設計コンペ雑感1
2007年末から参加していたハウスコの設計コンペも、早20作を数えました。
なんでもこの五月中旬から、設計案の提出がなくなって簡単なマッチングに変わるそうで、
ほっとしたというより、すこし残念な感じがあります。
たしかに、設計者側は、その労力に比べ、選外になった時の徒労感は、結構なものです。
が、それにも増して、設計の筋トレから得るものの方が大きいと思っていました。
実際の実務では、考えないであろうパターンが出てきて、発想が広がったり、自分の
引き出しに、デザインの持ち駒や考えのバリエーションが増えたというのが実感です。
実際の設計のプランニングでも、よい提案に繋がって相乗効果といったところでしょうか。
次回の設計案が、提案作としての最後になるならば、ここしばらく、今までの案を
振り返ってみるのも悪くないかな、と思ってそうすることにします。
記念すべき、参加第1作は、鎌倉のあるお宅でした。最初ということで、力が入りすぎ、
やたらと労力と時間がかかったというのが実感です。が、気に入った「かたち」が
立ち現れてくれたので、楽しかった!思えば、この「楽しさ」がこの後、今まで繋がっている
のは、不思議な感じがするとともに、何事もやってみる、その端緒としてあります。
次は横浜の住宅街。坂を上ったところに計画された家です。
モダンなコートハウスが出来上がって、すごく手応えを感じた設計案となりました。
今でも、自分で住んでみたいと思う、そんな上出来プランです。
さて、お次は川崎のお宅。事務所、賃貸住宅、専用住宅の複合コンプレックス。
これもまた、フロア毎、いろいろなパターンを考えることが楽しく、またそれが一つに
まとめられたのがうれしくなった、一案です。
三階部分の専用住宅は、コノ字型のコートハウス。屋上庭園を中心に、心地よい空間
をかたちに出来ました。この案は、ずいぶん経ってから、依頼者の方からコンタクトが
ありましたが、その後、音沙汰はありません。けれども、すこしでも気に入って下さった
提案が出来たという証左であり、随分とその後の仕事の励みになっている家です。
続いては、これも鎌倉の山の上の邸宅。大きなお宅だったので、応募者も多数いて、
現場の見学会が、設計者で溢れていたのを思い出します。
大きさを、うまくまとめられ、提案出来ましたが、規模が時間を越えて、何年ぶりかに
完徹。早朝にデータを送信し、朝食もとらず、御殿場の現場に直行したのを覚えてます。
その甲斐あって、面接に至りましたが、どなたも選ばれなかったようです。
この案も、気に入っていただけたことと、大きな規模でも、新たな地平を広げることが
出来て、とても自信がついた案となりました。が、わずか一晩の徹夜が、その後一週間は
調子を狂わす、という、年齢を意識した、そんな案でもあります。
今日のおしまいは、横浜のRC住宅。尊敬する建築家、吉村順三さんのテイストで
考えることが出来ました。水平のラインと、こじんまりとまとまった気持ちよいプラン。
この家も、ひとつの展開が出来たと思っています。
さて、次回最終の提案も、あらかた、よく計画出来て、これからまとめに入ります。
今までの提案の数々ののちの、総仕上げとして取り組む所存でおります。
どうぞ、お楽しみに。では、よい休日を。
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コメント
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模型もとても丁寧につくってあるし
デザイン的にもかっこいいですね。
今後も頑張ってください。
投稿: みーくん | 2011年5月 2日 (月) 12時03分