椅子・テーブルのデザイン
設計屋稼業、世知辛い世の中ですが、デザインをするのはセンスです。
以前カメラのTVCMで伊武雅刀さんが、「あとは撮る人のセンスでしょう!ガハハハ!」
ってのがあって大好きでした。つまるところ、かたちを創るのはセンス。
センスの良さは誰が見ても伝わりますし、ダサいものはダ・サ・い。
身体に身近な椅子などは、その最たるもの。座った時、人はだれでも
その良し悪しを即座に判断します。カラダは本当に正直です。
以前ありがたいことにレストランの設計で、建物ばかりではなく、
椅子やテーブル、ロゴからコースター、店名のサインまで
全てを任せてくださった仕事があります。
まずは、要望に沿ってイメージをスケッチ。キレイなかたちに
なるまで、トレーシングペーパーを丸めてはポイの繰り返し。
ウェグナーのYチェアに座りながら、何度も寸法を確かめながら
かたちを練っていきました。
その後、今度は原寸、実物大の大きさの図面を起こし
Rアール(角のまるいところ)の大きさなども検討します。
テーブルには、女性のハンドバックがおける楕円の棚が
甲板の下についています。
当時の図面は、すべて手書き。書いては消しゴムで消し
また書いての繰り返し。手書きのリズムは、アタマと手先が
連動して、ものづくりには最適だと思います。
今の人は、最初からコンピューターだから、その辺が
どうなのか、出来たものがよければそれでいいのですが。
テーブルの高さ、日本人は食事をゆったりする時、
肘をテーブルや椅子に乗せるから、その高さを揃えて
床から68センチ。机の高さはJIS規格で70センチだから
それより低めにデザインしました。たった2センチの差、
ですがその差はとても大きく使い心地を左右します。
この高さを揃える意味は、もうひとつあって、部屋が
より広く見えるのです。大人数で座るのに並べた時、
テーブルと椅子のラインがすーっと通るから。
日本のヤマザクラの木で秋田木工さんに作ってもらったので
最高の座り心地です。
バーカウンターの椅子は、肘掛のないかたちです。
特注でも、一脚一万円札が10枚にはならないお値段。
永く使って愛着もわくよう、センスが問われる設計屋です。
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