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乞われる夏を過ごす

 今年の夏は、不思議な感覚をおぼえます。灼熱かと思えば、毛布が恋しい晩秋か?

夏休みの始まりは、台風の置き土産のような涼しさが一緒です。

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 澄んだ夏の空気は、色鮮やかな光りを運んでくるようです。

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 蓮の、レンコンの部分の、鮮やかな黄色とオレンジ。

お菓子作りのヒントに、いかがでしょうか。

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 早朝、これから開こうとする花弁の、つつましい佇まいは「静謐」そのもの。

極楽浄土のイメージ、古人も現代の目も、同じように見えてはいるのでしょう。

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 今は、そびえるマンションが建つ、鎌倉高校前の斜面に、母方の祖父母の墓があって

風が吹き抜ける、足元の砂地にハマナスの小さな花が咲いていた、あの夏の日。

この黄色を見ると、鮮やかに甦ります。

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 夏の風は、夏の蒼と一緒にあるのが「絵」になる。

立ち止まる風に、じっとする旗。はためく、というのは夏の陽射しの下の

ココロもちにぴったりとハマル言葉のようです。

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 来週から、現場や打ち合わせが続き、お祭りのぼんぼりの仕度やら

いろいろと乞われる夏のスタートです。

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 人から呼ばれるのは、相変わらずに、シアワセなことです。

平和で無事に健康なら、人の望むものは、少ない。

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 犬も乞うのは朝夕の散歩ぐらい。面倒見のよい、設計屋の夏です。

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