ひとつずつ、つくる居場所
つくばエキスプレスに乗って、流山おおたかの森へ乗り換え、現場へ行き
秋葉原へ戻って杉並の家の現場へ。目の前が、目まぐるしく変わる一日です。
ふと。前を通りかかった家。多分きちんとした設計者が図面を引いた、
と思える形をしています。配置をずらして、その間に共通の玄関がある。
こういうのは、ぱっと見た目で分かります。
反対に廻ると、L字型の庭があるようです。
南側に隣家が迫って建っているから、東からの光を取り込もうと
考えられて、こうなっているのでしょう。
こうして設計者の立場から、人様の設計した家を想像できてしまう、
ということは、私が設計した家々も、そのように評価されるということ。
なにごとも疎かには出来ませんね。どこで誰が見ているか分からないもの。
そんなことを車中で考えながら着いた杉並の家。
給排水の設備の取り付けが、着々と進んでいます。
改修の仕事は、既にあるものの中に、道筋を立てていくもの。
人が動いて、部屋を通るのと同じように、水、お湯、空気、電気、ガス、
それぞれが通っていきます。
大工さんの進み具合に合わせて、すり合わせをしながら、配管をし
通り道をつくる。出来上がりは隠れて見えないけれど、大切な仕事です。
今回は、以前より床を下げて設計したので、外部に面する基礎廻りに
断熱材を入れていきます。この部分から熱が逃げていくので、そうならない
ように、面倒ですが敷き詰めてもらいます。
将来、グランドピアノが入る予定のこの場所。重さに耐えられるよう、
床下地を細かく入れてもらいます。普通の三倍の量と手間をかけて。
ひとつずつ、ひとつずつ、着実に歩みを進めていく仕事。
人が永くすむ居場所は、こうして創り出されていきます。
« 出番を待つ春 | トップページ | あの日に帰りたい »
「杉並の家づくり」カテゴリの記事
- 家づくりは、続いてゆく(2013.07.21)
- メンテナンスも設計仕事(2012.06.27)
- 手を尽くす、幸せ(2012.06.15)
- やりとりの場(2012.06.11)
- 居場所の手渡し(2012.06.06)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
« 出番を待つ春 | トップページ | あの日に帰りたい »
こんにちは〜。
なーるほど!
出来上がりは隠れて見えない”からこそ”
最も重要な部分ですね。
これって、他にも言える事ですね。
あーやはり、そうですか。
我が家の担当設計士さんも街なかを歩く時、
こう言う視点でばかりで歩いてしまう
と仰っていました。
ある種、職業病ですね。(笑)
大事な大事な家族のくつろぐ場所創りですもの、
K設計室さんのような設計士さんばかりであることを
祈りたいです。
我が家も蓄熱暖房機(約200k)を置く前提で
話しを進めましたが、
どう言う暮らしぶりを想定しているのか、など
密な打ち合わせって大切ですね。
素敵なお仕事ぶりを拝見させて頂きました。
今日も良い1日でありますように。
お邪魔しました〜。(o^-^o)
投稿: けめ | 2012年3月 9日 (金) 09時45分