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2011年7月

一瞬の、夏

 猛暑、台風、大雨と天候不順の七月を見送る週末。坂のぼんぼりのために、雨さん

すこし待ってください。と、お祈りをする夏です。

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 照りつける太陽はどこかへ行き、モノトーンの北欧のような空です。行ったことないけど

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 瞬きをする間に、雲は流れていき、グレイのグラデーションを水面に映して流れ流れて。

尻切れトンボの映画の、エンドロ-ルのように、続いていきます。

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 子供の頃、坂の途中をホバリングするオニヤンマが夏のひとコマでした。

8ミリフィルムの回る音と、色あせた映像がよみがえる、そんな夏です。

 目の前にあっても、見過ごしていたり、気づかずに通り過ぎることはたくさんあります。

身近にあるものに、目を凝らして季節の言葉をきく。そういう気持ちは大切にしよう。

 たくさんの思い出が、いつの間にか過ぎていく夏休みが始まりました。

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 数多く開く蓮も、この姿は一朝だけ。一瞬の夏、が今日も過ぎる朝です。

理屈より、理由

人が納得する理由は、理屈じゃありません。そう思います。

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 その理由は「ただ好きだから」。

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 震災以後、理屈に合わないことを理屈で説明とするニュース。

おかしいと思わない、その理由はこちら側には、分かりませぬ。

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 なるようになっている、この世界は、なるようにしかならない。

朝露は、なるようになっています。

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 なんでも説明出来ると思っている人には、理屈は通じないもので。

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 「好き嫌い」という理由も、ずーっと一貫していれば、そのうち「理屈」になるのでしょう。

直感で選び取る仕事。分厚いマニュアルより、確かで古びないもんです。

 理屈っぽいよなぁ。

「考え」が足りてない

売れっ子ではないのに、外に出ずっぱり。携帯の万歩計は勝手に二万歩をカウントして

475calの消費を指しています。が、そのぶんも消費?いや注入。プラスマイナスで

プラスを指してすすむクンです。

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 オレンジ色の朝を迎え、ヒグラシのカナカナ声の中を歩き出す毎日。

「健やか」そのもので在り得るのは、ありがたいことです。

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 動きながら考えるには、仕事量があって、立ち止まる時間がまとめられない今週。

それでも、日々は進んでいきます。

 「考え」が足りない結果は、考え続けていないことが原因。全部の答えを出そうなんて

虫が良すぎますね。考え続けることさえ止めなければ、そのうちいつの間にか答えが

出ていることはたくさんあります。

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 人のせいにしない、のは他力本願の一歩かな?

よくわからないけれど、自分のすることぐらい責任とろうと思ってます。

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 お侍さんの「覚悟」には程遠いけれど、考えてよりよい答えにしようと努めてはいる。

さほど大きくはない「器」も、言い訳しなきゃ、前よりはマシになれるかも。

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 「考え」が足りてないときは、考えるのをやめないこと。

あきらめない、日本女子に学ぼうっと。

素材選びの夏

日本料理が、旬の、地の食材を生かして作り出されるように、建築もそのようでありたい。

特に、素材との距離が近く、身近に接する、住まいには日本の材料を使いたいものです。

 マグロに赤身があるように、材木にも赤太、白太(あかた、しろた)があります。

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 赤いところは、芯に近く脂があって固く腐りにくく、白いところは樹皮に近く柔らかく傷つき

易い性質があります。もちろん、杉や桧以外の、硬い欅や栗といった広葉樹は別ですが。

 赤と白が、半々ぐらいだと、その木材を「源平」(げんぺい、源氏と平家)というのも

面白いものです。(トロと赤身、と同じように値段も違うので)

 建設コスト、限りあるなか、やりくりするのも「設計のうち」ですから。

 最近の物流や、昨今の牛肉とセシウムの問題から、流通経路のトレーサビリティー

(足跡をたどること)が話題になっていますが、建築の材料も環境問題から、マテリアル

マイレージ、材料が生産地からどれくらいの距離運ばれたか、を問われるようになります。

 熱帯雨林を切り倒して、高度成長期の日本は、外国の木材を浪費してきました。

バブル期には、外国からたくさんの大理石が運ばれて億ションに使われました。

東京都庁の外壁にも、それはそれはたくさんの石が。ただ、あれは印刷のように見え、

だったらペンキでもいいんでないか?時が経ち、都庁の修繕費用がうん百億かかるとは、

知恵のあった、昔の日本人から見たらお笑い物です。

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 あのデザインは、パリのノートルダム寺院の双塔を、フィレンツェの鐘楼で纏ったような

もの。ジオットのデザインのこの塔は、花の鐘楼といわれる所以がこの大理石の模様に

ありました。国内にある石を使ったこの塔と、お金に物を言わせて、極東の島国まで

ヨーロッパ中の石をかき集めて建て、税金で修復する都庁。

 どちらが、後世に残るか、その価値があるか、は言うまでもありません。

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 豊かにあるものを、そのまま使って手間をかけず、長持ちさせる。

そういう原点がある日本。今一度、そこに戻るいい機会の年です。

 住まいの材料、予算と素材選びは両天秤。

今日は、ショールームに行き素材をこの眼で確かめ、その足で午後は違う現場。

帰って、また電卓をはじき予算と「闘う」。電卓を「たたく」のと予算を「たたく」、

どちらも似たようなベクトルです。

 素材選びの夏、どうか「上出来」な建物につながりますように。

繰り返す、毎日

 「夏服を着た女たち」という題名だけが与えられたとして、真っ先に思い浮かべる色は?

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 きっとこの色でしょう。生地の薄さと色合いの淡さがぴったりです。しかも「ワンピース」

(漫画じゃなくて) 着て欲しい人も決まっています。もちろん、教えません。

 年齢を重ねると、いろいろと妄想もふくらむようです。

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 同じように季節を過ごし、同じような朝を迎えても、同じ気分はその日しかありません。

たとえ代わり映えがしないように思えても、いつの日も「変わって」います。

 養老先生が、みな人生は直線のように続いていると思っているけれども、

寝ているあいだは「点線」。三分の一、人生は途切れている。と、先生なりの言葉で

問いかけてくださいました。

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 毎日、平凡な繰り返し。と思う前に、どれだけ自分というものが「移り変わる」生き物で

あるかを考えれば、目に映る景色も不思議そのもの。森羅万象、彼も我なり。

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 同じような繰り返しから、変わっていく自身があるのに気づけば、平凡は非凡になる。

説教くさい、と思われても、これしか出来ない繰り返しで人は出来てると思います。

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 たとえ、犬の散歩を繰り返していても、です。

わかるかなぁ~、わかんねーだろうなぁ~

 (これ自体、わかんねェ~、かも)

名も無き道をゆく

石川達三さんの「蒼氓」は、日本人が移民していた時代の、名も無き人々を淡々と描いた

名作です。蒼氓とは、無名の民のこと。言わば、わたしたちを表す言葉でした。

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 いつからか、セレブという言い方が現れて、有名であることがエライ世の中になって

人がブランド品化しています。アイコンとして、生身の人が「モノ」になった現代。

 でも、震災以後、無名の人々に光りがあたる社会の兆しが見えてきたように思えます。

いままでの、普通の暮らしという日常に、戻りたいだけ。という言葉の重み。

より、ひとりひとりのゆく道が問われる、今年の夏です。

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 海へと向かう段葛だんかずら。無名の民によって創られたこの道には名がついて

いますが、無名の人のゆく、人生という道は、名も無き道です。

 曲がりくねった道も、どこかへと続く道。蒼氓 らしく、自分なりの名も無き道をゆく。

それぞれの夏が始まりました。

 島国日本の、海へと続く道は、その先、海の上の航海という道に続いています。

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出待ちの季節

 「待つのも、仕事のうち。」

は、どんな仕事にもあります。

客待ちのタクシーのように、誰かを待つような、そんな時間を「待つ」のも、一つの仕事。

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 季節ごとの、食べ物に「旬」があるのは、いい時期が来るのを「待つ」楽しみもあります。

同じように、仕事にも、種をまいて収穫を待つような「時期」がありますね。

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 ゴーサインが出るのを、準備を整えてしっかりと「待つ」ことさえ出来れば、怖いものはない

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 浮き足立つような、暑い夏の時期には、木陰で涼みながら出待ちする。

そんな待ち時間も大切にしたいものです。もちろん、左団扇で。

休日もーど

 巷では、節電モードが当たり前になっている、今年の夏です。

「今までどおり」を、すこしずつ違ったかたちに変えていく時期がやってきました。

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 ありがたいことに、やるべき仕事を、今までどおり与えられて、例年通りのペースを

守りながら、新しいことも進められる、恵まれた状況にあります。

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 仕事をする、日曜日でも、リラックス出来て、明らかにお気楽モードになっている本日。

ココロの置き場所が、やわらかいのは、夏休みの声を聴いたからでしょう。

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 線路は続くよ、どこまでも。人々は、そこかしこに明日へのレールを敷いています。

よい、休日を。

乞われる夏を過ごす

 今年の夏は、不思議な感覚をおぼえます。灼熱かと思えば、毛布が恋しい晩秋か?

夏休みの始まりは、台風の置き土産のような涼しさが一緒です。

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 澄んだ夏の空気は、色鮮やかな光りを運んでくるようです。

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 蓮の、レンコンの部分の、鮮やかな黄色とオレンジ。

お菓子作りのヒントに、いかがでしょうか。

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 早朝、これから開こうとする花弁の、つつましい佇まいは「静謐」そのもの。

極楽浄土のイメージ、古人も現代の目も、同じように見えてはいるのでしょう。

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 今は、そびえるマンションが建つ、鎌倉高校前の斜面に、母方の祖父母の墓があって

風が吹き抜ける、足元の砂地にハマナスの小さな花が咲いていた、あの夏の日。

この黄色を見ると、鮮やかに甦ります。

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 夏の風は、夏の蒼と一緒にあるのが「絵」になる。

立ち止まる風に、じっとする旗。はためく、というのは夏の陽射しの下の

ココロもちにぴったりとハマル言葉のようです。

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 来週から、現場や打ち合わせが続き、お祭りのぼんぼりの仕度やら

いろいろと乞われる夏のスタートです。

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 人から呼ばれるのは、相変わらずに、シアワセなことです。

平和で無事に健康なら、人の望むものは、少ない。

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 犬も乞うのは朝夕の散歩ぐらい。面倒見のよい、設計屋の夏です。

「あんまり」な犬

ながーい、雨風の日々が過ぎ去って、すこし涼しい日になりました。

強い風と雨が、それまでの地上の熱を運び去っていったようです。

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 「ほぼ日」でブイヨンちゃんの、仰向けのすがたがあまりに「あんまり」なので、

と紹介されていまして、それに賛同?する飼い主の方々から、たくさんの「あんまり」な

すがたが届いていて、あー、うちのやつらだけではないんだ、と妙に安心しました。

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 野性という言葉の、かけらさえないような「気の抜けかた」。

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 飼い主をばかにしているかのような、寝っころがりかた。

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 野性は、ここまで弛緩して堕落するのでした。

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 仰向けに飽きて、平常寝(へいじょうしん)。

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 ここまで平和な、「あんまり」の犬×2でした。 

パティオの家、と予算

六月に提案した「パティオのある家」、一度お電話をいただいた後、音沙汰がないので

他の方が設計されるようです。今、別の物件で予算をはじいて、右往左往しているから

息抜きに載せてみましょう。

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 落ち着いた住宅街のなか、囲われたパティオを中心とした暮らしを望まれたこの家。

三度目の正直の、この案の方向性は「合っている」とお聞きしました。

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 家の中心に、オーバルなかたちのパティオを設け、その廻りを諸室が囲む設計です。

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 南と東側が、すでに隣家があるので、いかに光りや風を取り入れるか、を考えます。

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 いつも住まいの内側から、何が見えどこに向くか、を考えてプランを練っていますが、

今回はなにより「パティオ」の成立が鍵ということで、その大きさを決めることから

設計が始まりました。

 住まいの外形は、協定でセットバックがあって限られていることから、なるべく広がりを

確保することを念頭において設計をまとめました。

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 いつもは、インテリアを含めて住まいの内側の模型もつくるのですが、今回はこれが

誠意一杯、精一杯。やるだけやった、と自画自賛しております。

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 中庭を囲むコートハウスや、今回のパティオのある家では、建物の表面積も増えて

規模も大きくなりがちです。その結果、どうしても予算がかかる。

設計には、かたちのデザインをいかに成り立たせるか、予算の組み立てという

コストデザインが重要なテーマであります。

 コストから離れようとしても、実際に建てるには避けて通れない予算監理。

今日も、電卓をたたきながら、どう「安く」あげるか、考える日々です。

犬と暮らす夏

まぁ、大丈夫か、と出かけた朝、八幡様を過ぎて土砂降りになりました。

段葛の民家の軒先をお借りして、しばし雨宿り。しかーし、しばらく止みそうもないので、

家まで猛ダッシュ!!レインシャワーの、文字通り洗礼をうけて帰宅しました。

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 今年も、犬と暮らす、長い夏が始まりました。もともと、犬は庭駆け回るほど寒さに強い

かわりに、暑さには「へェー、へェ~、ふへェ~~~っ」と舌べろんちょのだらしのない弱さ

があります。それに加えて、雷怖い台風怖い、へなちょこ連発。なだめたり、励ましたり

ほんとに世話と手間がかかる、生き物です。

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 それでも、出来の悪い子ほどめんこい、というわけでこちらもリラックスすることだけは

確かなようです。今日、明日は大型の台風到来。雨降りの散歩対策にも、なにかと

悩ましい、暑く長い季節の到来です。

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 夏の、お気楽な奴でした。

日本のほまれ

感涙にむせびつつ、鼻をかんで出かけた海です。ちょっとした出来事があって

床に就くのが遅くなって、起きそびれ後半からのテレビ観戦でした。

 試合に目が慣れた頃、決められたシュートから、散歩の出待ちをする犬に向かって

拳を振り上げ、はたまた振り下げ、その様子に、けげんそうに小首をかしげる犬。

 諦めかけた延長の後半、澤穂希選手の!

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 今朝の海は、なでしこブルーの空です。日本の今年、後半戦はなでしこの素晴しさで

好スタート。日本女子のほまれでした。澤さんのネイルカラーのように。

寛ぎの夏

緑濃い鎌倉の山並み、夏の陽射しを受け、葉裏の蒸散作用で霞んでいます。

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 この緑のお陰で、朝晩の涼しさが、谷戸へと降りてきてぐっすり快眠の夏です。

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 うまい具合に、仕事も中休み。すっかりしっかり寛ぐ連休になりました。

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 今年の夏は、木々の緑が優しく感じられるように思います。

それもこれも、この場所が平和ならばこそ、の感覚なのでしょう。

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 夏の日は、お盆へ向けて進んでいきます。

地上の楽園は、案外身の回りに、静かに佇んでいるのかもしれません。

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 満月が、夏の陽と入れ替わるように。

生成りの場所

谷戸の我が家は、木肌そのままと白の空間です。

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 カーテンはなくて、代わりに障子がスクリーンになっています。

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 壁のしっくいに合わせて、天井も白。ですが、実際にはグレーのペンキを塗っています。

すこし色味のトーンを落としたほうが、陰影がついて、夏はすこしひんやりとして見えます。

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 玄関の天井は、大工だった祖父の建てた家を壊すとき、父と二人で外して取っておいた

巾二尺の板です。この巾の板が採れるにはこの三倍の太い木が必要でした。

 古い家の記憶を引き継ぎ、次の世代に渡す。麗しい天井です。

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 密かに、うまくいったと思っているのは、北側の寝室の窓、床から天井までのスリット。

ほのかな明るさと、地面を渡る涼しい風が床に入って、いい昼寝が出来ます。

 食べ物も、地の物をそのまま食べるのが美味しいように、住まいもなるたけ生成りがいい。

自然体で、飾らないのが取り柄といえば、そう言えそうです。

住まいの陰影

作家、谷崎潤一郎の「陰影礼賛」を持ち出すまでもなく、日本人なら誰しも体感したことの

ある、日本の家の縁側空間。家でなくとも、お寺の縁や大きな屋根の下で、夏の陽射しを

さけ蝉の声を聞いたこと、ありますよね。

 強い夏の光りも、縁側があることで柔らかく床に反射し、天井に映り、またその奥の

和室の畳を明るく照らす。昔の人は、昼間の光りをうまく取り入れて、空間の奥行きを

生み出していたんですね。その奥深さが、暮らしの奥ゆかしさに通じていました。

 わたしたちの暮らす鎌倉の地には、たくさんの寺社仏閣があって、その場所の

心地よさは、小さいころから身についているものです。

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 子供の頃、夏の陽射しをものともせず、炎天下で走り回っていたものですが、

亜熱帯化して、南国のような今の関東では、いかに陽射しを遮るか、に家づくりの焦点も

移ってきたように思います。もちろん、開くところは、大きくして風を通して。

 住まいを設計する上で、「明るい家」を望まれる方が多いのは、時代の暗さ、それも

見えない闇の濃さ、深さを無意識に感じているから、とも考えられます。

 こんな時代だからこそ、時間をかけ、熟考し、手間をかけて創る、陰影のある住まい。

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 一様に明るいより、すこし陰があるほうが、人の魅力がますように、

これからの住まいにも、陰影を考えましょう。光りは翳り、深みをますように。

数字と格闘す

 以前、設計させていただいた方から、二軒目の家の設計を依頼され、お子さんの暮らす家

のリフォームも同時にオーダーされました。今、工務店さんに見積もりを頼んで来週明けに

届く予定なので、こちらも設計者として、見積もりをしています。

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 設計という仕事、デザインをするだけではなく、むしろ費用という現実にどっぷりとつかり

経済の只中で、いかに「うつくしいもの」を作り出すか。が、中心にあります。

 人様の大切なお金を預かって、住まいという器を、大切な財産に仕立てる。

おあつらえのテーラーの仕事を、職人さんの手を借りてするわけです。

 無論、職人さんに手間賃を払って、なおかつ利益を出すのが道理。

 ここで、二つの道があって、建物を建てることによって、利益を上げるのが工務店で、

建物を建てぬしに代わって設計して、建物という財産を守って手渡すことで、

設計料をもらうのが設計者。この場合、第三者として、施工者と建てぬしの間に入るのが

わたしたちの仕事になります。

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 建てぬしにとっての利益とは、安全で安心な、居心地のよい住まいを設計通り

出来るだけ安く建ててもらうことです。予算に限りがあるのは、自明のこと。

 大工さんをはじめ、たくさんの職人さんをかかえ利益を上げるのが工務店ですから、

おのずと工事金額の見積もりは高くなり、建てぬしの利益を守ろうとして、より安く見積もろう

とする設計者。そのせめぎあいは、生臭く「デザイン」というイメージからは、程遠いもの。

 でも、その結果、作り手と住まい手の双方が満足の行く建物が出来上がればそれでいい

ので、図面を書いてつくる作り手側としての設計者と、予算を守って出来るだけ有効に使う

住まい手側としての設計者は、あくまで黒子でいい。

 例えば、建物の基礎ひとつとっても、地面を掘って、平らにならし、石をいれて踏み固め

鉄筋を並べ、型枠というフレームを組んで、コンクリートを流して固め 、また型枠を外す。

 たくさんの職人さんの手が動いてこそ、出来上がるのが、住まいという建物でした。

 「予算は細かく立て、使うときは大胆に使え」というのが、亡くなられた棟梁、田中文男さん

の至言です。工務店と建てぬしの間にはいる、第三者の設計者だからこそ、

予算を細かく把握する義務があります。なぜなら、もととなる設計図を書いた本人だから。

 設計者が一番細かく見積もることで、大げさにいえば、「社会的責任」を果たす。

「姉歯」以後、まして今年の震災以後、ますます責任重大な、市井の設計屋であります。

光りと風の中へ

朝五時前、静寂の境内の澄んだ気の中で、木々のイオンを感じる季節となりました。

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 元気という、元々ある気を呼び覚ますことで、この長い夏を過ごしましょう。

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 この季節には、白い花がなにより。涼しげな佇まいにおめめが癒されます。

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 国道下のトンネルをくぐると、ひろがる雲のパースペクティブが迎えてくれます。

夏の太陽は、海へ着く前に早やる気満々。「今日もやったるでー!!」と

なぜか大阪弁で叫びながら昇ってます。

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 海風にたなびく旗の音が、パタパタと燃える夏のカタパルト。

キョウモ ナガイ イチニチダ。

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 早い夏の訪れに、夏風邪が流行っているようです。皆様、ご自愛ください。

 光りと風の中で、希望という名の光りを見つける夏へ。

転ばぬ先の、ココロ

涼しい風が吹く水面、蓮のカップルがお話をしています。

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アッチー、がつい口をついて出てしまう、夏が始まっての週明け。

 子供がインストールしたソフトで、設定が変わってしまったLAN。

おかげでメールもネットも「無効」の表示、蹴っつまずく月曜日になりました。

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 今日の会合に間に合わせるべく、起こしていた図面。雑事に追われ今日に。

やはり、一日の余裕、目星は三日。改めて、仕事のペースを見直す週にします。

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 一人で生きているわけではなく、まして仕事も世間の只中でするわけで。

無事是名馬、予期せぬことに学ぶ、一週間にします。

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 今年の夏は、自分の立ち位置や、仕事に向かう姿勢、時間の使い方や日々の過ごし方

、まとめて見つめなおすには、いい機会でしょう。

 転んでも、ただでは起きない。ココロのチカラをつけたいものです。

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 可憐な花に宿る開くチカラに、見習う夏の日々を送ります。

夏の色香

梅雨明けを告げる、夏の陽射しが燃えている朝、五時前でも強烈に昇っています。

七月の十日、九月の声を聞き秋の訪れを感じるまで、長い二ヶ月の始まりです。

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 庭のゴーヤの黄色い花、律儀に朝日の方向をむいておはようを言っております。

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 八幡様の池、蓮の白さが清清しく、夏の朝の静けさを醸し出していました。

これから、毎朝そこここに開く、桃源郷への入り口です。

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 夏の陽が、犬のシルエットを影絵にして、東から高く高く南へ昇る季節。

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 蓮の、花びらの端正さ。この涼しげな繊細さ。自然の妙を感じて眺めます。

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 ノーゼンカヅラのオレンジが、夏空に映える。夏の色香は、花々の涼しげな佇まいに

宿っておりました。楽しい、夏の日を。

雨のベネチア

まもなく梅雨明けが近いようですが、予報と同じで、はっきりしない空の下です。

 この時期、雨降りが続くと、いつも思い出すのは、雨のヴェニスの街並み。

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 イタリア旅行の終わりに訪れた雨の似合う街。

運河と路地が入り組んで「迷宮」という言葉や「退廃」という言葉が水面にゆらぐ街。

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 ご存知のように、杭の上に浮かぶヴェニスは、沈みゆく街でもあります。

高潮で潮位が上がると、街中にかさ上げ用のテーブルのような歩道が並べられて

その海水でひたひたの上を長靴で歩く。迷宮に住むのには、不便も当然のものとして

暮らす、おおらかさが必要です。

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 そんな街も、人口は減る一方のようす。まさに「退廃」へと向かっているかのようです。

が、そこで暮らす人々はイタリア人らしく陽気な雰囲気でした。

 昼間明るいうち、迷路を探求するうち、目星をつけたリストランテ。

夜、溢れる店内はにぎやかで、すべりこんだアジア人の私達に、白のタキシードの係り

の男性は陽気に、やさしく面倒をみてくれました。「よく喰うやつらだな。」

 出てくる料理は、すべて!!! ビールのちワインのちビール

生まれ変わるなら、イタリアがいい。どこへいっても美味の国は、懐が深いのです。

 食後、夜風に吹かれながら、散策するにもほどよい広さのヴェニスでした。

街そのものが生きている、海上の都市はどこへ向かうのでしょう。

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 いつも真っ先に水没するサン・マルコ広場の塔から見下ろす風景は

いつまでもこのままでいてほしいものです。

 犬を飼うと、海外はおろか国内への旅もままなりませぬ。

老後の楽しみとして、夢の街は書棚の中へしまっておきましょうか。

住まいの熱のやりとり

「住まいは夏を旨とすべし」高温多湿のわが日本では、すかすかの風通しのよい住まいを

好んできました。そのかわり、冬はさぞ寒かったことでしょう。温暖化する前ですから。

 日本の家づくりが、高気密高断熱に向かい始めたのは、ここ二十年のこと。

やはり例の「失われた十年」ぐらいから始まったお話です。

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 屋根の下地となる、構造用合板の継ぎ目に、気密テープを張ってその上に断熱材。

屋根の大きい、本来の日本の家は、この下に大きな屋根裏の空間が控えていたので

昔はそれほど問題は無かったのですが、昨今のように屋根裏がロフトや吹き抜けとして

内部空間として、部屋になると、いかに熱を逃がすか。が問われるようになりました。

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 ご存知のように、都市部のアスファルト上の街は、耐えられない暑さになっています。

そのなかで、どう熱のやりとりを考えるか、目に見えない空気が運ぶ熱の行き来を

「見える」かのようにデザインするのも、設計屋の仕事です。

 写真のように、建物の外側を断熱材でくるむ「外断熱」その利点は熱を外側で継ぎ目

無く遮断出来て、室内の温度を安定させてくれることです。

 欠点は、やはり手間がかかること。今のような社会状況では、出来る限りコストをかけず

安価に建てたいのが人情というもの。人様の安全と大事なお金を、家という「財産」の形に

置き換えるのが、設計という実務の「サービス業」の役割です。ので、われわれが

自分を苛めて、日々考えて闘う以外に方法はありません。

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 私たちの考える住まいは、一軒一軒違って、そこに住まう方々の「人となり」を

表したかたちをしています。ハウスメーカーやデベロッパーマンションのように、

「経済」という枠組みの中で、不特定多数、最大公約数の数の論理だけで

かたち作られる訳ではないので、予算とのせめぎあいの中、人の「想い」をどこまで

かたちに出来るか、が日々問われているのです。

 結局、設計の修身論になってしまいますが、そんな設計屋には「職人さん」という

強い、まことに手強くも、心強い味方がいるのでした。

 本当に仕事の出来る職人さんは、無駄口をたたかず、設計屋の無理も黙って聞き、

手と体とアタマを使って、かたちにしてくれます。

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 写真の大工さんはそのひとり。世代も同じで、冗談が通じ、腕が確かで誠実。

そんな優れた職人さんに、渡す図面は、それこそ「手抜き」が出来ません。

「いい加減」な図面は、すぐに見破られてしまいます。

今、見積もってもらっている二軒は、またこの大工さんにお願いする「予約」を

申し入れていて、クライアントもぜひ、とのことでした。

 住まいの断熱という、熱のやりとりの話は、いつの間にか、職人さんとのやりとりの話

になりましたが、日本の木の家は、大工さんに支えられている。というお話なのでした。

小暑七夕少々の日

雨の止み間、短冊が風になびく朝、暑中お見舞い申し上げる季節の始まりです。

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 暦の上では、これから暑さが本格化するという小暑。もう充分暑いよと悪態を

つきたくなる今年の七夕です。今朝、風に揺れる短冊に「ときめきがほしい」ってあって

笑ってしまいます。ときめきは、自らするもん。与えられるもんじゃ、ないなあ。

 気の持ちようで、たなびく気分になるもんです。

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 昨日、今日で、たくさんの蓮が開きました。ここしばらくは、目に桃源郷。

浮世の日々と、見えない世界をつなぐ開かれた季節がひろがります。

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 小暑、七夕の一日、仕事も少々にすまして、ゆったりと過ごします。いい海風の中へ。

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考え方の根っこ

長ーーーい夏の入り口、でもいまだ雲は梅雨間の姿で浮かんでいます。

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 これが、むくむくとわき上がって大きな固まりになると「真夏」になるのでしょう。

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 設計の仕事は、これから出来上がる建物を想定して、する仕事です。

いまだ、かたちや色のないものを、相手にいかに伝えるか。

さまざまな図や写真、素材や色の見本を用意して、事細かに伝える仕事。

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 その仕事が、付け焼刃にならないためには、常日頃アンテナをはって、

モノをよく見て、自分のフィルターをキチンと通したものでなければ、クライアントの

信頼を得られるものになりません。

 こと、一般の普通の方々に説明する住まい作りに関しては、なおさらです。

そんな時にいつも思い出す、建築家村野藤吾さんの言葉。

 「自分の好きなことを、ひとつでも掘り下げていけば、どんなことがあっても、

そのことを軸にして、ひろげていくことは出来るのだから、安心なさい。」

 九十歳をこえて、生涯を建築にささげたひとの言葉は、重く深く色褪せない。

その方は、若いひとにも意見を求め、謙虚に自分の仕事を問うていたと聞きます。

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 考え方の根っこの部分に、養分を与えるには、いろいろと見たり聞いたり、

足を運んで、カラダで考えることが大事。毎日が、勉強の日々です。

雲と光りと南風

明け方の雨音をかすかに聴いた朝、降った雨が街中の熱を連れていってくれました。

涼しい南風が、ココロの中まで吹き抜けて爽快、あーソーカイ。

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 昇る太陽が、雲と光りのグラデーションを創りだし、川面に渡る南風が

光りと翳の襞を創る一瞬です。

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 浜辺に吹き抜ける南風の風音で、潮騒は聞こえてこず、静寂の風景を眺めています。

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 季節はまだ梅雨の只中。雲のようすも、中途半端に所在無げ。浮かんでは、

風に流れて刻々とすがたを変えて消えていきます。

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 ゆく川の流れはたえずして、ゆく雲の流れもまたたえずして、

二度とこない今日の空を彩っていきました。

きもちとかたちと

海開き、の週末明け、由比ガ浜は散らかしたモノ目当てのカラスの群れ、

ヒッチコックの映画のような風景の朝です。

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 節電の夏、身の回りの始末ぐらいしてほしいものです。

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 新しい仕事の依頼があって、また新たな展開のバリエーションが増えて

自分たちのフィールドがひろがる。ありがたいことです。

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 設計が、モノにかたちを与える仕事ならば、自然のかたちに素直に学ぶのがすじ。

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 目にはみえない、きもちを、目に見えるかたちにする役割。

 以前、糸井重里さんが「と」について言われていました。

なになに、「と」、なになに、の「と」に、助けられたというようなことです。

 文庫のキャッチコピーで「想像力、と数百円。」

見えないもの、と、お金という、見えるもの。この言葉の「と」にあたるところが

設計なのでしょう。住まいに対する人のきもちを、どうかたちにするか。

そこに、当然「わたし」が入ることになる設計の仕事。

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 また、ひとつ、すすむべき方向が見えてきました。

みちしるべは、身の回りに、すでに、いつも、あります。

 よい、週を。

自ずのスタンス

海へと向かう道すがら、足元を右から左へ移動する物体が。

その正体は、小さなカニさんでした。両手(足?はさみ?)を振り上げ戦闘態勢。

おどかしてわりいな、またな!!カニカニ。

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由比ガ浜、海の家の屋根に唐突にミニが置かれていました。

この脈略のなさ、つい「センス」という言葉を考えてしまうデザイナー頭です。

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今年は、例年にはない夏になります。電気がいかに暮らしかたを左右するか、

新しい挑戦になりそうですね。以前、冷房のなかった時分の地下鉄や江ノ電の

熱風にあたる感覚、すこし思い出せば、そんなに不思議じゃないと思います。

デパートにも、お休みがあったし、TVの放送も夜は「ザー」でしたし。

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 自分にあった歩幅で、日々歩くように、今年の夏は過ごそう。

スタンスを小ぶりにして、無理しない。今まで、をすこし巻き戻して

「前向きに、すこし後ろ向き」な暮らしかたをしてみます。

 カニのスタンスに出会って、横にすすむ感覚って、前向き?

カニに聞いてみたい今朝となりました。

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 月のような、朝の夏の陽。今年の夏は、ひとつお手柔らかにお願い申し上げます。

半夏生の夏

旧暦の六月二日、半夏生の今朝、はじめて八幡様の蓮の花が開きました。

新月明け、夏のはじまりを告げる声をききます。

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半夏、カラスビシャクという薬草が生える頃、ということで半夏生はんげしょう。

梅雨の只中、桃源郷への入り口のような景色がひろがります。

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父の術後の経過がよく、快気祝いをすることになりました。

季節は、瑞瑞しく生命力に溢れた夏になっています。

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穏やかに暮らせる、静かな夏でありますように。

 海の潮騒が優しい、よい週末です。

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海開きのオープンマインド

夕立のおかげで、ほんのすこし涼しくなってぐっすりおやすいみん。

穏やかな海開きの日を迎えます。

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今朝は、すこし靄っていたので、おとといの気持ちいい風景を。

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夕暮れの夕立が上がった散歩道、夏蔦の薄いブルーがとても涼しい季節です。

こんな色のワンピースを着た女性が、白い日傘で通り過ぎたら、ビビビでしょう。

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今年も、長い夏が始まりました。海のように、大きくココロを開いて精一杯涼しい風を

吹きぬかせていきたいものです。

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 それもこれも、静かな日常と健康があればこそ。

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 日々、是感謝の好日です。

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