天井は語る
日本の建築で重要なのは屋根です。雨が多く、しとしとからざんざん降りまで。
夏は陽射しが強く、ここ数年の猛暑の下では、屋根そのものを二重にして熱気を
逃がさないことには、街中では住めなくなってきました。
住まいの歴史は、屋根と床そして壁の順で、作られ進化して、最後に張られるように
なったのが天井です。平らな天井が張られるようになったのは、武家社会が落ち着き、
江戸のお屋敷に座敷が出来て、の順番です。
時代は変わって、私たちの設計する家は、天井裏がなくなりました。
平らな天井もありますが、屋根の勾配なりの構造がリズムを刻むのが好みです。
この並ぶリズムこそ、繰り返しのデザイン。構造力学から求められる大きさを、
強度を損なわず、なるべく最小に軽くしたいのです。
我が家のロフトは、それでも木の間を白くしたかったので、ボードを打ち上げペンキ塗。
それから十数年。今は、構造合板の木目そのままに、正直なデザインが好くなりました。
夏の陽射しや西日を遮る屋根は、長く伸びた軒先と軒裏を表わしにして見上げる。
空の色と、木の色。季節や光り、空模様や時間によって、様々な表情を見せます。
窓先に緑が増えれば、より豊かに光りと翳りの場所になります。
天井のことを書くきっかけは、マンションの現場から送られてきたこの写真。
壁紙の貼られる前の味気なさ。は、集合住宅の屋根がコンクリートで平らなことから、
すでに始まっています。かといって、平らな白い天井が悪いわけではなく、
いろいろな住まいがあっていいのです。
住まいに何を求めるか。コストや便利さ、シンプルの方向性などは、人それぞれ。
住まい手の好み、というより設計屋の「こうしたい」を、天井が語るようですね。
« 伝わる、不思議 | トップページ | 節目と節度をもって創る »
「住まい・インテリア」カテゴリの記事
- ピクチャーウィンドウズ(2007.12.02)
- 風景の片隅をなす(2012.02.21)
- かたちと記憶(2012.02.12)
- 意味あるかたち(2012.02.11)
- 柔らかさを生み出す芯(2012.02.06)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/224927/53707578
この記事へのトラックバック一覧です: 天井は語る:




コメント