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設計の原点

 今年はじめの一月末から設計を始めた鵠沼の家が完成し、無事引渡しを終えました。

この上ないシンプルな平屋の住まい。敷地の上にちょこんと建っている佇まいです。

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 旗ざお型の敷地の奥に、こじんまりと出来上がりました。

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 日当たりのよい庭に向かって、長く深い軒を出して片流れの屋根をかけます。

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 東の窓の、20メートル先には、小さな公園の緑へと視線が伸びます。

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 シンプルな家には、こんなコンパクトで使い易いキッチンがよく似合います。

水廻りも必要最小限に、かつ小ぎれいにつくりました。

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 小さな家とはいえ、のべ110日730時間の設計と工事監理を経ています。

小さいからこそ、なにがそこにあるべきか、ほんとうに要るものはなにか。ひとつひとつの

事柄を熟考し、吟味していくことで現われる住まいの原点を見つめつつ、じっくり創る。

 窓ひとつとっても、そこにあるべきか、あるとすればどんな大きさで、外にはどんな眺め

を見るのか。ひとつひとつ考え抜くと、自ずからかたちが見えてきます。

 人が住まう場所。本当に必要なものだけで作られた住まいは、そこに暮らす家族の

立ち居振る舞いを、支えより輝かせるものだということ。

そのことを、気付かせてくれました。

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 役所の検査を終え、別の仕事で事務所に飛んで帰り、書類をやっつけてまた戻ると。

冬の午後の陽射しが、いぐさの薫る畳の上に差し込んでいました。

上框に腰掛ながら、ひとりきりの時間を過ごしつつ「設計やっててよかったな」と

ココロでつぶやく年末です。

 

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