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2011年12月

ちっぽけな己とともに

 ココロの休む間もなく迎えた大晦日。健康で過ごせる日常が続いているのだから、

贅沢言っちゃあ切りがない。穏やかな明るい年を願って迎えましょう。

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 新しい仕事の依頼とともに始まった年男イヤー。明るい春を迎えることを忘れたまま、

年の瀬を慌しく過ごしてきました。そういう転換期ならば、ここ数年はそのように過ごそう。

ようやく、本当の覚悟が出来たのかもしれません。

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 小さな事務所をどう続けていくのか。は、どう己が考えるか、と同じことです。

今までの、小さな設計の範疇、大きく見つめなおす時期になりました。

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 あの日、見つめていた海。同じように穏やかで潮騒を奏でています。

今年のことは、これからも忘れられないだろうと思います。

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 大晦日だからこそ、決して忘れないよう、この景色を。

言葉には、ならないこと。大切に携えて。

 よいお年を。

居心地の在り処

 鴨長明が暮らした方丈は、四畳半の大きさでした。およそ3メートル角の住まい。

人ひとり座って半畳寝て一畳。雨露がしのげて、安らかに眠ることが出来れば、案外

それで日本人は満足出来る生活をしてきたようです。

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 時は移り、2012年になろうとする頃、家は断熱材で包まって隙間風とは無縁になって

それだけで、昔よりずいぶん居心地はよくなっているはずです。

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 この家は天井裏を作らず、屋根の野地(のじ)板がそのまま仕上げになります。

この上には外断熱で二重の断熱材がのり、温度変化のすくない構造になっています。

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 和室も同じ勾配のついた斜めの天井で、床が畳で上がっているから、低い方は

手が届く高さ。障子の高さは五尺七寸、1メートル73センチです。

現代は2メートルのドアが一般的になりましたが、畳の上に座ると、その高さでは

落ち着かないものです。居心地のよさは、適度な高さの寸法や広さが生み出すもの。

 やたらと高い天井や、よりどころのない広さは、落ち着きのない無節操を生み出す。

それを念頭におけば、設計もヒューマンスケールに落ち着きます。

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 高さを押さえれば、おのずと視線は外の景色に向かいます。お隣の南の庭を借景に

江ノ電の行き交う線路まで、すーっと視線が抜けて広がる贅沢。

市街地でも、窓の位置次第で、落ち着く眺めを得られるものです。

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 居心地とは漠然とした感覚のようですが、心地よい空間は的確な寸法や比例という

バランスから生まれるものです。時代は移り変わっても、人々にとっての居心地は

そう簡単に変わらないはず。古の建物が居心地よく感じられるように、

21世紀の住まいもそうありたいものです。

設計の原点

 今年はじめの一月末から設計を始めた鵠沼の家が完成し、無事引渡しを終えました。

この上ないシンプルな平屋の住まい。敷地の上にちょこんと建っている佇まいです。

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 旗ざお型の敷地の奥に、こじんまりと出来上がりました。

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 日当たりのよい庭に向かって、長く深い軒を出して片流れの屋根をかけます。

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 東の窓の、20メートル先には、小さな公園の緑へと視線が伸びます。

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 シンプルな家には、こんなコンパクトで使い易いキッチンがよく似合います。

水廻りも必要最小限に、かつ小ぎれいにつくりました。

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 小さな家とはいえ、のべ110日730時間の設計と工事監理を経ています。

小さいからこそ、なにがそこにあるべきか、ほんとうに要るものはなにか。ひとつひとつの

事柄を熟考し、吟味していくことで現われる住まいの原点を見つめつつ、じっくり創る。

 窓ひとつとっても、そこにあるべきか、あるとすればどんな大きさで、外にはどんな眺め

を見るのか。ひとつひとつ考え抜くと、自ずからかたちが見えてきます。

 人が住まう場所。本当に必要なものだけで作られた住まいは、そこに暮らす家族の

立ち居振る舞いを、支えより輝かせるものだということ。

そのことを、気付かせてくれました。

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 役所の検査を終え、別の仕事で事務所に飛んで帰り、書類をやっつけてまた戻ると。

冬の午後の陽射しが、いぐさの薫る畳の上に差し込んでいました。

上框に腰掛ながら、ひとりきりの時間を過ごしつつ「設計やっててよかったな」と

ココロでつぶやく年末です。

 

一区切りの日

 怒涛の年末進行で明けた週も、無事終了。ようやくほっとした水曜日の朝を迎えます。

役所や現場の検査に追われ、時間は味方につける間もなく通り過ぎていきました。

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 今年はクリスマスの余韻さえどこか上の空。もったいないことをしました。

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 遠い昔のようにさえ感じられる、時の忘れ物。新年を迎えるまで、すこしいい間を取り

丁寧な時間の過ごし方をしたいものです。

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 遅くなった現場の帰り、寒い南風の先に、江ノ島のイルミネーションが揺れていました。

今年は寒さがより感じられて、いい歳して心細くもなる師走です。

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 そろそろ、家の大掃除。家の周りに降り積もった落ち葉を集めて始めます。

よい冬休みを。

冬晴れ好日

 静かにやって来たクリスマスの朝、明け方の雲がきれ暖かな陽射しで始まります。

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 こんなに晴れて静かな日曜日こそ、クリスマスのプレゼントなのかもしれません。

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 雪ノ下教会のシンプルなイルミネーションが、厳かに輝く年の瀬です。

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 我が家の娘、杉の床と同系色に溶け込んで、ひなたぼっこ中。

実にいいお日和で、朝食後のうたた寝をしております。

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 今年最後の日曜日。静かに穏やかに過ごします。よい、休日そしてクリスマスを。

聖なる朝とメンテナンス

 いつもより一時間遅く出た散歩、次第に明るくなる空と歩調を合わせて海へ。

雲のひろがりと澄んだ冷気が、聖なる静けさを引き立てる朝です。

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 冬至を過ぎたから、一日の明るい時間は少しずつ長くなっていく。

そのことを教えるような、そんな明るさが感じられるイブの朝焼けのひととき。

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 年中クリスマスと正月のように恵まれている↓のが一匹いますね。

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 師走など、どこ吹く風のマイペース。すこしは飼い主に感謝しろよな。

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 今宵はお隣のご夫婦をお招きしてのクリスマス会。破けた障子を張り替えて、

みっともなさをすこしでも減らしましょう。普通の大きさの障子ではないので、

二枚を継いで張ります。障子の桟も普通なら一寸角(3センチ角)ほどですが、そこは

設計屋の住まい、周囲は見込み(奥行き)八分(24ミリ)見付け(正面)は六分(18ミリ)

の細さ。紙を張らないと、へなっとなるほど華奢です。そのかわり、見た目がきれい。

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 素人でもなんとか仕上がる障子張り。和紙の力は偉大なり。乾いたのち、

霧吹きすればピンとなる。華奢なフレームが和紙のテンションで成り立つ佇まい。

これからも、障子を設計し続ける理由がここにあります。

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 街中のリースも今日明日。週明けには、もう大晦日が待っています。

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 消防署の花壇、繰り返し咲くマーガレットの白さと、我が家の障子の白い清清しさ。

今年も静かなクリスマス。過ごせることに感謝して。

ココロを暖める

 空っ風が吹きぬける由比ガ浜、沖合いに停泊する客船のイルミネーションが、波間に

ゆらゆら揺れて、クリスマスイルミネーション。寒いけれど、静かな朝です。

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 昨日は薄曇りの寒い朝一番に、一之江の消防署まで行ってきました。

建物を建てる時には、その地域ごとに担当する消防署に書類を出して同意を得るのです。

担当の主任の方、前日からの夜勤シフト明けにもかかわらず、丁寧かつ迅速かつ的確に

対応してくださいました。警察と消防は一くくりにされますが、上から目線で見下ろす警察署

と違って、火災や災害から人命を守る消防署の方々は、皆さん「出来て」いらっしゃいます。

 電話でのすばやい対応からすでに違うのは、いざという時の、一分一秒が生死に関わる

のを知っているからなのでしょう。24時間、私たちの日常を支える仕事の尊さ。

ありがたいことです。プロフェッショナルという言葉は、彼らにこそ相応しいと思います。

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 寒い冬、けれども、優れた人々の姿勢に出会うとココロが暖められます。

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 初詣の準備の進む境内の、遅い紅葉を愛でながら、そんなことを考える。

静かで穏やかな、よい三連休、クリスマスを。

自分の高み

 今年の師走は冬らしい冬で、朝の冷気を吸い込むと鼻の奥がツーンとするような日が

ここのところ続いています。三日月の白さ、おぼろげな日も、クリアーな日も、クール。

寒さが心も震わすよう。やっとたどり着いた冬至。これからは、春へ向かうのさ!

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 低空飛行の今年、ずいぶんと長い間、身の回りを俯瞰する視点を忘れていました。

飛行機が徐々に高度を上げていき、鳥の視点を持つかのように、自分たちのことを

空から眺める。そんな感覚を、半年に一遍ぐらい持つべきですね。

 地べたに這い蹲るような暮らしばかりでは、理想の旗も掲げられないもの。

己を空に引っ張りあげるように考えれば、大きな「これから」も感じられると思うなぁ。

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 光りの環のように、自分の中にも埋もれている小さな輝きを見つけに。

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 凍える現場で見上げる銀翼のように、自分の高み、思い出そうっと。

現場のち芋煮の一日

 朝一番に現場に出かけて、夕方まで鵠沼の現場に張り付いておりました。

高校の同級生の建具屋さんに、硝子と引き戸の取り付けを頼んでいたのです。

壁の左官塗りの途中で、大工さん、電気屋さん、水道屋さん、工務店社長、そして設計屋

の私で、小さなこの家の現場は師走一番の賑わいになりました。

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 家の仕上がりが近づくと、電気、ガス、水道の工事も最終段階になります。

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 旗ざおの敷地なので、道路から地面の中を配管します。

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 さて、木の建具。このレールの上を引き戸が走ります。

レールの上に釘のアタマが出ないので、戸車のゴロゴロという音が出ない

ノイズレスレールです。こういうところには、きちんと予算をかけるのが道理。

毎日、出入りする場所ですから。

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 夕方、職人さんたちが後片付けを始めるころあいを見届けて戻り、

ネットワークの忘年会。美味しい芋煮とともに、夜は更けていく一日でありました。

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仕事の終業日

 東の空高く浮かぶ三日月が、とても白く光り輝く、冬寒の二十日を迎えます。

輝く三日月のエッジが、くっきりと刃のように鈍く光るほど、寒さが増す季節です。

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 冬至まであと二日。もうじき、明るくなる季節がやってきます。

歩みはすこしずつ、新しい春へと進んでいきます。

寒さはこれからでも、気持ちの芯だけは、暖かく猫背にならぬようにしよう。

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 師走の仕事が一段落して、すこしばかり余裕が出た飼い主の、気配の変化を

↑こやつは見逃しません。労働者がストライキをするかのような態勢で、

散歩に行く権利を主張して止みません。

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 そろそろ行く?行きますか?行きましょう!と目が語りかける。

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 クリスマスを迎えるので、さっぱりさせてあげました。折角の仕事の終業日も、

中腰で入浴させて、腰痛のおまけ付きです。まっ、いっか。

気持ちの冬支度

 今年の暦は、気持ちよりもずいぶんと先を歩んでいるように感じます。

あれよあれよと言う間もなく、クリスマスウィーク。気持ちの支度が間に合わぬまま、

メリークリスマスの乾杯をすることになりましょう。それはそれで、楽しみですけれど。

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 今年の冬は、朝が寒く感じられるようになりました。

ひとつずつ歳をとる、当たり前のことですが、昔の人はもっと素直に自然な感覚で

日々を過ごしていたのでしょうね。暦の進み具合に、気持ちがついていかないのが、

不思議にさえ思える、2011年になりました。

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 犬の散歩に出かける習慣がついて、六年がたって、月の満ち欠けにも以前より

季節の気配を感じられるようになってきました。けれども、今年は紅葉さえ愛でる時間を

持てずにいたから、何かしら大切な忘れ物をしてきたようです。

 いつもと違う、年の感覚は師走残り二週間となって、より鮮明になってきます。

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 つっかえつっかえ進んできた、今年の仕事も今週前半で片付くことになりそうで、

終わってしまえば、めでたしめでたしでありましょう。なにが恵まれていることなのか、

あらためて実感する、今年のメリクリ週間です。

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 真冬の今、季節にふさわしいナット・キング・コールの歌声。やっとプレイリストに

いれてクリスマスを迎える準備が整いました。声というのも、魔法の一つかなぁ。

音色や声のトーンが、耳にすーーっと入る時、気持ちも豊かになれます。

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 進み過ぎた季節に合わせて、気持ちの冬支度をする今週です。

穏やかに、よい一週間を。

木と漆喰の家

 祖父が大工だったからか、父が現場屋だったからか、いつの間にか設計屋になって

もう四半世紀。おぼろげながら、自分のかたちの「か」の字が見えてきたように思います。

 早かった今年も、師走なかば。鵠沼の家づくりも最終段階に入ります。

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 旧知の和尚さんがこしらえてくださった棟札は、棟梁の手で大切に小屋裏へ。

家内安全を見守ってくださることでしょう。

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 木の家の窓枠は木であるべき。予算の都合でアルミサッシになっても、目立つところは

木で作ってもらいます。窓のペアガラスが載る下の枠は、雨水が切れるように斜めに

「水返し」をつけています。雨の多い日本では、当たり前だったこういう加工も、

これからはだんだんと減っていくのでしょう。棟梁と私はツーカーで、こういう話が出来て

幸せな世代の、最後のほうかもしれません。

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 木の家には、塗り壁が似合います。通気をとった外壁にフェルト状の防水紙をはって

ラスと呼ばれる金網をかけ、モルタルで下地をつくり、仕上げは漆喰(しっくい)です。

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 仕事の合間をぬって出かけたら、もう北側の壁は塗りあがっていました。

こういう平らで継ぎ目のない壁は、いっきに塗らないとムラになってしまうので、

左官屋さんには苦労をかけることになります。さいわい、涼しい顔でこなしてくれる腕。

心配するには及ばないのです。

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 部屋うちの壁もすべて漆喰。下地塗りがあらかた終わっています。

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 仕上げにいくほど、水を少なくしていく塗り壁。下地になるのは砂しっくい。

これでも、十分にきれいなのです。

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 木の色と、漆喰のオフホワイトは、絶妙の取り合わせ。よい料理とワインのように、

お互いが引き立てあうもの。今夜は(も)、おいしいお酒が飲めそうです。感謝。 

真冬の一ページ

 この冬一番の冬寒。ここまで冷えると現われるのが、オレンジの朝焼けです。

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 材木座六号橋をくぐり、南の空高く、白く輝く冬の半月を眺めて佇みます。

南風さえ凍えるような冷たさで吹き抜けていきます。今年はなんだか寒さが沁みるよう。

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 師走の、走り回った仕事もようやく目処がたち、スローダウンする週末。

あちこちで鈴の音が聞こえる、静かな日々に戻ります。

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 年内は27日に役所の検査を済ませれば、仕事納めを迎えられそうです。

そろそろクリスマスカードを書き出そう。ようやく、人心地をついて。

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 余裕というやつは、心を開くことによってしか生まれない。意固地になって

突っ張っていた季節を抜けてみて、ようやく気がつくことになります。

 今年も残すところ二週間。駆け足の季節を、ゆっくりと眺めつつ過ごしましょうか。

明日を創る、すこしずつ

 冬らしい冷え込みが続く朝、いまだ明けやらぬ空の月がうつくしい季節です。

先日の皆既月食からこのかた、より一層輝いて見えるのがとても不思議です。

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 田中文男棟梁の、珠玉の言葉のなかで、一番よく思い出すのは

「仕事はいっぺんでやれ」なのです。月が満ちて欠けるのを繰り返すように時間は流れ、

その時間だけは、誰にでも平等に与えられている。だから、自由な時間が欲しかったら

自分を苛めて時間を作り出すしかない。いっぺんで仕事を済ませば余計な時間は

かからないだろう?という、理路整然としたお話です。

 もちろん、仕事はひとつだけではないし、相手のあること。自分の都合だけで物事は

進まない。そこから先、だからこそ己の側で段取りをよく進めて時間を作っておけば、

「いっぺんで済む」ことになるのですね。

 このお話には、さらにその創りだした時間で「仕事を仕掛けろ」と続きます。

仕事が出来るのは、当たり前だろ。そんな奴は、掃いて捨てるほどいるけれども、

人に働きかける、仕事を仕掛けられる奴がいない。大学まで出てなにやってる。

 まことに、耳の痛い話ですが、今の先送りどん詰まりの日本にぴたりと当てはまる、

正しい予見であります。自分でいかに動いていくのか?それをよく考えなさい。と、

高い空の上から語りかけてくれています。

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 仕事を仕掛けるには、考えて行動し試行錯誤しながら、の「する時間」がいります。

だから「仕事はいっぺんでやれ」なのですね。

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  明日を、すこしずつ創る。そのための、今なんでした。

犬の横顔を見ていると「ドック・イヤー」という言葉を思い出しました。

彼らの時間は、早く短い。けれども、純粋無垢で真っ直ぐです。

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 散歩時間を創りだす、のも「仕事はいっぺんでやれ」に繋がるといいなぁー。

冬くつろぎの陽

 年末進行の見本のように働く今週も、ようやく目処がたち、申請にこぎつけられます。

図面、書類、図面、書類、と交互にやっつけながら、さてプリントアウトとなって、インクに

赤ランプが点滅。イルミネーションの明滅はいいけれど、赤ランプはいただけません。

 仕方なく、手を止めて、Y電気まで、インクを買いに。時間に余裕を見ておいた自分を、

褒めてしんぜる師走の折り返し地点です。

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 奮闘する飼い主を尻目に、朝食後のひなたぼっこ。うーん極楽極楽。

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 なにか、言ったかに?食休みはしっかりとらなくちゃ。見習いたいもんです。

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 こちらは、朝食を食べると、朝行った散歩をリセットしたかのように忘れて、

また行きたそうなそぶりを、毎朝しております。

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 気楽でいいね。力を抜いて、ゆったりとした週末を過ごすために、

行ってくるさ。犬たちの冬は、日向の充実です。

繊細 華奢 丁寧

 音楽の三要素は、リズム・メロディ・ハーモニーであると小澤征爾さんが言われていて、

マエストロがとらえている言葉の分かりやすさ、的確に的を獲て、ストンと腑に落ちました。

 建築に置き換えると、規則正しい並び方や部材の大きさが生み出すのがリズムであり、

それは、とりもなおさず骨組みや土台といった、骨格の部分のこと。

 ハーモニーを建築に例えると、それは調和のとれたプロポーションをもつ空間のこと。

人の目が感じる、比例や反復といったバランスの安定した大きさや、ほどよい小ささ。

 そして、メロディにあたるものは何か。それは、細部のさまざまな「かたち」の在り方。

ごつくもなく、弱くもなく。けれども、華奢に見え、繊細に見え。まさに丁度良いかたちに

なるべくしてなっているように、「見える」。それが成り立つには、丁寧な仕事が必要です。

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 限られた予算で、ツーバイフォーの骨と屋根裏の合板が表わしになった鵠沼の家。

唯一の贅沢が、この木の枠まわりです。

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 この真ん中に建つ柱、細いので「方立」 ほうだて、と呼びますが、

ここにペアガラスが入ります。ガラスを入れてからあと、木で隙間を埋めれば楽ですが、

あえてすっきり硝子と木だけで納める。そのために、ガラスを入れる時のために、溝を

斜めに彫ってくれた棟梁の、手間のかかった丁寧な仕事がここにあります。

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 既製品のアルミサッシも、壁がしっくいで枠をつけず、塗りまわし。

角が欠けないよう、合板の固いエッジを選んでこしらえてくれてもいます。

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 設計屋の、意図するところには、職人たちの技術と心意気が、いつも現われます。

働き者の歩

 四時起きで書類を整え、鼻を鳴らす犬にリードをつけ、五時前に海へと向かう朝。

真っ暗な散歩道のリースが、クリスマスが近づくのを教えてくれます。

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 七時前に家を出て、書類の控えをコンビニで取って役所廻りへ。

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 馬喰町から都営新宿線で瑞江の区画整理事務所へ行き、取って返し森下まで戻り

大江戸線で門前仲町へ、東西線に乗り換え東陽町で降り地上に出て東京都都市整備局

の区画整理事務所で、差し替えの図面にハンコをついてもら、数字を訂正し、親水公園の

コガモを横目でみながら、その子に見送られてまた東陽町駅に戻ります。

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 東陽町から今度は大手町まで戻り、地下ホームづたいに総武線快速に乗って新小岩。

江戸川区役所の土木部へ区画整理の書類を差し替え、新しい許可書を受け取り、

コピーをして、今度は都市計画課へ行き、地区計画の書類を差し替え、訂正をし、

届出書の写しをもらって、またコピー。それを持って、建築指導課へ行き、認定申請の

書類の差し替えを済ます。ここまでで、起床から、およそ九時間が経ちました。

 IT化が進んで、電子申請によって、業務が簡略化、ペーパーレスの時代で便利になる。

と以前聞きましたが、どこがじゃーーーーっ?

 書類や図面やハンコ押し、署名に委任状。馬鹿馬鹿しいほどの、手続きが続きます。

際限なく続くから、手続き?なのかしらん。

 厖大な労力と時間の無駄が、日本のお役所仕事の、実態ですね。

私のひとつの物件でさえこの煩雑さなのだから、被災地の復興の、あの規模を考えるに

途方もない、時間のロスが見込まれます。日本を滅ぼすのは、役人の役立たずなりか。

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 家に戻り遅い昼食、そして明日の会合の準備をし、鼻を膨らましてお待ちかねの犬の

夕方散歩へ。ようやくの、コーヒータイム。ケイタイの歩数は、しめて25558歩。

606キロカロリーの消費をした、お役所仕事の日でした。今日も、これから

江戸川区役所。月曜日に休みをとる、担当者の「おかげ」です。やれやれの、師走かな。

センスのプロポーション

 今週は、師走仕事の山場です。お役所仕事をさっさと済まし、のんびり冬休みを取る!

べく、目指す一週間を過ごすのです。決意しているんです。

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 プロポーションがいい、は女性に対してのほめ言葉ですが、建築にもあります。

近代美術館の鉄骨の柱は、無骨ではなく、あくまでスレンダーにすっくと建っています。

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 夏の間繁っていた蓮池も、綺麗にされて、青空を映す水面。

そのお池に、華奢ですが意志を持って建つ凛凛しい鉄柱。

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 設計者の持つ、プロポーションに対するセンスが垣間見られます。

物のない1950年代だからこそ、厳しいデザインがされて生み出されたかたち。

プロポーションという言葉には、ある種の緊張感も必要です。

 翻って、物づくりをする己のプロポーション。姿勢が問われる今週でもあります。

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 いい師走いいお天気。よい、一週間を。

ペリアン近美現場の日

 皆既月食明け、お月さまが妙に明るく感じられる日曜の夜明け前です。

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 昨日は、鎌倉の近代美術館で行われているシャルロット・ペリアン展の見学会。

展覧会の企画をされている学芸員の方のお話を聞く、貴重な時間をいただきました。

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 私が生まれる以前から、この場所に建っていたこの美術館。

いついっても、静謐な佇まいが迎えてくれます。

 今回は、おまけにこの中庭に、ペリアンとコルビジェの椅子が置かれていて

寝そべることまで!出来ます。ぜひぜひ、行ってQ。

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 その足で鵠沼の現場へ。大工仕事もほぼ終わり、これから左官屋さんの出番です。

暗くなった現場で棟梁と談笑。ものづくりの楽しさを、ホット缶コーヒーとともに味わう

冬の季節です。帰り際、鵠沼駅から江ノ島のライトアップを眺めて、ご苦労さんの一日に。

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せわしい師走

 4時台に起き5時台に散歩から戻る、そんな朝だと、夜に行動しているかのようです。

由比ガ浜も街道沿いの明かりがまばらにまたたくばかりです。

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 久しぶりに傘いらずに出られて楽ですが、冬寒。2度です。

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 せっかく撮ったツリーも、足元の犬に引っ張られて、ホラーチックになりました。

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 かたや、スカイツリーはすっくと建ち上がっています。

江戸川区役所に向かう車窓から、お届けしました。

 せわしく年末進行。三つも四つも抱えて、走る週末です。よい、休日を

時の奥行き

 駅前の区画整理の進む街並みには、人が暮らす前のよそよそしい空間があります。

無味乾燥の趣き。街並みを創りだすという感じではなく、整理整頓した街路に、脈略のない

個別の建物が、それぞれ自分勝手に建ち並んでいくだけの地区計画が目立ちます。

 震災後の彼の地は、こうならず、場所ごと土地の特性が活かされて復興するといいなぁ。

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 時間を経て創り上げられた街には、奥行きが感じられるものですが、

これからの日本で、作られる街が時を経ても、そうはならない気がします。

無味乾燥の材料で、愛情や手間暇かけて作られはしない、まちのすがたの行く末。

 大きな木、一本でも植えると、奥行きが出るのになぁ。

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 主人が現場に出かけ、怒り心頭犬が一匹、佇むの図。行ってきまっす。

感覚を取り戻す

 今年は大きな出来事があったせいか、いつもとは違う師走が過ぎていくようです。

この、いつもと違う「感じ」は、漠然としていても、確実に違うと思えるから不思議です。

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 すこし根を詰めて仕事をこなしていたら、むかし独立したての頃の感覚を思い出しました。

今年はどうやら、懸命さが足りなかったのかもしれません。

 勝算や目処がたっていたわけではなく、とりあえず走り出した設計事務所の開業当時。

疲れも知らずにいられたのは、なにより走っていなければ、不安を消せなかったから。

我ながら、よく働いたものだと思います。あの頃の、一種純粋な感覚は、覚えていて

アタマもカラダもよく動いていたもの。

 どこか、経験を積んだ気になっていて、あの頃の熱を置き忘れていたのでしょう。

すこしプレッシャーを与えたほうが、うまくいくようなものかもなぁ。

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 時に、野性の感覚とは?聞いてみたいもんです。どうすか?

意に沿うことの

 折角の日曜仕事、こちらの思惑は外れ、役所の非効率に先送りの憂き目をみます。

「行政サービス」のサービス?ってなんぞや?とぼやきつつ、他の仕事に精出します。

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 師走も六日。年末進行の足音をひたひたと感じながら、よく働きましょう。

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 設計の仕事の根本には、人の意に沿う働きがあります。

人によりますが、あくまで相手の立場にたつのが始まりです。

意に沿うためには、人の意を汲むことから。

井戸から汲み出すことや、お酒を酌み出すことも?同じかな。

 気持ちを汲むのは、酌むとも言いますから。

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 お役所仕事の杓子定規とは違う、市井の仕事。

今週も、より良く活きましょうか。

冬を歩けば

 久々に日曜日、フルタイムで書類作り。これから役所へ出かけてきます。

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 今年は紅く色づく前に、葉っぱが随分と散ってしまいました。

紅葉を愛でるまもなく、掃き掃除に明け暮れるレレレのおじさん(私)です。

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 以前デザインしたクリスマスカードのもみの木のイメージに似たモチーフが

出来立てのお店のウインドウにありました。冬らしい季節感が出ていて繊細。

硝子に映りこむ街路樹のシルエットと呼応するかのようです。

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 冬のお供、と言えばこいつ↓年中ですが、毎朝毎夕、散歩の要求です。

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 「まだ行かぬのか?」「いつ行くのか?」「もう行くのか?」

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 「そろそろ行かぬといかんよ」と鼻ふくらましての要求です。

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 師走は気ぜわしい。犬の面倒も、せわしなく過ぎていく時間の中では、

息抜きの時間なのでしょう。てなわけで、行ってきまっす!よい、週を。

家づくりの佳境

 本当にお久しぶりに、傘を手離して歩く、晴れた日曜日になりました。

冬晴れの明るい朝のはじまり、空気が澄んで気持ちの良いスタートです。

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 いい波が立って、休日サーフィンの面々で賑わう冬の海。

麒麟のラベルのような雲がたなびく師走です。

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 慌しい金曜日。とりあえず、机の上の仕事は置き去りにして、鵠沼へ。

大工仕事も佳境を向かえ、そろそろ仕上げの工事に進みます。

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 家をつくる現場、特に木造の家の主役はやはり大工さんです。

図面を的確に読んで、建物という物に作っていく棟梁たち。

 押入れひとつとっても、棚や仕切りの板を作るには、それを取り付ける下地がいります。

次にくる工事の順番を考えつつ、てきぱきと材料を組んでいきます。

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 大工さんと缶コーヒーを飲みつつ談笑する時間は、机の上の仕事より

意味を持つことがあります。あそこはうまくいった。ここのところは、次からはこうしようか。

などなど、目の前の仕事を見ながら、お互いの質を高めあう会話をする。

 設計の仕事が、机上の空論にならないようにするための、相談です。

 現場が始まってみると、物が動いて形になるには「人手」がいります。

骨組みがあらわになる正直な家は、その人の手の痕跡がそのまま住まいになってゆく。

 現場に身を置くことでしか、得られない実感を確かめつつ、の会話です。

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 使う材料も極限に近い小さな家。現場にある材料を、これはまだ使える、あれはもう

小さくて使えない。と、按配しながら段取りをする棟梁たちに、思わず笑ってしまったら、

「先生、笑ってるけど、本当に材料、かつかつなんすから!」と笑って答える。

 無駄の出ないこの家の現場は、改めて家づくりの原点を考えることになります。

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 棟梁たちが、仕事を終えて引き上げる頃、左官やら建具やら、仕上げの工事が

始まります。すこし、寂しくもある現場の日です。

自分たちのアーカイブス

 冬の寒さを、降り続く冷たい雨が助長するような日が続いています。

巷では、クリスマスソングがあちこちで耳を掠める、そんな季節が来ました。

雨降りが続いて朝が暗いので、写真を撮られない日々。そんな時には、去年の

アーカイブから、見繕ってまいります。

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 去年の今頃は、お天気も良く明るい季節であったようです。

いつもの海辺も、光りが優しい感じがありますね。

季節は同じように巡っていきますが、受け手のわたしたちの気持ちの在り様は

変わっていきます。今年の、師走は平穏無事に、静かな日々を願います。 

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 若い時分には、振り返ったり、以前のことを引っ張り出したり、はしないものですが、

歳を重ねると、さてあん時はどうだったっけ?と思うことが多くなります。

いわば、自分たちの立ち位置を確認するかのように、探すアーカイブス。

過去の、在り様が紡がれて、現在に至っているのを確かめるように。

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 寒くなってきたから、暖かな家の中でする自分のアーカイブ。

昔を、振り返ることは、前向きな後ろ向きでもありますね。

 雨露しのげる家があり、三度の暖かい食事があれば、あとは何を望むのでしょう?

池田晶子さんの本に、こうありました。

震災の年に、心に留め置く言葉です。

冬の診断

 冬は遅い夜明けの季節、浜辺に下りる頃、ようやく東の空が白み始めます。

師走らしい寒さがやってきて、いよいよ朝散歩が闘いの時間になってきました。

起きぬけはすこし億劫でも、いざ外に出てしまえば、寒いお陰でじっとしてはいられず、

そそくさと坂道を降りてスタコラサッサ。犬の毛皮が欲しい季節の始まりです。

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 今年のカレンダーも、最後の一葉。毎年、掛け替える時は、おのずと振り返ることになる。

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 今までの行い、良きにつけ悪きにつけ、2011年は振り返り立ち止まることが、

いつもより多い年になりました。よくよく考える、基本に立ち返る。気持ちのありようが、

ようやくすこしずつ変わってきたように思えます。師走のストーリー、一ページずつ

ゆっくりとめくりたいものですね。

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 本日、鎌倉市の健康診査を受けにいってきます。常日頃の「行い」が

健診に現れる。どうか、美味しく飲めますように?希望します。

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