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2011年9月

違う海辺の風景

穏やかな朝焼けを迎える由比ガ浜、秋風がそよそよと吹いています。

すでに、ほぼ日のブイちゃん柄のハラマキで、あたため散歩の季節になってます。

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 明るいだけの、夏空とは違って、これからは来春までのあいだ、日々刻々と

深く淡いグラデーションが楽しめます。夜明けの360度、専用シアターです。

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 今日の夜から、宮城まで出かけてくることになりました。

あの日から半年過ぎ、ようやく向かうことが出来ます。

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 彼の地に、足を運びこの目で確かめること。受け止めようと身構えるより、

ありのままを感じてこようと思います。目の前の光景に、圧倒されてもそれはそれでいい。

海の背後の山も、見に行って全体を見渡すようにしてきます。

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 毎日見ている、穏やかな鎌倉の海とは、たぶんまるっきり違う風景だろうけれど、

しっかりとよく見てまいります。では、良い週末をお過ごしください。

気分休

夜明けが段々に遅くなって、お日様も隠れて、グレイッシュな朝が続いています。

先日の台風が残した大木が、オブジェになって由比ガ浜現代アート展しています。

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 役所に建築の確認申請を出し終わり、工事の予算にも目処が立ち、長かった嵐の夏が

ようやく秋を迎えました。両肩のチカラが抜け、ようやく人心地つく九月の終わりです。

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 今日は、いままで格闘してきた予算を反映した図面を持って臨む工事契約の日。

大安吉日、気分は休日。やることをすべてやり終えて、いい気分で過ごせます。

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 静かに響く潮騒をみながら、よかった、と思う朝です。

今日という日

季節の変わり目、一段と涼しくなって冷え込む感じになってきました。

毛布をかぶっても、違和感がなくて、暑かった夏が遠い昔のことのようです。

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 数十億年の宇宙の時間の流れからみて、たかだか100年単位の人生ですが、

太古の昔から、連綿と続く営みと考えれば、今日という日も数十億回繰り返されてきたこと。

今、過ごしている時間は、昔の人の限りない未来でもあります。

昔の人の目にしていた景色の先に、今日の風景がありました。

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 数々の戦争や災害で、夢半ばでたおれた人々の、夢見た未来の日に

今日生きて、今を見ている。どこかで、ずーっと繋がっているはずの、目の前の景色。

 自分たちの後ろに厖大な人々の未来を見る目があったことに、思いを馳せれば、

毎日をおろそかに出来ないよな。と、グレイの海を見ながら佇む朝。

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 さて現実は、下世話な役所と折衝仕事。過去に生きた古人の、描いた未来に

負ケズ、働いてきます。どこかで、見ているものですから。「まっとう」か、どうかを。

気持ちを伸ばす日

お彼岸を過ぎると、めっきり秋風が吹くようになるから不思議ですね。

空気が澄んで、朝焼けがよく焼ける?ようになってきます。

これから冬が終わるまで、晴れた日には朝焼けのハレーションが楽しめます。

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 今週は、さまざまなことに目処が立って、すこし緩やかなスピードで過ごせます。

お天道様が見ていてくれたのでしょう。

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 犬が、クイーーンと伸びをするように、しなやかに遠くへと気持ちを伸ばす。

秋は、涼しくてさわやかで、グーーーンと伸ばすことが出来ますね。

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 現場日和が続きますように。よい、一週間を。

バランス仕事

朝晩だいぶ涼しくなって、あの蒸し暑さとお別れできて、さあ食欲の秋がやってきます。

この夏も食欲は落ちず、むしろよく飲みよく食べることで乗り切っていたみたいです。

このまま年末に進むと、健康診断が微妙になってきますが、今度の週末は東北へ向かうし

たぶんよく吸収してくること、受け合いです。

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 しばらく前から「ワークライフバランス」という言葉が聞かれるようになりました。

仕事と暮らしの釣り合いは、どちらかというと仕事の観点から「働きすぎ」を矯正して

豊かな余裕のある時間を。という話だったように思います。

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 一歩進んで、よく働きよく休むため、唯一人に与えられた資源は丈夫なカラダのみです。

「変化をする者のみが生き残る」ダーウィンの言葉だそうですが、健康な体さえあれば

どんな変化があろうとも、対応することが出来ますね。

 対応するというのは、言い換えればバランスをとること。変化を遠ざけるのではなく、

しなやかに受け止めて、水平な均衡点を探して、自分なりのバランスをとる。

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 思えば設計の仕事も、かたちという夢と予算という現実のバランスを見極めること。

それに尽きると思います。今年は、考えさせられる出来事がとても多くて、

好むと好まざるに限らず、変わらなければならない状況に「自然」に置かれてますね。

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 同じ夜明けは、二度とないこと。よいバランスであればこそ、身に染みて感じることが

出来るのでした。今週も、よいバランス仕事ができますように。ごきげんよう。

自分の俯瞰

九月も矢のように過ぎ去り、連休明ければ、10月の声を聴く。まことに、早い一年です。

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オレンジとブルーグレーの空に、エッジの効いたバナナムーンが浮かんでいます。

ちょっとピンボケ、もご愛嬌ということで。

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 なかなか自分という奴は、客観的に見られないものですが、そんなとき

空から鳥の視点で 見下ろす、俯瞰をするイメージを持ってみます。

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 昔のひとは、その視点のことを「お天道様は見ているから」と言っていたのでしょう。

天網恢恢そにしてもらさず、どんな道を通っても、空の下では、全てが明らかですね。

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 秋の空を映す砂浜のように、静かな心持で過ごす週末になりますように。

晴れときどき、へなちょこ

自然の造詣は、簡単に人智を超えたものを生み出します。

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 台風の残した、この流木を、このままヒルズ美術館へ飾れば即「現代アート」。

セレブだのカリスマだの、名乗るの簡単、言うは易し、行うは難し。

中身の無い、アーティスト表現。日本のTV、震災後の自粛明け、おばか加減が加速して

オカネかけた地デジも、見るべき内容がありません。

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 秋の連休、今年も仕事にはなりましたが、変化が得られる年になります。

やはり年男というのは、得るものが大きいめぐり合わせになっているようですね。

 アンチではない、エイジング。不自然なアンチエイジングを追い求めるより、

エイジングを味わうほうに、私は自然に向かいます。

 秋の好日。秋晴れのもと、へなちょこな姿勢で、世間を斜め読みする一日です。

まっとう勝負

今年二度目の盛りを迎えるノウゼンカツラ。台風の雨風ニモマケズ、凛と咲いてます。

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 潮の引いた由比ガ浜。砂浜が昔のようにとても広がって、気持ちのよい朝です。

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 高校時代、恩師がことあるごとにこう言いました。

「おまえらなぁ、まっとうに生きろ」

出来の悪い生徒の通う高校で、さらに出来の悪いガキに向かって、言い続けてくれました。

 「まっとう」、正直でいても、思い通りになかなか行かないとき、「まっとう」は勇気になる。

たぶん、「まっとう」は生きる人々の「魂」を表す言葉に近いかな。

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 言葉は、真善美を分かち合うためにあると思うな。

さて、まっとうなようきゅうをする、たましひ、傍らに一匹↓

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 おさんぽ、いきますか?いつ、いきますか?すぐいきますか?いきますか?

これからいきますか?よくいきますか?  わかったつーの!

万事休さず

台風一過、強風の置き土産、千切られた若葉の香りが充満する鎌倉です。

うちの坂も、途中のお宅の竹垣が倒れたり、坂ノ下の大木が折れていたりで、

後片付けが大変です。

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 滑川の河口も流木やらで一杯。大きな爪あとを残した台風です。

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 あきらめずに書類を作った、自分のお陰で自分が楽になる朝が来ました。

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睡眠一時間半で、役所へ行ってきます!

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 万事は休さない、しぶとい俺です。よい、三連休を。

一歩、前へ

台風の大雨を避けて、机に向かい書類づくりの一日になります。

夏中かけた、二軒分の予算がやっとこさ決まって、心底ほっとして、打ち上げ!

ただ、あまりにくたびれていたようで、すぐ出来上がり熟睡する夜でした。

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ルディー和子さんのデジタルブック「不確実な時代のプライシング」を読みまして、

コメントを書き込みましたら、丁寧なお返事をいただきました。

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 プライシング、ものでもサービスでも「値段」を決めることが、企業のメッセージになる。

この視点は、これからより重要になると思います。たとえ、零細自営設計業であっても、

どういうふうに、設計料を決めて、相手に納得して支払いいただくのか。

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 デザインでも、建築設計は建物が出来上がるまでまさに「絵に描いた餅」。

どう具体的にクライアントがイメージ出来て納得が得られるのか、その「値段」を決める。

 あくまで、売り手が決めるのがプライシングである。その基本のところを秋休みに、

もう一度立ち返って考えようと思います。

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 毎日、一歩ずつだなぁ、ホントに。

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時の過ぎ行くままに

早いもので、秋のお彼岸です。今年は、お墓参りに向かう人々の、気持ちがやっぱり違う。

無事に、ただなにごともなく過ごして来られたことが、考えれば奇跡のようです。

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 人が、どんなに泣いても笑っても、時間が同じに過ぎ去っていくのは、自然の摂理。

時に流されようが、抗おうが、本当に平等に過ぎていきます。

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 海の水平線を眺めていたら、若かりし頃のジュリーが唄う「時の過ぎゆくままに」が

とてもしっくり聴けそうです。♪この身をまかせ♪過ごすお彼岸、いいと思いませんか。

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 散歩の途中、足元には早ハロウィン。ひと月なんてあっという間に、過ぎ行くまま。

ハロウィンが来たら、クリスマスはもうすぐ。歳もとるわけですね。

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 たまには、気を抜いて、この豊かな実りの季節を歩きましょう。ご機嫌よく。

目的もたず

お彼岸を控えても涼しくならず、バテ気味ではあーりませんか?ビールが進んで困る

ススムクンです。(いつものことか)

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 いまだ強い日差しに、日焼けする秋の日。いまいちなリズムで過ごします。

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 ビジネス書を読んでいて、あれもやれ、これもやろう、と目的が書かれていて

たしかにそうだ、とは思うけれど、思って終わり。そんなもんかも知れません。

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 「目的」持たずとも、どこかへ行けるし、何かが出来るし。

機が熟さないこともあり、流れが違うときもあり、「今」じゃない時期もあり。

変わりやすい秋空のせいじゃないけど、季節のせいにしてみる休日。

しっくりこないのは、残暑のせいにして、目的なしの日曜日を過ごします。

台風が去って、心地よい秋風が吹くのを、しばし待つとしましょうか。

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レーモンドの家

昨日は、残暑の中、汗をかきかき由比ガ浜へ。建築家アントニン・レーモンド設計の

S邸の実測に出かけてきました。所属する「ひと・まち・鎌倉ネットワーク」の活動の一環で

残された図面をもとに、現存する状態を細かく把握するための調査をします。

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 広大な敷地、建物に向かうまでのアプローチがゆったり夢のように素敵です。

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残念ながら、松並木も手入れがされていないまま、鬱蒼として、風が吹き抜けない。

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 なんとか、鎌倉の人々の手を集めて、小奇麗にしたいものです。

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 午前中、ひとりぼっち!で調査をしながら、外階段で屋上へ。

鎌倉の端っこまで見渡せ、秋風が心地よい場所です。夏は、ビアガーデン!!がいい

などと、測る手が止まって、空想する時を過ごしてもいました。

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 この住まいが建ったのは、私が六歳の時。その時分の空気感を想像し、

カラダを動かし、手を使って測ることで、段々と建物が身近に感じられてきます。

当時の人々が作った建物の経てきた時間を、追体験することで、ものづくりの心意気

とでもいうべきものを、身につけます。

 住まいに限らず、人は無くなっても、残る建物があり、その逆もあり。

レーモンドの家、商売柄、図面に表すことで、今後のあるべき姿を考える一日でした。

 

無事是名馬

明け方、流鏑馬の準備に追われる馬場を、後ずさりする犬を引きつつ海へ。

物凄く大きな雲が低く垂れ込める朝でした。

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 案の定、ぱらぱらと天気雨。やり過ごそうと入ったトンネルから、

振り返る秋の空です。

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 帰り道は、また雨脚が強くなって、犬と一緒に濡れ鼠。

犬はぷるぷる、こちらはシャワー、で例大祭の一日が始まります。

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 流鏑馬に合わせて、秋空はピーカン。よかったよかった。

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 流鏑馬の行事は、実際に馬が走り出すまで、さまざまなお祈りがあります。

近所の子供たちも、装束姿になって神妙にお役にたちます。

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 無事是名馬、秋の祈願は、五穀豊穣と、何事も無事に進むことに感謝を奉げ、

頭をたれる。穏やかな一日でした。ごくろうさま。

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棚卸しながら歩き

子供たちの敲くお囃子が聞こえる季節、はや九月も折り返し点を過ぎます。

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西の空には秋の月。十五夜過ぎて、ぽっかり所在無げに浮かんでいます。

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 慌しく過ぎた夏、打ち合わせの終わった方から資料が返ってきました。

今まで手元に集めていた様々な住まいの様子。言葉だけではなく、見る知識を共有する

ことで、お互いの方向性を確認するために使います。

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 建築を取り巻く環境や、そもそも社会全体の変化が激しい今、知っているべき

仕事の範囲も多岐にわたります。手元には、山のような資料が集まる。

 さて、仕事の段落ごと、棚上げしていては、新しい風を入れるスペースが足りません。

物理的な、置き場所もそうですが、それを使いこなすアタマの風通しが悪くなる。

そうならないための、棚卸し。しながら歩く秋の始まりです。

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 残暑厳しく大汗かきながら

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物事の順序

八幡様の例大祭。宵宮を控えて、由比ガ浜で浜降式が行われていました。

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 毎年、朝の犬散歩の時間が一緒で、邪魔をしないように遠くから眺めています。

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 お月さんが見守る中、滞りなく終了です。

宮司さんをはじめ、海中で禊(みそぎ)をされて、海藻を手に本殿へと向かわれます。

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 白装束の神官のあとを、しずしずと追います。(犬はふがふがと)

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 海で手にされた海藻は、境内のあちこちに奉納されていました。

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 なにをするにしても、物事には順序があることを、古来からの儀式は教えてくれます。

右手と左手を合わせてなにかをするように、順を追って過ごす毎日のこと。

 同じ地上の時間を過ごしていても、厳かに進む静けさを湛えた鎌倉の地があり、

見えない放射線に脅かされる地があります。

 以前、イチロー選手が「一足飛びに、その場所には行けないから、毎日が大切。」と

言われていた意味が、実感できる朝です。ひとつひとつ、順序を辿って「何か」を成す。

季節が繰り返すように、一日の充実をすこしずつ繰り返していく中で、何かが見えてくる。

 「機が熟す」は、心と体の両方が意識せず揃ったときのことを言うのでしょう。

カラダはなにをするにも正直。いい姿勢で前を向ければ、目の前が開ける気がします。

 慌てず騒がず、厳かな神事にあやかって、順序をこなす一日の端緒です。

同じ空の下

九月は、秋祭りの季節。鎌倉では、あちこちの町内会でお御輿が出て賑やかです。

八幡様も今週は例大祭。うちの子供も流鏑馬の神事のお手伝い。装束姿での参加です。

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 沸き上がる雲を照らす朝焼け。まだ残暑が続くよう、暑さに負ケズ働きます。

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 物事は不思議なもので、ひとつ流れが変わると、順繰りにうまく流れるようになります。

人の考えの及ばないところで、見えない気の流れのようなものがあるのでしょう。

 雲の上から見ると、不自然な流れをわたしたちはしているのかな。

秋のお祭りは、素直な気持ちを取り戻して、自然の営みの中に帰る、いい時期です。

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 場所は違えど、つながっている、同じ秋空の下で暮らす九月。

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 よい、一日を。連休も近いことですし!

自分の、なり

残暑の日々、蝉たちの声が賑やかで、やっぱり鳴き足りなかったのでしょう。

ここぞとばかりに、カナカナミンミンツクツクジージーの大合唱で始まる朝です。

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 人となり、なるようになる、なりふりかまわず、と「なり」という言葉はよく使います。

実が生るように、人が何者かに成る。「なる」という言葉は、ある状態からある状態に

「変わる」という意味がありました。

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 半年前、3月11日は、なってしまった日ですが、前向きに自分の「なる」に

置き換えるための試練でもあると言えます。

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 身なりは「身形」とも書く。その意味でも、自分の、なりは人に見える形のことのようで。

どう「なる」のかは、自分次第。身形を整え、自分のなりを見つめ、何者かになる。

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 人となり、は他人がする「人のふり」。人のふり見て、こちらもなりふり良く考えよう。

沸き上がる秋雲のなり、見上げつつ今週もなりますように。

夏の忘れ物

夏が置き忘れた残暑、ここしばらく続くようで、皆様どうぞご自愛ください。

九月の声を聞くと、誰でもすこし気が抜けて、夏の疲れが出るようです。

特に今年は、今までにない経験をしたことで、意識しないところでボディーブローのように

疲れが効いてくるのかもしれません。あの日から、もう半年。忘れることのないように、

努めることぐらいしか出来ないけれど、そうすると心に決めて、明日へ。

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 道端の蒼、今朝も健気に元気です。初秋、凛凛と。

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 今週、八幡様では例大祭。流鏑馬の準備も進んでその時を待ちます。

真っ直ぐに海へと続く道程、雲の広がりがすっかり秋めいてきました。

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 この夏は、振り返る余裕もなく通り過ぎて、考える時間を置き忘れてきました。

なにかに追い立てられるかのように、目先のことだけで終わったような気がしています。

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 鎌倉の穏やかな海を眺めていると、あの押し寄せる津波は見なかったことのように

思えてきます。あのときの光景と、自分たちの平和のギャップが、目に見えない重石の

ように、のしかかっているのかもしれません。

 漠然とした不安、そんなものは存在しないと言い切ってしまうアタマであっても、

カラダ全体は疲れを感じとっているように思えます。

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 運命に抗いながら生きる人間であるならば、時間の流れに助けられてもいい。

この秋は、忘れ物を取りに帰るような、そんな季節を過ごします。

手帳の言葉

もうすぐ十五夜。まん丸になる前の月がゆったりとうかんでおりました。

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 日が暮れるのが、日を追うごとに早くなって、夕暮れ時の淋しい感じが増す今日この頃。

来年の「ほぼ日手帳」、どれにしようかな?と考え始める季節でもあります。

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 手帳の予定のとなりに、その時々の目についたり思ったことなど書き付けていて

去年の今頃は「技術も資源である」とか「盗塁を成功させるには、足を速くするという

見方と、移動時間を短くする、という観点がある」と書いてあります。

 思い返すと、その頃は自分の設計に対する技術力をどう上げるかと考えていて、

「技術」に関する見方を、探していたのでしょう。特に、野球の盗塁における

トレーナーさんの言葉が印象に残っていて、盗塁の成功率を高めるには、足を速くする

というだけではだめで、塁から次の塁へ、移動する時間を短くする、という全体を見る

視点が必要だ、ということでした。

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 移動時間という視点を持つことで、スタート時点の重心の掛け方から、次の塁へ

滑り込むスライディングのタイミングまで、たくさんの改善点が見つかる。

 仕事においても能率を上げるために、前日の夜から当日の夜まで、準備や優先順位や

ここまではやり終える、というノルマに近いものまで、いろいろなことを考えられます。

 大きな視点で考えれば、図面を書くことに集中できれば、時間に余裕が出来、

他のパターンを考えたり、先のことをより前倒しで始める時間が生まれる。

 ものの見方、考え方も手帳に書く言葉から、始まるようです。

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 手帳に書きとめた言葉は、時々読み返すことで、今日という日を新しくデザインする。

自分で書いた言葉は、時に自分のゆく先を示してくれるものでもあります。

 さて、どの「ほぼ日手帳」にしようかな?

面倒見の日々

九月もあっという間に中旬。ほぼ日手帳は、「来年はどれにする?」と言っています。

日一日、秋の空は高くなって、気分よく食欲もよくぐっすりも眠れ、よい季節になりました。

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 骨組みだけになった、海の家。来年の夏は、穏やかに過ごせますように。

光陰矢のごとし、季節は立ち止まることなく、過ぎていきます。

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 いつの頃からか、人を支える裏方が性に合っていることに気づきました。

お膳立てをして、舞台に立つ人々を、袖から見ている自分が、心地よいことに。

思えば設計の仕事も脇役でよく、黒子として立ち回り、いい建築が出来て人に喜ばれれば

それだけでいい。名を残さずとも、居場所が残せれば、納得が出来ます。

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 それはそれはたくさんある、日常の雑事の面倒見。時に嫌気がさしながらも、

それなりによくやっているところをみると、面倒見が好きでやっているようです。

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 こやつの面倒見。腰の痛みに耐えながら、風呂に入れ、げっそり。

仕事より、面倒な面倒見の日々です。

よい、週末を。

己の住処

朝晩に吹く風が、すっかり秋めいて、虫たちの声も大きくなってきました。

谷戸の只中、峠の我が家、夏草が伸び放題、そろそろ草刈せねばの時期到来です。

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 人様の住まいを設計する仕事を始めて、かれこれ四半世紀。独立後、手始めに建てた

我が家にもそろそろ十五年の歳月が流れたことになります。

今、設計するなら、この住まいも違うかたちになっていたと思いますが、それほど考え方が

変わったわけでもないので、それほど変わり映えしないのかも。

 我が家のような木造の家は、日本人に合っていますが、それなりの手入れが必要です。

湿気の多い、鎌倉の谷戸に暮らすには、一年中庭を掃いたり、家のあちこちの拭き掃除が

欠かせません。大きな窓には、必然的に大きな網戸が要り、たくさんの虫や谷戸の土ぼこり

を掃除する手間がかかり、破けもし、張り替える手間がかかり、一軒家を持つのは

お金のかかることでもあります。

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 それに加えて、この同居人(犬)。年がら年中、毛が抜け水しぶきを撒き散らし。

室内の大掃除も、さぼると打ち合わせにお客様呼ぶときが大変です。

 仕事は経験則で時間が「読め」ますが、掃除片付け整理整頓はかかる量が「読めない」

から、いつもクタクタ。仕事のほうが、楽!などと悪態つきながら、惑うことになります。

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 住処は、時を過ごし手入れをしながら、すこしずつ暮らしに馴染むもの。

いつの日も、安心して過ごせるのは己のおかげかも知れませぬ。

己の住処であれば、掃除にかけた時間さえ、住まいの歴史になります。

 一軒の家には、それぞれの「かけがえのない」時の流れがありました。

出た所勝負

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 設計の仕事は、結果を想定して、あるべき姿にもっていく予定調和なのですが、

以前より、そう細かく決めないで行き当たりばったり、直感勝負でもいいと思えるように

考え方が変わってきました。今年は、震災以後「これはそんなに大事なことだろうか?」

と幾度も立ち止まり、振り返ることが多くなったようです。

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 その時々の判断で、良かれと思える選択をしていく。理詰めで細かく行っても、

逃げ場の無い、融通の利かない、息苦しい、そんな場所へと向かうような気がしてきます。

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 手持ちの駒、たくさんなくても、勘所さえ外さなければ大事なことなんて多くない。

そう思えるようになってきたのは、新しい感覚の萌芽でしょうか。

 名人が舞台に上がる時の「出たとこ勝負」。まだまだ小僧っ子の自分に、合った行き方。

しばらく探してみようと思います。

風に吹かれ、転がる石のごとく

朝晩涼しくなって、虫の声も空も高くなってきました。海風が心地よい砂浜。柱だけの海の家

が、秋の訪れを告げています。短い夏と別れて、夜長の季節とよい出会いしましょう。

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 現場に出て、人と会い、事務所に戻り、図面を引く。

いつもの秋口、暑さも一段落して集中して仕事の捗る、いい時期がやってきました。

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 「風に吹かれて」「転がる石のように」とボブ・ディランが唄うように、小さな意志を持った

小さな石のように、時の風に吹かれてコロコロと転がり続ける。

 自転車操業の設計屋には、そんな心持がぴったりきます。時代の風があるとして、

時に吹き飛ばされながら、角を丸くしながらも、なお尖がって頑固に転がる。

転がってもただでは起きない。不器用な達磨石でいこうと思います。

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 今日も、明日も、意志を持って図面引く。蓮の花の控えめさ。見習って謙虚に過ごします。

風の道をゆこう

夜明け前、まだ暗闇の中を海へと向かううち、少しずつ空の蒼が明るくなっていきます。

時折通り過ぎる車の音が止むと、頭上の蝉の声と、足元の虫の声が耳に心地よい。

奏でられる至上の音楽を聴きながら歩く、そんな九月の朝がはじまりました。

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 海の家の解体が始まって、もうじき滑川に架かるこの橋も来年の六月まで

どこかへ仕舞われます。夏はあっけなく通り過ぎますね。

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 凪いだ海、水面と空がお互いを映すようなハーモニー。

涼しくなった海風を全身で受けながら、大きな気持ちになれる朝です。

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 海風の通り道は雲のひろがりが指し示すとおりで、とても素直。

こういうのを人生にたとえると「順風満帆」というのでしょう。

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 秋の入り口にたち、今日も風に吹かれています。よい、一日を。

移ろう時の中で

台風一過、最近は、すかっと晴れたためしがないと思いませんか?

穏やかな秋の青空、待ち遠しい週明けになりました。

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 空がどんどん高くなるように、お天気につられて気分も上がるといいですね。

「お天気屋さん」いつも前向きなら、わるくない性格と思ってます。

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 毎日が代わり映えしない、と思っている人には、そうとしか見えないはず。

人は見たいものしか見られないというのは、たぶん当たっているなと思います。

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 移ろう時は、自分を映す鏡のようなもの。大きな季節の流れの中で、

どれだけ正直な気持ちで過ごせるのでしょう。

 やり残した夏休みの宿題、大人にもあるかもしれません。

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 曇り空、いつかは晴れるかな。

マーブルな日曜

久しぶりの、遅い夏休み、なーんにもせず読書→ビール→サッカー!!!!と

いいパス廻しでゴールしました。なにもしない、ことをする、充実。

人様の住まいを設計する立場にいるからには、日常に夢を持たなければ、他人様の

夢ある家を創造しようがありません。休むときも、どこかで夢をかなえるための

密かなネタ集めは欠かさないように、そういう習慣がついています。

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 ドラッカーの著作は、読み返すたび、ドキッとする言葉の数々がちりばめられています。

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 「延期は放棄である」先送りは捨てたと同じ。うーーん、的を射て耳がイタイ。

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 「成果からスタートして考える」 現状を変えようとして汲々とするのではなく、

受け取る人が、どういう成果品を望むのか。そこからサービスを考える。

 たった一行の言葉に、仕事の全てが入っているような気がします。

珠玉の言葉は、宝石箱のように、しかも何十冊も。「もしドラ」ですから。

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 犬コロにゃー、わかんねーだろーなぁ。と、マーブルな秋空の下、

日暮れて道遠し いい充電をして また日々新たな一週間を迎えます。よい、一日を

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読書の秋の入り口

ここ鎌倉では、強風ばかりが渦巻いて、パラパラとしか雨がこない、へんな台風です。

かたや大雨が降り続き、大変な週末を迎えている場所があるというのに。

地震だけで、たくさんなのに、日本の踏ん張りが試されているのでしょうか。

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 盛り上がる波頭、取り残された海の家、誰もいない砂浜は寂寥感に満ちています。

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 すこし涼しくなると、本を開く。秋の夜長、台風が過ぎれば虫の声も大きくなります。

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 片手には、池田晶子さんの「考える日々」もう片方にはドラッカーの「仕事の哲学」。

私にとっては、どちらも身近な哲学書です。悩むのではなくて、きちんと考えること。

自分だけで、考え続けることからしか、道は開きません。不安は、思わなければ不安に

ならない。先人たちの、残した言葉を幾度も読み返しながら、思索する秋。

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 風に揺れる、外灯も詩的に見える九月の入り口。

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 台風の曇り空を、低く滑っていく鴎のあとを目で追いながら、

読んだ内容を振り返る、一日のはじまりです。無事でありますよう。

かたちのないもの

九月の声を聴いたと思ったら、台風の雨雲は幸い鎌倉をよけてくれたみたいです。

そのかわり、湿気た南風が渦巻いて、残暑ざんしょになってます。

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 ついたちは、夢のような空。荒れる海の波頭に似合わない水色でした。

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 数年前、ふと気持ちにもかたちがある、と気がついてから

考えの巾が広がったように思います。もちろん、目には見えず、触れられもせず、

確かめようのない、きもちのかたち。

 もし、好きなひとがいれば、自分のきもちは、相手のかたちにあわせて、

よりそうように、へこんだりふくらんだりするものでしょう。

自分がなにかを主張するときには、妙に出っ張ったかたちに、きもちはなるし。

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 もの言わぬ犬を見ても、やさしいかたちになるのかもしれない。

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 なるべくなら、とんがったいびつより、ユーモラスにへたれていたほうが、

きもちのかたちとしては、ありたい。

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 台風の白波に犬もろとも浚われそうになるほど、ぼーっとしていた

九月のはじまり。暇になると、余計なこと考えるようです。

静けさの建築

うちから歩いて2分のところ、八幡様の境内にかれこれ60年建っている建物があります。

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 建築家坂倉準三さんの設計で建てられた、神奈川県立近代美術館です。

1950年当時、まだ戦後間もない頃、この建物をつくろうとした人々の熱意を受け、

わずか6週間のコンペ期間内に、この佇まいの骨格を考えたすごさ。

 時を重ねて、源氏池に溶け込んで、しっとりと建つ、この建築を

「ひと・まち・鎌倉ネットワーク」の有志で、二回目の見学会をしてきました。

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 材料の無さに苦労されながら、苦心の跡を残さず、静けさを湛えたこの建築。

八幡様の借地に建っていることから、あと5年で期限を迎えます。

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 水面の光りが、ゆらゆらきらきらと天井に映る1階のピロティ。

華奢な柱は、桂離宮に通じるものがあります。当時の建築家は、古建築にも精通し

様々なデザインの持ち駒として、大きな引き出しを持っていました。

 毎日脇を通り、その行く末を見守りながら、これからも時々訪れることでしょう。

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 中庭に切り取られた八月の夏空。あと幾年見られるのかなあ。

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 今は改修された、建設当初の展示台を、特別に見せてくださいました。

生まれる前からあった、この名建築。「近美」の愛称をこめて、静かな建築を愛でる

八月最後の日曜日でした。

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