る目がおのずと変わったから。

明日のことは、誰にもわからない。ならば、今日を、今この時を、大切に。実感です。

Rimg3046

Rimg3047

 仕事でもなんでも、先頭を切る立場の人や、リーダーになる人がいて

物事は進んでいきます。そして、その後には、またたくさんの支える人々がいて。

Rimg3048

 建築でも、前衛的なデザインをする人が、話題を集める一方で、

オーソドックスに、暮らしや地域に根ざした設計を淡々とこなす後衛的な人もいます。

Rimg3113

 私は、後者です。性格的にも、矢面に立つことは出来ません。

人それぞれ、前線であろうが、最後尾にいようが、得意なことで、人の役にたてば、

それでよいと思います。最前線が、「判断」や「決断」しているときには、後方支援は

「継続」や「整理」に励む。自分の仕事向きが後衛的であっても、考え方は最前線!

ということも有り得ますね。自分の持ち場をよりよく、確かなものに。

停電暗闇の友

悪夢のような月が変わって、4月が始まりました。なんだか久しぶりに空を明るく感じた朝。

Rimg3053

燃えるような朝焼けが、たなびく雲の尾ひれを照らしていました。

Rimg3038

計画停電やったりやらなかったり、はっきりせい!!です。が、

発想を変えて、この際自主停電。夜は暗闇が当たり前でした。

先日、打ち合わせの前に、仕入れてきた音源やら映画やらライブ映像の数々。

こういう時には、音楽とくにライブの音が元気を運んでくれます。

暗闇のなかでも、音楽や映画に宿る作り手の「魂」。

言葉はなにもいらず、ただ浸ればよい。そんな時間にシフトする、震災後です。

« 2011年3月 | トップページ | 2011年5月 »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31