« 2012年2月 | トップページ | 2012年4月 »

2012年3月

部分の集積

 出かけた杉並の家の現場。近くの公園の桜は早くも満開でした。

Rimg7916

 現場もだいぶ進んできて、取り替えた音楽室の大きなサッシから

春の暖かな風と光が差し込んで気持ちがいい。子供たちにも喜んでもらえそうです。

Rimg7921

 音楽室の天井は合板。半分は吸音の為に有孔(あなあき)にしています。

Rimg7922

塗装もなにもせず自然なまま。生地のまま。それがこの家には合っています。

Rimg7929

 2階のリビングの上の天井も合板素地仕上げ。グリーンのは仮止めの釘。

くっついてから外せばちいさな穴しか残らず目立たなくなります。

Rimg7933

 こういう仕上げは、二人一組。畳一畳分の大きさなので、一人が支えて一人が止める。

その繰り返しで進んで行きます。

Rimg7936

 斜めに昇っていく天井がロフトの部分でぴったり合わさる。きれいに見えるためには、

へたな大工さんでは出来ませんね。端から真っ直ぐ上がっていかないと見られません。

 目地(合板と合板の隙間)の幅は2ミリ。細かい作業で、一本の直線がぴしっと通る。

当たり前のようですが、当たり前に納めるには、細かい下地の割付から、仕上げの

取り付けまで、一枚一枚その場所ごとの微調整も必要なのです。

Rimg7940

 ロフトに開けた窓。向こうの公園の木々のてっぺんと同じくらいの高さです。

見晴らしと風通し。一石二鳥とはこのこと。やっぱり付けて良かったとニンマリします。

Rimg7939

 ロフトの床はダイニングの天井になるので、食卓の上のペンダントの配線を

フラットケーブルで先に通しておいてもらいます。目立たぬようにするのも、設計だし

そのために電気屋さんと連絡を取り合って進めてきました。

 もう長い付き合いの職人さんなので、直接電話もかかってきます。

気を使ってくれるので、設計者はやりやすい。ここはどうしましょう?と先回りして

きれいに納まるように考えてくれています。

Rimg7924

 新しくつくるバルコニー。洗濯機を置き物干し場を兼用する場所につきます。

引き戸で外に出られるので、雑多なものも仮り置きできます。

Rimg7944

 わざわざ設計屋が来るまで待ってくれていて、仮止めの状態。

納まりをこのようでいいかどうか、私の判断を得てから進めてくれる棟梁たちです。

Rimg7946 

 宙に浮いているかのように取り付けてくれる気の使いよう。

さまざまな気遣いで納まっていく、杉並の家の部分。

職人さんの手間がかかった、その厖大な部分の集積がひとつの家を形作る。

 またひとつ、いい家づくりになっていきます。よい、春です。

てくてくの日々

 我が家の谷戸に鳴く鶯。鳴き方がうまくなってきて、いよいよ春本番です。

屋根の上から聞こえる美声に、うれしくなる。そんな一日の始まりです。

Rimg7873

 静けさを湛えた境内の石畳を、てくてくと歩きながら海へと向かう毎朝。

見上げる空が、春らしく明るい季節になりました。

Rimg7864

 材木座の砂浜にも、てくてくと続く足跡。どうやら帰り道のようです。 

Rimg7865

 明けない夜はない。そう思うだけで、すこしはましな気がしてきます。

なるべくしてなるように、悠然とかまえて過ごす日々。

Rimg7871

 寄せては還す春の海。ずいぶんと引き潮で、浜が広がって気持ちがよい朝です。

Rimg7895

 てくてくの日々。相棒は、相変わらず右往左往。変わらぬ日常が過ぎていきます。

三つの住まい

 ある住まいのプレゼン案、三つのかたちを提案しました。考え方が三つあるので、

三者三様、それぞれの方向性をもったかたちになります。

Rimg7767

 提示された要望や敷地条件を、読み解いてかたちにするわけですが、

どこに重点を置くかで答えは無限にあります。ただ、自分という設計者のフィルターを

通しているので、おのずとそこに個性が出ることになります。

Rimg7782

 まず、オーソドックスにひとつの箱型にまとめたA案。

予算を考慮して出来る限り単純にシンプルな家型をした提案です。

Rimg7783

 次のB案は、L字型に庭に面する案です。収納や採光を考慮して、広めにして

結果的に、二つの部屋が南の庭に面するかたちになりました。

Rimg7784

 三つ目のC案は、斜めに庭を望む案です。対角線を利用することで奥行きを得て、

中心となる空間をより広がりのあるものにしようと提案しました。

Rimg7785

 A案では、ガレージとエントランスを北西側にまとめて、その場所のまわりに

デッキとテラスを重ねたもの。この空間を光と風が入るように計画した案です。

Rimg7786

 B案は、ガレージとエントランスを既存の北東側のまま、いかに内部を広げるかを

テーマにして、L字の総2階の空間を使う提案になります。

Rimg7787

 C案は、角度をつけることによって、周囲の視線をかわし、日当たりを効果的に得る

、そのためのかたちはどうあるべきか。をテーマにして提案しました。

Rimg7790 

 南側に隣家が迫っているので、日当たりをいかに呼び込んで展開するか。

周囲の家並みや土地の高低などを読み解くと、南西に庭としてある大きさを想定し、

その場所を核として、室内を展開していく。そんな考え方が中心となりました。

Rimg7789

 いわば、計画の骨格にあたる庭と住まいの関係は同じですが、

その展開の仕方が、三つに分かれていきます。

 三つの案は、三兄弟。もととなる基本の考え方から、三つの個性が生まれます。

Rimg7788 

 住まいは暮らしを包む器。器のかたちは暮らしのかたちに寄り添うもの。

設計を進める前には、条件を取り込むのに苦労してうんうん言ってましたが、

いざかたちになってみると、いつものように自分らしいかたちになっています。

 三つのかたち。どんな暮らしが合いましょうか。

http://www.ksekkeishitsu.jp/

作り手世代

 気持ちの良い浜風と潮騒に、すこしの間じっと海を眺めています。

Rimg7882

 新年度という足音が聞こえてくる、今は春休み。

現場へ向かうため、駅に着くまで、鎌倉の人ごみをぬって辿り着きます。

Rimg7879

 静かな住宅街の中にある、杉並の現場。鎌倉の人出の多さとは違って、

公園で遊ぶ小さな子たちと親御さん。控えめに、しかーし元気な声が聞こえています。

Rimg7883

 現場で一服しながら、しばし大工さんと世間話。おのずと歳の話になります。

Rimg7885

 棟梁は、ほぼ私と同世代。昔、棟梁といえば年配の方でしたが、今やこちらも年配?

小さな頃、道具箱を自転車にくくりつけていたおじいさんが棟梁だったのが、

今やこちらがその世代に近くなっています。

Rimg7886

話をしていた大工さんは30代前半。一回り半、年下。住まいを創る作り手も

世代交代が進んでいます。気持ちは、十分30代ですが。

 古きよき、上下関係がまだ残るこの現場。気を使ってこそ、出来てゆく住まいもある。

Rimg7884

 世代が違っても「ものづくり」は寸法を共有する言葉として、現場は進みます。

新しく付くロフトの窓。どんな景色が見えるかな。楽しみに、すこし待ちます。

春の扉

 春の陽射しが心地よく、いいお天気が続くようでなによりです。日々是好日。

Rimg7847

 春の海は波が高くなって、潮騒が響く季節です。

足元に寄せる波がシュワシュワの音をたてて流れていきます。

Rimg7848

 まだ人気のすくない季節だから、貸切のシアターのよう。

Rimg7861

 桜や木蓮のつぼみも、すこしずつ膨らんできました。

Rimg7854

 犬も明るい浜をスタスタっと、足取り軽くご満悦の春日和です。

Rimg7857

 現場に出るのも、こういう天気の日はより楽しくなります。

お天気屋の所以かな。机上で考えたことを、実際の現場で形にする。

設計屋の根本は、依頼者のきもちをかたちにすること。

人の財産を使って創る、責任を果たす春の日です。

Rimg7863

 春の扉が開いて、明るい4月がもうすぐやってきます。

よい、春の日を。

材料と材料の間

 雨男の大工さんが、若干1名いる杉並の家の現場。この日も、雨降りです。

(ほんとは、俺かもしれない)すっきりしない天気ですが、現場はすこしずつすっきり。

Rimg7820

 2階のリビングは、以前の天井を剥がしてロフトを作ります。棟梁がうまいこと

補強をほどこしてくれたおかげで、すっきりと広くなりました。

Rimg7819

 天井の断熱材はペットボトルのリサイクル。フリース状になっていてロールを

のばして入れてもらいます。繊維方向は切れるけれど、長さ方向は切りにくい。

千切っては入れ、千切っては入れ、面倒をかけますが、大工さんは黙々とこなします。

Rimg7825

 ↑写真の横方向には補強を入れてあって、その間を詰めるのは面倒でしたね。

でも2階は暑くなるから、天井を高くする分、断熱もしっかりしておかないといけません。

Rimg7829

 新しく窓をつけるので、既存の外壁もカッターを入れて切ってからサッシをつけます。

あとあとの補修がみっともなく見えないように綺麗にカットしてくれています。

部屋側からしるしをつけて、墨を打って丁寧にカット。窓ひとつつけるのにも、三つの手間

がかかっています。気を使うことは、新築よりリフォームの方が多いものです。

Rimg7832

 現場で決めていくことの多い納まり。新しいサッシと部屋の間仕切りの戸が、

この角で交差するので、このように打ち合わせ。寸法のやりくり、実際のものの大きさ

現場で考えつつ、すこしずつきれいに納まっていく、杉並の家づくりです。ご苦労さま。

すでに鳴っている音

 自分とほぼ同い年の材木座六号橋を、いつものようにくぐると春の海。

波が高く、潮騒と風の音が鳴り響く、そんな弥生の最終日曜日の朝です。

Rimg7840

Rimg7841

 久しぶりにすっきりと晴れ上がって、ほんとうに気持ちがいい。

晴れ晴れとした心持で、しばらく目を閉じて波の音を聴いています。

Rimg7843

 言葉の根幹は沈黙である。亡くなられた、吉本隆明さんの言葉です。

どちらかと言えば、口下手、言葉足らずの自分にとっては、勇気付けられる至言。

無理をして饒舌にならなければならないような、設計の仕事。自分を売り込む、

それが出来れば苦労はない。ずっとそんな風に思っています。

 毎日、大切なはずの、「言葉」を垂れ流すようなTVとは、出来るだけ距離をとり

静かな、静謐の日曜日をおくりたい。

Rimg7815

 今週末、待ちに待ったヤマタツのライブです。

ブラウンのテレキャスターから「鉄板」ギターのカッティング音が鳴り出す。

高校の時から聴いている音が、変わらずまた鳴ります。

すでに耳の奥で鳴り響くあのエバーグリーンの音。楽しみです。

 音楽の根幹は静寂なり。静謐な、日曜日を。

現場出日和

 根を詰めていたプレゼン案が無事に完成スマスタ。ココロの中でひとりクラッカーを鳴らす

そんな週末になります。気付けば、弥生も最終週。ようやくホットひと息つきます。

Rimg7749

 ふと見上げた空高く、鳶が舞う谷戸。その上を銀翼が北へ向かう春です。

やっぱり一仕事終えてプレッシャーから解放されると、気分がいいもんです。

景色が違って見える。今までと違って見えるのは、自分が変われたからかなぁ。

Rimg7758

 今日はこれから杉並の現場へ。設計屋が行っても、大工さんの邪魔になるだけ。

とは言っても、現場から問い合わせの電話が入るから、気がきでない。

行けば行ったで、いろいろ打ち合わせることは出てくるものですから。

特に、リフォームはややこしい話になりがちです。

Rimg7750

 集中して計画案を練っていると、アタマの中はそればっかりになって、なにをしても

上の空。ようやく、まとめ終わって、現場の状況を楽しめる?週末です。

 大工さんたちは、ものをかたちにする責任が続くから、ご苦労様なこと。

傍から見ている設計屋は、口は出すけれど、手は出さないのがモットーで通しています。

立場はわきまえて。

Rimg7753

 犬は責任なくていいねぇ。と思えるのも、こちらに余裕があるからです。

Rimg7814

 天気予報がに変わった!いい、現場出日和になります。

よい、週末と球春を。

春眠時期

 皆様、眠たくはありませぬか?ただでさえ花粉で目がしょぼしょぼとし、まぶたが重いのに

暖かな春の陽射し。このうえないタイミングで眠たい今日この頃です。

Img_2951

 冬がこの上なく長かったように思うのは私だけでしょうか。

カラダの芯が寒さに小さくなったまま、動き出せずにいるようです。

Img_4463

 水面にきらめく陽光も、ただ眠気を誘うばかりなり。

このまま週末はバタンQ(古)かなぁ。犬を放っておいて二度寝がしたいもんです。

Img_5239

 毎食後、惰眠をむさぼる奴ら。うーん、うらやましいぞ。

同じ生き物でありながら、人のほうは眠気と闘っておるのに。

Img_5627

 年中、春眠なり。寝る子にも勝てやしません。おやすみなさい。Zzz

人の役に

 消えそうな三日月、東の空に浮かぶ春分。穏やかな春が来ます。

Rimg7712

 昨日は、Hさんの新居にお邪魔してきました。家具の手直しに。

設計した家具、引き渡すと自分の娘を嫁に出す、そんな感じです。

人様のために作ったはずが、自分の分身のような。娘が本当にいたら、もっと大変かな?

 人の暮らしを支えるしつらい。末永く、幸せに。

Rimg7722

 人の役に立つ。与えられた仕事で、人と和し、かたちにする。

それさえ出来れば、他に望むことはありません。

Rimg7742

Rimg7746

 もののかたちは、人の気持ちをかたちにしたもの。

ようやく、だんだんと分かるようになってきます。

Rimg7748

 自然に学び、かたちを「創る」。よい、週中です。

季節の区切り

 北風は、いまだ冷たいけれど、空が明るくなるのが早くなって底冷えもなくなりました。

Rimg7702

 雨が上がって空気が澄み、朝焼けのグラデーションが美しい。

Rimg7704

 引き潮の浜辺。空を映す水面。波がすこし高いけれど、潮騒が心地よく響く朝。

Rimg7706

 一年という単位で区切ることで、私たちは仕事をしています。

季節は、必ず繰り返しまた巡ってくる。桜の季節もまたやってきます。

限りない大きな循環のなか、限りある人生を生きるのですが、巡る季節によって

永遠の生命を感じることが出来る。そのように、池田晶子さんは言葉を残されています。

Rimg7709

 途切れずに繰り返す季節に、古の人々は春分秋分、季節を区切ることで

気持ちの在り様を変えてきました。春の芽吹き、秋の実り。どちらも、生命力の所以。

自然の一部であるという意識、昔は分けて考えてはいなかったようですね。

Rimg7710

 ある日を境にして、気持ちに区切りをつけ、また新しい季節へ歩む。

豊かな四季の中にあること、感謝しつつ過ごす一日です。

ピンボケ日和

 春一番というより、春の嵐に降り込められる週末。犬は我慢の限界から脱出し、

うれしそうにぐるぐる廻る日曜日の朝でした。散歩が生きがい、単純です。

Rimg7697

 ロバート・キャパの本のタイトル「ちょっとピンボケ」ならぬ大ボケ?

景色が靄ってピンボケ、アタマもすこしお疲れ。ボーっとリラックス。

コレハコレデ、ピンボケ日和です。

Rimg7695

 もともとの近視、乱視に加えて老眼が参加?して、眼鏡をかけてもピントがあわず

外してもあまり変わらない、ピンボケ人生です。

なにもかも追求したり、デジタルにクリアーに暴くかのような世の中。

ご隠居のように、すこしピントを外したほうが、丁度良いのかもしれないなぁ。

Rimg7699

 春霞、そんなに慌てずにゆったりと過ごしたいものです。

明日は春分。今年は、穏やかな春でありますよう。

Rimg7694

 春色の空は、薄い水色。谷戸では鶯が鳴く練習をする週明けです。

よい、一週間をお過ごしください。

考え整理

 休日を返上してプレゼン案を考えています。三つほど作って提案する手筈です。

Rimg7650

 練りに練って、ひとつに絞る決定打を出すべき。という人もいて、それは時に正しい。

けれども、違う方向性、可能性をさぐって、三つの違う質を提案するのもまた一案。

それぞれに、メリット、デメリットあるから、三つを考えながら進めて中身を濃くする。

かたちにまとめながら、うまくいかないところを修正しつつ、また考える。

Rimg7659

 違うパターンで考えていくと、一つだけを詰めるより、広がりが得られます。

そのぶん、時間もかかるけれども、提案の質が上がれば納得も出来ます。

Rimg7665

 人に選ばれるためには、まずこちら側がいい提案を考えて、選択肢を増やさなければ。

三つ作るのは、六倍ぐらい労力がいるかもしれません。

Rimg7691

 仕事の質。設計の考え方、考えたぶんだけ、建築にも反映されるから、

手は抜けず大変だけれども。考え方を整理しつつ、可能性を探る休日です。

明るい気持ち

 結構な春雨に降られて始まった朝散歩。いつものコースをショートカットしようと

角を曲がったら、犬に気付かれて結局ずいぶん遠回り。足元を濡らしての帰宅です。

犬は体をプルプルすれば事足りるけれど、こちらは拭いてあげたり、きれいにしたり

仕事より面倒な手間がかかったりする雨の日です。

Rimg7690

 回り道したことが、結局は正解だった。そういうことは、よくありますね。

人生、無駄なことはひとつもない。そう思っていれば、明るい気持ちでいられます。

Rimg7692

 グレイの空、雨降りの日は、明るい春の日のことを考えようと思います。

鎌倉の地面、あちこちで明るい色が咲いています。

Rimg7672

 もうすぐ春分。来週は、より明るい空になることでしょう。

Rimg7673

 お日様に向かって、うれしそうな花。私たちも、このようにありたいものですね。

再び生かす

 住まい作りの現場は、設計図に基づいて進んでいくものです。

細かな打ち合わせをして、細かな図面にしたものですから、細かな予算が立って

その枠組みの中で現場が進んでいき、やがて出来上がる。

 でも、リフォームとなると、なかなか設計図の通りには、ことが運ばないのです。

解体してみて、補強をしてみて、さあこれから、ここはどうしよう、ここはどう納める?

ひとつひとつ現場に足を運び、工事の進め方を打ち合わせするのが、仕事になります。

 電気屋さん、大工さん、工務店の社長さん、それぞれと打ち合わせしながら、

あっちだ、こっちだ納まりを相談しながら、一服して、また図面を前に打ち合わせに戻る。

半日は、あっという間に経ちました。

Rimg7674

 杉並の家、2階にロフトをつくるので、平らな天井を剥がして斜めの屋根をあらわして

勾配のついた天井にします。余計な柱、梁、図面では残して進める手筈でしたが、

棟梁が気を利かせてくれて、補強材を取り付けて、すっきりと大きな空間になっています。

Rimg7675

 そのぶん、手間がかかっていますが、細かいことは言わないのがありがたい。

世の中、効率ばかり優先ですが、そういうのとは別に、進んで形になる仕事もあります。

設計の図面にしても、掛けた時間を金額に換算すれば、いつも赤字になります。

それこそ、テキトーに済ませた図面では、テキトーな家しか出来上がらないもの。

巷にあふれる、同じような家並みは、間取り図がそのまま立ち上がった形だから、

どこへいっても、同じような風景になります。

 違う時間で進む現場。いつか、棟梁たちに儲かる仕事をしてもらいたいもんです。

Rimg7677

 リフォーム、リサイクル、リユース。Reではじまる言葉は全て再生の意味があります。

あるものを、再び生かす。この現場は、再び生かすを通り越して、

家そのものを生まれ変わらせているようです。

 幸せな家づくりは、幸せな現場仕事から生まれる。幸せな、杉並の家であります。

期待されずとも

 夜明けが早くなった季節、まだカラダの目覚めが遅くて、春モードにならない。

もうちょっと、暖かくなって、自然と季節に追いつくのを待ちます。

Rimg7644

 湧き上がる雲は、もう冬の気配を置き去りにして、春本番。

気持ちもそろそろわくわくさせて、よい春分を迎えたいものです。

Rimg7647

 期待される、にこしたことはないけれど、あまり期待されない仕事というのも

確かにあります。そこそこでいいんだよ、と言われなくても言外にわかるような。

Rimg7651

 でも、人が期待をしようがしまいが、自分に期待するレベルは確かに在るのです。

どんな場合でも、ここまで出来て当たり前とするハードルが。

Rimg7654

 自分の期待を自分で越えて、またその先の、もうすこし上を目指す。

そう思えば、どんどん目指す先が伸びていきますね。

Rimg7642

 いつも、期待をしている奴もいます。よい、木曜日を。

毎日バランス

 春らしい陽射しに少しずつなってきましたが、まだ北風が冷たい季節が続きます。

日向にいれば暖かく、梅の香とあいまって弥生らしい空気の中にいます。

Rimg7630

 足踏みをしているような季節の感覚は、気持ちを映すかのよう。

あと数週間もすれば、桜のほころぶ時期。心待ちにしましょう。

Rimg7633

 アタマでっかちな現代は、心と体のバランスを欠いているようです。

カラダを使わず、アタマだけで動かす今の世の中。口先だけで行動がない、

復興という音頭とり達。彼らを選んだこちらが悪いのかなぁ。

Rimg7635

 設計の仕事も、机の上でPCの画面とにらめっこしているだけでは、

アタマでっかちで、活き活きとした住まいを思い描くことは出来ません。

 手を動かし、線を重ね、書いては破り、作家が原稿用紙に言葉を紡ぐように、

図面の上に、暮らしを紡ぐ今日この頃です。

Rimg7636

 手書きの図面は、手を動かすことで、考え方のリズムに合っています。

PCの画面だけでは、暮らしの様々、肌理細やかな息遣いをバランスよく

建築に反映することは「不自然」でした。

Rimg7610

 毎日、来る日に、バランスよく過ごす心と体。水平飛行を保ちつつ、前へ。

積極消極能動受動

 柄にもない文章を書いて、らしくない感覚を持ちます。時には、それでもいいか。

Rimg7616

 自分から進んでやったこと。というものは、失敗しても納得出来ます。

反対に、成り行きで仕方なくしたこと。は、嫌になることが多く、引きずることにもなる。

Rimg7617

 ねずみのひげは、ものに当たったときより、近くのものに自分から触れたときの

アタマの反応が数倍強いと聞きます。それと同じことが、私たちの日常にもある。

Rimg7618

 どうせ同じようなことをやるなら、何事も積極的に、能動的に動くようにしよう。

先々を見据えていることで、先回りして物事に当たっていれば、厭々と消極の

行動にはならないと思います。

Rimg7619

 明日が普通に来るとは、誰にも確かなことではなく、だとすれば

すこしでも「こうしよう」が増えていけば、あとで嘆くぶんが減るようになる。

Rimg7620

 まったく後悔しないことは、そんなにないから、自分から動こう。

おおげさなことではなく、普段着の毎日から。

出口と入り口、南三陸杉

 食料自給率の低さが時々話題になりますが、木材の自給率は二割を切っています。

これだけ山が多く平地が少ない日本で、山の木々には目が向いていきません。

森を身近にみながら木を見ず。木を見て森を見ず。どっちもどっちかなぁ。

 外国産の木材を大量に使いながら、足元の杉には需要が成り立たない、不自然。

食べ物の地産地消が言われるなら、木材も国産材でまかなうのが筋です。

 日本を変えるなら、雇用、継続、循環を続ける林業にも目を向け、予算を向けです。

Rimg5826

 再建中の丸平木材さん。山から伐った丸太を製材するための、皮むき機。

いわば入り口と、自動でかんなをかけるプレナーという出口が残った状況です。

Rimg5825 

高台に工場を移転するため、敷地の材木をあちこちに仮置きさせてもらうのに

整理を進められていました。他の山の林道脇にも、仮置き仮置きでしのぐ。

Rimg5822

 見上げると↓右に杉、左に桧。綺麗に植林され手入れをされています。

Rimg5821

 山の木を育てるのは、人で言えば三世代ごとの長い時間がいります。

おじいさんが植えた苗木が、孫の代で材木として成る。それでも、今の日本では

杉の柱の利益と大根一本の値段が変わらない、そんな現実になっています。

Rimg5795

 南三陸の海は、ホタテなどさまざまな養殖の場でもありました。

訪れた時にはようやく片付けられた、港を見下ろす、荒沢神社にある

この杉。樹齢およそ八百年。高さ37メートルの「太郎坊の杉」。

Rimg5798

 ここいら杉の親分。この木々の養分が海へと流れ、豊かな海の幸を育む。

この三陸の海から生まれる霧が栄養分を杉の木立に与え、大地の植物や生物に

与えて、また海へとそそぐ。命の循環は、震災とは違うサイクルで廻っています。

Rimg5814

 この荒島。持ち主の家には「この島からは、一木一草たりとも持ち出すな」と

言い伝えられていると聴きました。津波で下のほうは「刈り上げ」た形になっています。

Rimg5813

 その島から見る南三陸町。奥の山沿いまで見通せてしまうかのようです。

Rimg5815 

 海を育み、暮らしの器としての住まいの材料となる、南三陸の杉。

ここに限らず、日本の木をたくさん使って循環させるシステムこそ、

長い目でみて、これからに活かすべきだと思いませんか?

当事者と傍観者

 ちょうど一年前の夜、たまたま横浜へ出かけていた家人を迎えに車で家を出ました。

何度も坂の下の道へ下りて、車の流れがすこしは出始めたようでしたから。

それから、片道8時間。鎌倉に戻ったのは12日の明け方でした。

ほとんど動かない車列。車内で、国道沿いを下り方向へと徒歩で帰る人々を

見ながら、ただただデジタルの数字が時を刻むのを眺めていたあの日。

その意味だけにおいては、当事者と言えるのかもしれません。

Mi21

 昨年の10月、ようやく行くことが出来た東北。荒浜、石巻、南三陸の海沿いを北上し、

その場に身を置くことですこしでも体感してみようと思ったのも、車中で過ごした経験が

そうさせたのでしょう。好奇心もありましたが、いかなければならぬという気持ちになって。

中学一年から二年の二学期まで、仙台市木町に住んでいたから、身近でもあります。

Mi8_2

 明け方、着いた荒浜、閑上の海沿い。川を遡上していく黒い波を空撮映像で見た風景。

その朝は、ただ静かに晴れて穏やかな景色で、以前を知らぬ者には綺麗としか思えぬ

その場所を眺めていました。

Mi35

 あちこち、がれきの撤去作業で日替わりの通行止めがあり、道を変えながら石巻へ。

日本製紙という大きな工場があります。手前にあった小さな付属棟は全て流されたと

聞きました。昨日のニュースでは、↓の写真のように、工場内の敷地が瓦礫置き場と

なっていて、経済活動に支障が出ているままとのことです。

Mi40

 この大きな工場の再稼動が早く出来た背景には、電源設備が高いところにあったから

と聞きます。電気を作る原発が、電気そのものを失ったのとは対象的で、民間企業

だからこそ、そういう根本がしっかりしていたのかもしれません。

Mi29

 石巻は工業の港と漁業の石巻漁港の二つがあって、水産加工の工場が多く、

そのうちのひとつの巨大タンクが流されて道路に横たわっていました。

Mi30

 折角の広告塔も、津波の力で数百メートル流されてしまいました。

大き過ぎて、どうやってこれから処理するのか。工場の移転、再開に加えて

厖大な労力がかかることだけは実感しました。

物見遊山、当事者の方々からはそう言われるでしょうけれど。

Mi56

 内陸の山間部を通り抜けて南三陸町へ。当初の警報が出た6メートルの高さの水門。

これを押し流して津波は遡上していきました。

Mi59

 その近くの警察署。屋上まで全てが水没して、この有様です。

Mi68

 小、中学校と高校は、全て高台にあったのがせめてもの救いです。

避難所となった学校で、その場所でコーヒーを淹れて飲むのは忍びないと

裏山でコーヒーを沸かして小火になった。と、聞きます。子供たちなりに、

大人の苦労を感じて気を使い、でも好奇心を持って楽しもうとした、その挙句のこと。

笑ってしまうことも、なくちゃやってられない場所です。

Mi73

 車を降り、有名になってしまった骨組みだけの防災庁舎へ。ここを訪れる人々は、必ず

ここで黙祷して手を合わせる、祭壇になっています。

この場所に立ち、周りの荒涼とした風景を見ていると、涙が自然と流れます。

普通の街並みや商店街があって、人々が暮らしていたはずなのに、思い浮かべること

なんて出来ません。どこまでいっても傍観者ですが、この場所の感覚は一生残るはず。

そのことだけは、たしかに手にしてきました。

Mi119

 丸平木材さんの跡地で、小野寺社長さんから体験談を聞きました。

向こうに見える三階建ての屋根の上を黒い波が向ってきたそうです。

 地震による揺れがいっとき止み、工場の壊れた設備を見ながら、あそこを直し

ここはこうしようと見回って、事務所に戻り散乱した書類を片付けている時間。

その間、ずーっとガタガタ机が揺れていて、これはおかしいと思って外へ出ると、

先ほどの三階建ての向こうに、波を見つけたそうです。

余震ではなく、押し寄せる津波の震動でした。

Mi121

 壁が残る家の蔵の脇をよじ昇って、白い車のところに着いて振り返った時、

黒い波が目の前を過ぎていった。そのあと、引き波の上をさらに大きく覆いかぶさってきた

波はさらに高く、上の杉林を昇って助かったと言われました。

 引かない波の水浸しになった町は通れないので、この裏山づたいに残った人たちは

大声を出し合って連絡をとった夜だったと。

 実際に訪ねた場所で、体験した人から直接話しを聞く。それぐらいしか出来ませんが、

そのことをきっかけに、いろいろと調べて少しでも学ぼうとするようになります。

もともと、三陸地方のリアス式海岸は、海に向って沈むことによって、豊かな海岸線を

つくってきた性質があります。今回の揺れで、海方向へ5メートル以上ずれて沈下した

この場所。夕暮れになると、かつてちょろちょろと流れる川が、今は海の延長で

みるみるうちに道路も水没していく風景に変わっていました。

Mi123

 工場の跡地から見る、南三陸町のまばらな建物。

その向こうの山並みと空。その先に石巻や仙台があります。

Mi118_2

 天気が晴れていて、ほんとうに良かった。そう思ったのが一番の感想。

もし雨降りで暗い空の下だったら、ものすごく落ち込んだと思います。

跡形のないその場所。傍観する者でも、あの感覚は忘れません。

Mi124

 商売を再開出来た方々は、商魂たくましく、以前の風景を絵葉書にして売られる。

復興を、「復幸」にする当事者たちのいる居場所。傍観者なりに書いてみました。

 今日という日。かけがえのない一日に。

あの日に帰りたい

 彼の地を訪ねてから、もう半年。人々が戻れるなら、戻りたいのは3月10日。

そう語っている人がいて、今日無事天国へと花火が打ちあがるといいと願う。

111001_055003

 打ち捨てられた車とまばらになった海沿いの木々。

生き物の気配が感じられない景色はサバンナに似て非なり。

生命の営みの大地ではありませんでした。

Rimg5755

 沈んでしまった地面、低いところから高いところへは流れない海水。

一年たっても、かさ上げすらままならないと聞きます。

Rimg5759

 ただ通り過ぎただけ。ただ、その場所に身を置いただけ。

それでも、忘れないようにすること。毎年、しなくちゃ。

Rimg5827

 高台に残った場所で、再建をはかる丸平木材の小野寺さん。

場所があるだけ、ずいぶんとまし。恵まれていると言われます。

Rimg5833

 以前の美しい町の写真。仮設の事務所に飾られていました。

昔には戻れないから、これからどうするか、しか考えていない。

向こうの人の馬力。「底力」という言葉、そのものです。

Rimg5819

 町は流されたけれど、山は残っている。と語られた、南三陸の杉。

設計する家に使えたら、少しは役に立てるかも。

Rimg5805

 霙交じりの冬景色、ニュースで見ました。訪ねた日、見上げた

それは美しい空と海。「ここは、いいとこです。」と言われた、

森林組合の理事長さんの言葉を思い出します。 

ひとつずつ、つくる居場所

 つくばエキスプレスに乗って、流山おおたかの森へ乗り換え、現場へ行き

秋葉原へ戻って杉並の家の現場へ。目の前が、目まぐるしく変わる一日です。

Rimg7588

 ふと。前を通りかかった家。多分きちんとした設計者が図面を引いた、

と思える形をしています。配置をずらして、その間に共通の玄関がある。

こういうのは、ぱっと見た目で分かります。

Rimg7587

 反対に廻ると、L字型の庭があるようです。

南側に隣家が迫って建っているから、東からの光を取り込もうと

考えられて、こうなっているのでしょう。

 こうして設計者の立場から、人様の設計した家を想像できてしまう、

ということは、私が設計した家々も、そのように評価されるということ。

なにごとも疎かには出来ませんね。どこで誰が見ているか分からないもの。

Rimg7594

 そんなことを車中で考えながら着いた杉並の家。

給排水の設備の取り付けが、着々と進んでいます。

Rimg7608

 改修の仕事は、既にあるものの中に、道筋を立てていくもの。

人が動いて、部屋を通るのと同じように、水、お湯、空気、電気、ガス、

それぞれが通っていきます。

 大工さんの進み具合に合わせて、すり合わせをしながら、配管をし

通り道をつくる。出来上がりは隠れて見えないけれど、大切な仕事です。

Rimg7598 

 今回は、以前より床を下げて設計したので、外部に面する基礎廻りに

断熱材を入れていきます。この部分から熱が逃げていくので、そうならない

ように、面倒ですが敷き詰めてもらいます。

Rimg7603

 将来、グランドピアノが入る予定のこの場所。重さに耐えられるよう、

床下地を細かく入れてもらいます。普通の三倍の量と手間をかけて。

 ひとつずつ、ひとつずつ、着実に歩みを進めていく仕事。

人が永くすむ居場所は、こうして創り出されていきます。

出番を待つ春

 今日は千葉まで出かけて、その足で杉並の現場へ行き、夜は鎌倉で

6時から会合。一日、出っ放しの木曜日になります。

Rimg7569

 春霞の海、気温が高くなると鎌倉は白い空が広がります。

こういう日々が何度か訪れると、ほんとの春がやってくる。

昨日、四国地方では春一番が吹いたと聞きました。

もうじき、春分。二度とこない季節。忘れずにいよう。

Rimg7570

 次の仕事へ、今は出番を待つ時期。今のうち、準備をしておけば

動き出しが早くなって、うまくいく。そんな思いでいます。

Rimg7566

 毎日、散歩の出番、待ってる奴もいますね。

これからは、散歩にふさわしい季節がやってくる。

心待ちにする、希望という名の季節です。

ナナメ目線の家

 上から目線、下から目線、見方はいろいろありますが、住まいの設計には

ナナメの目線が有効です。狭い空間でも、斜辺を活かすことで奥行きが出ます。

Img_6340

 この家は、3対4対5の三角形が基本になっています。

たまたま、南にリビングを設けてデッキに奥行きを出そうとすると

その三角形がうまーくあてはまるのです。

Img_6333

 大工さんの使う差し金の目盛りを合わせると三・四・五の目が出るから

さ・し・ご、と言います。題して「さ・し・ごの家」。

Img_6342

 箱型の家、凸凹の家、建売にはいろいろありますが、

部屋や窓が小さく、奥行きや陰翳がなく鳥小屋みたいです。

設計屋が考える以上、限られたスペースに視線の抜けや広がりを

得られるプランニングが求められます。

Img_6352

 斜めに角度を振ることで、浴室や勝手口の前に坪庭が出来、

お隣の家と向かい合わせにならない利点もあります。

 ただ、気をつけたいのは斜めに伴って三角の隅っこが出来ること。

仕事は、端々を押さえろ。使いにくくならないよう、収納にしたりして

無理や無駄のない設計を心がけます。

Img_6399

 ナナメ目線、キッチンに立つとリビングからデッキ、庭へと

すーっと伸びて気持ちがいい空間が出来ます。

一度お試しあれ。

http://www.ksekkeishitsu.jp

自分暦の色

 春雷轟く朝、ピカピカ光る空の下、怯える小心犬を引いて帰りました。

雷雲は通り過ぎ、静かな朝時間を過ごします。

Rimg6245

 物事の変化は、季節の変わり目の天気のように変わる。

不安定と安定を繰り返し、やがて落ち着くように。

 暦の通り進むことは、あまりなく、行きつ戻りつしながら

いつの間にか、前に進んでいるものですね。

Img_0771

 季節に暦があるように、自分という気の流れにも暦があります。

すんなりと何事もなく進む日、出口を探すかのような日。

自分なりの暦には、それなりの色合いがつきますね。

春夏秋冬と同じで、つなげてみれば鮮やかなコントラストに

なっているかもしれません。生きている以上、出来るだけ

ヴィヴィットな色づけをしたいものです。

Img_1208

 もうすこしすれば、お天気も安定して春の海に出会える。

その日が来るまで、すこし地味目な色づけにしていますか。

Img_2951

 なるべく、自然な自分らしい色。見つけられると、楽しいものです。

http://www.ksekkeishitsu.jp

啓蟄の歩み

 朝から冷たい雨、啓蟄の歩みに足止めがかかる、そんな日です。

まだまだ暖かな春雨には程遠いのか、足踏みする季節ですね。

Img_0347

 こんな週明けには、オレンジ色の夕日を思い浮かべ、

遠い夏休みのことでも考えて過ごしましょうか。

Img_0912

 冬枯れの谷戸ですが、春の気配は色濃くあって、

足元でじーっと出番を待っています。

昔の人は、こういう大地の感触を啓蟄と名づけて、季節を過ごしていた。

その感覚、すこしは取り戻したいものです。

Img_2778

 暖かな春の陽射しを想像すると、こんな風景になりましょうか。

Img_2968

 こんなに桜が待ち遠しい冬はいままでになかったなぁ。

虫たちが出かける季節に早くなって。願いの春です。

時間の楽しみ

 季節の節目は薄曇が続いて、すこしどんよりとグレイッシュ。

毎朝、あまり変わり映えのしない色味の風景が続きます。

Rimg7560

 その分、光よりも、風の吹く音、潮騒の音がいつもより

カラダにすんなり入ってきます、これはこれで、よい時間が過ごせる。

Rimg7557

 今年は冬らしい冬だけれど、すこし長い気がするから、

春が待ち遠しい。温暖な鎌倉にいてもそう思うのだから、

東北の方々はいっそう、春を待っているのでしょう。

Rimg5377

 見上げる空に青さと陽射しを求める、そんな時期ですね。

生活に色味が乏しいと、やっぱりカラダの感覚が活発にはいかない。

こういう時は、インドとかメキシコとか暑い国の強烈な色合いを収めた

写真集などを眺めて熱くなるのがいいな。

Rimg5070

 ゆっくり、と、楽しい、は時間において共通しています。

楽しく過ごす時間は早いけれど、ココロは安らいで寛いでます。

曇り空の休日は、ココロの時間旅行でもしてみますか。

春待ち海

 季節は変わり目。海風が変わって、すこしずつ暖かくなっています。

毎朝のことなので、いつの間にか敏感になって、微かな変化も分かります。

Rimg7555

 真冬のモノトーンな浜辺とは、明るさが違いますね。

肌を刺すような寒さを抜けて、すこしゆったりと浜風を楽しみます。

目を閉じて潮騒を聴いていると、世界の広さを感じることが出来て、

身近な風景もより、ココロに馴染む季節。

 冬と春の境目は、とても繊細な風が吹いていきます。

もうすこしして、春の嵐が吹けば春本番がやってきますね。

Rimg7554

 時間をぞんざいにしないこと。大切だな、と思います。

忙しい、のは理由にならない。ココロを失わず、水平にして。

Rimg7553

 弥生の始まりは、いつもこんな風に静か。

ひな祭りの今日、姫につくす日かなぁ。

時間と空間

 雪のおかげで、塵が吸い取られて空気がとても澄んで気持ちがよい。

花粉とか埃が、雪の白さの元になっているのは不思議です。

Rimg7537

 朝の蒼さと、凛として爽快な冷気。ココロが洗われる弥生の始まり。

今月はいいことがありそうです。

Rimg7539

 飛行機雲が、放たれた光の矢となって東の空を進んでいきます。

Rimg7540

 ここ数年で、ようやく時間と空間の質に対する感覚がつかめたようです。

若い頃は、図面と現場の整合性を計るのに精一杯。

空間は考えられても、時間の流れを相手にすることには覚束無かった。

建築は時の経過に晒されていくもの。陳腐なデザインやいい加減な仕事では、

かけた金額にも見合わず、粗大ごみと目に映っても仕方がない。

 いまさらながら、設計者の立場を考え始めています。

Rimg7546

 毎朝の海辺の景色は、大きな空間として眼前に広がっています。

この広がりを、どう小さな空間に映すのか。気持ちのよい空間は、

ほどよい狭さにもあります。自然の大きさに合わせた、自然な小ささを。

Rimg7548

 その場所に流れる時間。疲れたココロでも、なぜかゆったりと

安らぐことの出来る空間。まだまだ、やるべきこと。考えられること。

それはそれは、たくさんあります。よい、週末を。

http://www.ksekkeishitsu.jp 

も、どうぞよろしくです。

谷戸の雪景色

 閏年、にんにくの日、霙交じりで歩き出した朝散歩。

霙だからそれほど降らないで済むかなと思いつつ戻りました。

Rimg7525

 暖かな室内から眺めていたら、次第に雪が積もりだし

Rimg7529

白い景色に変わっていきました。

Rimg7533

 鎌倉の谷戸は、平地と違って雪が吹き溜まりやすい場所です。

Rimg7527

 幻想的にさえ見える、窓のむこうの雪景色となりました。

Rimg7550

 一夜明け、弥生初日、屋根の雪がまるで伸し餅のように下がっています。

屋根の断熱がちゃんと効いていると、このように溶けていくものです。

雪がいつまでも残っている家は、多分断熱が効いていない、寒い家。

 きれいな雪景色、設計屋は違うとこ、見ているようです。

« 2012年2月 | トップページ | 2012年4月 »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31