« 2012年3月 | トップページ | 2012年5月 »

2012年4月

光りの下で

 気温だけはうなぎ登りの連休。夕暮れまでは、ゆったりのんびりする休日を過ごす。

Rimg8395

 このように ↓ 「なぜ行かぬ?まだ行かぬ?早く行かぬのか?」

Rimg8402

 と、毎日さんぽのようきゅうしている奴がいますね。毎日が休日じゃん。

Rimg8399

 春の光り、朝と夕暮れの優しさは格別です。浜辺の潮騒とぴったり合って絶妙な調和。

落ち着かぬ足元の迷犬さえいなければ、しばらくボーっとしていたいもんです。

Rimg8400

 春霞、そよ風の吹きぬける浜の向こうに、御舟と大島。

淡彩の絵、春の光りの下に佇みます。

Rimg8411

 今日は、腰越まで出かける予定。早めに戻って ↓

Rimg8413

またコヤツの散歩。犬中心の、その日暮らしの日々です。

ほどいい加減

 静かに進む季節も、はやGW。鎌倉はご存知のように、たくさんの人出です。

その喧騒も谷戸の奥までは届かず、坂の上はいたって平穏です。

Rimg8394

 雨上がりの上之宮。なにもない白砂の、静謐が際立っています。

Rimg8386

 不自然に肩に力が入って、すこしクタビレ気味。ちょうど、ほどほどに、いい加減な

お休み週間にしませう。春のうたたね。山ホトトギス。

Rimg8387

 この季節、新緑が映えるのは明るい春の陽光のおかげ。

Rimg8390

 眩い光景の只中、訪れる人々のどれくらいが気付くのかなぁ。

Rimg8391

 そこかしこに、色鮮やかな宝石がちりばめられている鎌倉の路地。

Rimg8392

路地フェスタも始まるので、メインストリートからすこし脇道へ。

静かな時間が流れています。

http://www.ksekkeishitsu.jp

住まいの加齢

 建築の設計において心がけていることの一つに、素材選びがあります。

時を経ても味わいが増すような材料を使う。長持ちすることを考えれば石のような固いもの

で作ればいいのですが、欧州ならともかくここ日本では、気候に相応しいとは言えません。

Rimg8382

 我が家の床は、大分の津江杉です。柔らかいから、子供たちの残したミニカーや

プラレール、私たちの足跡から犬の足跡まで、たくさんの傷がついています。

過ごした年月によって木目が浮かび上がり、年輪という言葉に相応しく味わい深い様子。

人が歳を重ねるのと同じように、住まいもいい歳のとりかたをしたい。

そう願って、素材を選んでいます。

Img_0208

 雨風にさらされ、夏の暑さ、梅雨時の湿気、秋の台風、冬の乾燥をしのぐ住まい。

温暖な湘南に暮らしていても、日本の四季の変化に耐える素材のことを考えます。

ことに、木は自然のもの。反ったりねじれたりまがったりは当たり前。そこをどう工夫して

長きに渡って暮らしを包む器としての、住まいが成り立つかを考える。

 唐松の外壁であれば、ねじれる性質を持っているから、建物の隅には一本、木を通して

木の木口が開かないようにする。「端々を押さえろ」と教科書としている言葉の通りに。

Rimg7102

 住まいには、工業製品としての素材も入ってきます。

自然素材も手を加えれば、工業製品に近くなりますし。

 アンチではなく、ウェルエイジング。いい歳のとり方、人も住まいもむずかしいもんです。

新しき人に会う

 春の長雨?なのか、今朝も降り続く中、水溜りに嬉々として飛び込む犬と右往左往

しながら、最短コースの散歩を済ませていました。朝から少々クタビレテマス。

Rimg8383

 杉並の家、待合室の大きな窓に硝子が入りました。贅沢な木の枠にペアガラス。

東側に面しているので朝日が入って、明るい場所になると思います。

Rimg8384

 すっきりと納めるのは、枠の形から考えて、壁、天井に隙間を作らずぴったりと。

既製品のアルミサッシでは、なかなかこうはぴったりといきません。

絵窓のように、額に入れる風景。どのようになりますか。

Rimg8370

 昨日の現場では、近くの美術学校の学生さんたちが見学に来られました。

高校の同級生が、そこの先生をしているので、声をかけたところ「ぜひ、見たい」。

生憎の雨の中、わかりにくい場所を見つけて来てくれました。

 プランや工事の内容を説明しながら、あちこち見て廻り、いろいろと質問に答えるひととき。

はたち前後の今時の生徒さん。みなさん真面目で、しっかりしています。

いわば自分の子供世代。新しき人たちに会う、そんな現場の一日です。

 自分たちの仕事を、若い人に見てもらう。なかなかない機会に、棟梁たちも満足げ。

出来上がったら、また見てもらおうと思います。

つくる意味

 現場の日、雨降りで始まりました。予報ではしとしと、けれど結構大降りなようです。

Rimg8376

 なにかをつくること。そこには、意味があります。

自分たちの存在理由を、その意味に込めてつくる。

Rimg8377

 つくるものに意味を持たせる、というより、出来たものが意味を語る。

言葉は後付けですが、物が語る物語から見るひとは「意味」を見出します。

Rimg8379

 つくる意味、無意味なものをつくる訳にはいかないから、

その意味をよくよく考えなければならないと思っています。

Rimg8381

 言葉で説明するより、実物を見ればわかる。わかるひとには、わかる。

そんなスタンスで、今日も現場にでかけます。

Rimg8375

 ハナミズキの白い胞。きれいな季節になりました。

一人前の設計

 杉並の家づくりも、工期があとひと月になって、大工工事が仕上げに入っています。

だんだんと部屋らしくなって、新しい住まいのかたちが出来ていきます。

Rimg8365

 2階リビングの床には、杉の無垢フローリングが張られています。

一枚一枚摺りあわせをしながら、無駄をださないように加減を見て丁寧に張られてます。

予算を切り詰めることは、無駄を省いて必要なものだけで作ることに繋がります。

その分、少ない材料のやりくりを大工さんにお願いすることになって、手間をかける。

いつもいつも職方さんたちの献身に支えられて、住まいは出来ていきます。

Rimg8366

 棟梁の手によって、新しく付け替えた階段が出来ています。

杉のJパネルによって、いい踏み心地と柔らかさで、昇り降りのし易い階段になります。

Rimg8368

 毎日使う階段。移動する空間の良し悪しは、住み心地に直結します。

階段とお手洗いが設計出来れば一人前。とは、村野藤吾さんの名言です。

すこしは一人前に成れましたでしょうか。

Rimg8369

 手摺壁も、ずれないようにシャクリ、実(さね)が入っています。

Rimg8373

 見えなくなる裏側は、細かくビスが打たれて、毎日の昇り降りを支える強度があります。

一人前の設計者は、作ってくれる職人たちに育てられるものでした。

http://www.ksekkeishitsu.jp

ひとときの光と翳

 雨に降り込められた夕方、そういえば久しくボーっとしたひとときを送れていないなぁと。

ふと気付くのも、余裕のない毎日を送っていることの証?

時間をぞんざいにしている、ここのところ。すこし反省をする。

Rimg7416

 歳を重ね、感覚が鈍る。感性が惰性に陥らぬように、手を動かそう。

Rimg7419

 光と翳が響きあうような、そんな建築がひとつでも創れたなら。

さりげない日常のひととき、木の葉の揺れる翳が映るような佇まいを。

Rimg8295

 かけがえのないひとときが、ゆるやかに流れる。

行雲流水、また忘れて過ごしていました。

Rimg7183

 自然にひとときを送る達人。足元に寝そべっておるようです。

雨の散歩道

 夜半から降り続く春の雨。雨降りで始まる週明け。マンデーブルーな日でしょうか。

新緑が美しい季節。木漏れ日の晴れた日が待ち遠しくもあります。

Rimg8307

 待ちかねた犬を連れ出し、傘をさしつつ右往左往する。

木々の緑だけではなく、鉢植えの新緑にも雨のしずくが映えています。

Rimg8340

 今週は、現場と事務所を往復する一週間。お天気が気になりますが、

こればかりはお天道様の思し召し。なるようになっていきましょう。

Rimg8341

 とはいえ、せっかくの春。明るい陽射しの兆しがほしいものです。

Rimg8303

 今の季節、微妙な光の加減が印象的であります。

淡い色合いの空、明日には出会えますように。

Rimg8305

 春雨に足元を見ず上を向く、そんな月曜日が始まります。よい、一週間を。

平らな春

 べた凪ぎの、とても静かな春の海。しばし佇む日曜日の始まりです。

Rimg8329

 すっきりとしない曇り空。なかなか春の明るい休日が味わえませんね。

Rimg8331

 引き潮でだいぶ砂浜がひろがった材木座。まだ人気なく、静かな朝です。

Rimg8337

 あまりに静かな海。潮騒だけが聴こえる平らな春。

心持も、この海のように真平らで水平を保つ。そうありたいものです。

Rimg8335

 まだ今年の春は朝晩すこし冷えます。朝露も遠慮がちにおりていました。

Rimg8339

 今日は、誕生日のお祝いを前倒してする日曜日。

無事健康で迎えられる一日。楽しく過ごします。

よい、休日を。

抗う仕事をする

 すっきりしない曇り空の下、葉桜の並木を潜り抜けて杉並の現場へ。

ぽつぽつと降り出した春の雨。現場に行くと雨男と言われるかも。

Rimg8311

 窓を大きくした音楽室。今は棟梁の作業場です。お手製のベニヤの作業台の上で、

いろいろな木材が加工されて、部屋のかたちが作られていきます。

Rimg8310

 新しい入り口は、音楽室と2階へ上がる階段を兼ねている場所。

ハンガーレールで吊られて動く間仕切りの戸が二つ入ります。

ので、そのハンガーレールを目立たぬよう、天井に埋め込んでもらう仕事。

取り付ける下地を凹ませておいて、その凹んだ部分に入れてもらいます。

進んでゆく時間に、手間をかけ、抗う仕事。面倒をかけますが、棟梁どうぞよろしくです。

Rimg8313

 それと同時進行で、新しく付け替える階段。今まであった階段と90度向きが変わって、

2階へと上がる設計。その手摺壁は、薄くして広さをかせぎます。

見上げたロフトの床まで、およそ6メートル。二階建てのスケールって、意外と大きい。

何年商売をやっていても、いろいろと発見したり再確認したりで、現場は楽しいもんです。

Rimg8315

 見下ろせば、壁の板高さ4.5メートル。工場で作ってもらったので、まっすぐに。

ただ、ただ、重いので取り付けるのは大変です。

 向こう側から、手前に向かって階段が降りていきます。

今立っている場所には、キッチンの冷蔵庫が置かれます。

Rimg8317

 2階のリビング上のロフト。新しくつけた窓が効いていて、明るく風通しもよくなります。

Rimg8318

 キッチンの向こうにユーテリティ。真ん中の壁のところから、以前は階段が降りて

いました。今度は、右側の窓に沿って降りていきます。

 予算の関係で、階段は位置を変えないでおけば、安上がりなのですが、

こうしないと、思い描く設計プランにならないから、そこだけは譲れなくて苦労します。

 予算という現実に、抗いながら設計することの意味。出来上がった空間の質だけが、

その意味を語ることになります。

Rimg8319

 たくさんあった構造の柱をとっぱらって、補強したがゆえに出来たロフトのスッキリ感。

出来上がってしまえば、苦労の跡はないけれど、以前は ↓ こんなでした。

Rimg7061

 同じ場所から見上げて撮ったので、とっぱらった感じがよくわかりますでしょう。

想定した以上に、設計の効果が出ているのは、全て棟梁たちのお蔭です。

Rimg8321

 以前、階段の途中にあった窓。今度は、キッチンの風抜きの窓の役目になります。

窓のむこうが道なので、訪ねてくる人もちらっと見えると思います。

Rimg8328

 2階の床。新しく張り直すのは杉の板。間伐(かんばつ)材の集成材なので、

その名も「カンバツー」という名前がついてます。間伐というのは、森林を育てるために、

木を間引いて手入れをし、森の生育を助けること。その材を有効利用するため、

安価で、でも見栄えは変わらず、日本の無垢の木です。

Rimg8326

 洗濯室から見返すリビング。ロフトとともに、いい居場所になりそうです。

http://www.ksekkeishitsu.jp      

小さな差異、大きな実り

 新年度も早中旬を過ぎて、すこしずつ静けさを取り戻す週末です。

Rimg8296

 曇り空ベースでも、季節は春の只中。長い冬が過ぎて、明るさをより増しています。

Rimg8297

 引き潮の浜辺、べた凪ぎの海、潮騒がゆっくりと聴こえていました。

Rimg8300

 小さな違いは相対的なもの。ひとりひとりの、小さな差異もどう捉えるかで、

大きな違いが生まれていきます。自分にしか出来ないこと。この世に存在するだけで、

おのずとその個性は自然のかたちを現しています。

Rimg8284

 木の葉も、一枚一枚が小さな差異を持ちながら、大きな幹を形作る。

かのように、こちらも毎日すこしずつ小さな歩みを続けよう。

Rimg8304

 取り留めのない日々も、いつのまにか大きな実りに変わることでしょう。

クリエイティ部

 桜が散って葉桜に、谷戸の景色は青空と新緑の季節になります。

Rimg8294

 年がら年中、落ち葉を掃きつつレレレ化する毎日。

Rimg8287

 世の中の暗がりを照らすように、朝日が昇る。

まだ明け方の空気は冷たく、凛としてきりり。呼応して自然と姿勢もそうなります。

Rimg8290

 ものづくり、その一端を担う設計。時々、模倣と創造という言葉を思い出します。

Rimg8289

 誰もが、一から何かを生み出すわけではなく、見聞きし体験したことから、

いわば模倣からものづくりは始まります。

 同じようにアイデアを得て、発想のヒントにして、形にする。そのままを真似たとしても、

そこに自己が投影されていれば、創造に近づくはずです。

 自分というフィルターを通して作られたかたち。そのフィルターが磨かれていれば

生まれるかたちは、生命力を持ちクリエイティブになります。

Rimg8291

 設計の仕事、部活に例えればクリエイティ部となりましょうか。

アタマとカラダ、どっちもフル活動する文化+運動部です。

Rimg8293

 真に創造的なものは、どこか懐かしい。いつか夢見たものかもしれません。

http://www.ksekkeishitsu.jp

犬と生活

 曇りベースの今週、春霞の空高く、北へと向かう鳥の群れがあります。

Rimg8270

 白く光る三日月の下を横切って、←を描いて飛び去っていきます。

Rimg8271

 仲睦ましく寄り添う鳩。カメラを向けたら、すっとそっぽを向きました。

照れくさかったのかい。すまぬすまぬ、とあやまる朝です。

Rimg8257

 めずらしく凛凛しい姿。じっと佇むのは、たまにしかありません。

Rimg8259

 普段は ↑ このように、ダラケきっており、寝言をひゃんひゃん言っております。

Rimg8265

 散歩の時、小さい子に「おっきいのとちっちゃいの~」と言われることが多い奴ら。

「ぜったい、おやこだよ」?との声もかかって、どこかが似ているのでしょうか。

Rimg8285

 犬との生活。雨が降ろうが槍が降ろうが忙しかろうが、散歩はかかせない。

Rimg8286

笑う犬との生活。マイペースな犬ペースに合わせて働きます。

Rimg8268

 こんな鮮やかな山吹色に出会えるのも、日々の散歩のおかげ。

犬の目線には、どう映っているのやら。

建築シェフ

 みなさんは、工事現場に、こういう看板を見たことがありましょうか。

「建築計画のお知らせ」 われわれが俗にゆう、お知らせ看板です。

Photo

 ある一定の規模を超える建物を建てるのに、事前に周辺に住む方々へするお知らせ。

役所には、標識として設置しました、という報告書を写真と一緒に提出します。

 以前、このお隣で設計した時も、役所の書類が笑っちゃうほど多くて辟易しました。が、

今回はそれより規模が大きいので、書類もさらに厖大か。

本来の設計より、余計!な手間、時間がかかるのは目に見えています。

 その手間が、うつくしい街並みの形成に役立てばいいのですが、そうなっていないのは

みなさんよくご存知のことでしょう。せめて、自分たちの設計する建物自体をよくすること。

それだけでしょうか。

Rimg8281

 そんなことを江戸川区役所で思う昨日。午前中は、杉並の現場で打ち合わせ。

以前の玄関だったドアは、これから枠ごと外されてきれいなガラス戸に変わります。

Rimg8282

 判りづらい写真ですが、今ついているドアの部屋側内部。きちんと断熱材を入れて

床が冷えるのを防ぐ仕事がしてあります。解体した角材を再利用して土台に付け替え、

それを基準にこれから、新しく入り口のポーチが作られていきます。

 設計屋は、建築材料を選んで建物を設計する、建築のシェフとも言えますが、

実際の現場のシェフは大工さんたち、職人さんです。

 いろいろな大きさや角度、広さなど寸法に合わせて、ひとつひとつ加工(料理)しながら

おいしい建築をつくる。おいしさの秘密は、腕によりますね。

Rimg8278

 現場に納品されたJパネル。杉の板を、12ミリの厚さで互い違いに三層重ねたパネル。

以前より、認知されて生産量が増えたのか、仕上がりの精度が上がってきれいです。

Rimg8279

 パネル材の端は、凹凸に合わさって隙間が出来ない加工がされています。

無垢の木を上手く使って作られた優れた製品。生かすも殺すも、シェフの腕次第。

素材の良さを活かす、料理とまったく変わりませんね。

Rimg8277

 いい素材を選んだ設計屋は、職人さんの腕前を楽しみに、現場を後にします。

桜のあと、新緑が萌える、杉並善福寺川からお届けしました。

庶民感覚と500億ドル

 今日は、杉並と江戸川の二つの区を掛け持ちで出かける日。

春の海をゆったり味わう暇はなく、慌しく過ごす週明けになります。

Rimg8243

 美しく流れる雲、今年の空は明るく感じられますね。

Rimg8244

  普通に暮らす人々にふさわしい、普段着の住まいをつくる仕事。

いわば庶民感覚(庶民ですから)を大切にして設計をしています。

Rimg8245

 ニュースで、欧州の経済基盤の安定に、日本が500億ドルを拠出する。

そんな場面がありました。4兆円!!!を他所へ出す?

まったく理解不能ですね。どんな理由があっても、庶民の感覚が受け付けない。

国内で、やることは、たくさんあるのに。

 非人間の感覚を持つ人々が、動かすこの国。世も末、なのでしょう。

Rimg8246

 行く雲、流れる水。市井に生き、不平不満を言わず、人と和して働く。

Rimg8247

 身のまわりの、感覚を大切に。フツーが一番エライ。忘れずに。

春つれづれに

 行雲流水のごとく、春の季節が進んでいきます。空の雲、さまざまな形で流れていく春。

Rimg8232

 ここ鎌倉は、桜が葉桜へと移っていき、いよいよ新緑が鮮やかさを増す時期です。

Rimg8234

 由比ガ浜の南の彼方、白く輝く春の朝月。風も穏やかで、ゆったりと時が過ぎます。

Rimg8235

 春風の流れに沿って、大きく広がりを得ていく雲。

このように、のびのびゆったりとした気持ちは久しぶりです。

Rimg8236

 世知辛いお話は、どこかよそにおいて、一足お先に夏の日を考えて過ごすのもいい。

Rimg8240

 湧き上がる雲、夏のかたちとは違う力強さがありました。

よい、休日を。

出来ていく居場所

 満開を迎え、花吹雪舞い降りる桜並木をくぐりながら、杉並の現場に着きます。

善福寺川沿いは、花吹雪と花筏の風景で一杯です。

Rimg8209

 現場は、音楽室の天井が張りあがって、よい風合いです。

目地の幅2ミリで、折り上げた天井、出隅の角は二十ミリ角で通してもらいます。

Rimg8211

 2.6m×2.2mと大きくした南の窓。春の陽射しがたっぷり感じられます。

Rimg8213

 2階のロフトの床は、杉の無垢板です。もちろん節が有って並み材。

お子さんの居場所だから、素足にやさしく気持ちのよい日本の杉を使います。

Rimg8218

 幅広の材、安いものですが、これでも50年は生きてきた木からとったもの。

Rimg8214

 これからも、きちんと使うことで、日本の木の良さを、一人でも多くの方に。

Rimg8219

 以前とは位置を変えて、新しくつくる階段。手摺壁は36ミリの薄い合板です。

高さは4メートル。重たいし長いし、どこから入れたんでしょうねぇ。

Rimg8223

 表の施術室には、出窓が出来上がっています。イケアで買った本棚にサッシを

組み込んでもらう、面倒な仕事を嫌な顔ひとつせずしてくれた棟梁に感謝です。

Rimg8227

 手間をかけ、人の手によって出来ていく、住まいという居場所。

花吹雪を見上げながら、幸せを感じながら、帰途につきます。

足踏みして待つ

 桜の花びらが、風に乗ってはらはらと舞い降りる朝。その昔、古人が名づけたのは

「花筏」花びらが水面に舞い降りて筏のように浮かぶ。同じ光景を、今も見ています。

Rimg8180

 花筏、清らかな川面をひらひらと流れていく様子が思い浮かぶ言葉ですね。

Rimg8181

 花冷えの空気感がより引き立てる川面に一陣の風が吹いていきます。

Rimg8182

 思うようにならない時、待つことも大切な時間としてあります。

無理をして足掻いても、何も変わらない。

Rimg8189

 ならば、いつでも動き出せるよう、悠々と構えしたたかに足踏みして静かに待つ。

春霞の由比ガ浜を眺めて、そんな心持になっています。

Rimg8195

 砂浜には、落書きがあって、うちの犬が踏んづけていきました。

Rimg8196

 散歩を待つ犬のように、時に期待しつつ、桜の下を歩きます。

Rimg8183

http://www.ksekkeishitsu.jp

桜をおくる

 午後になって強くなった雨。花散らしの春雨になりました。我が家の庭にも、

ちらちらと舞い降りる花吹雪。花の命は短くて、はかないものですね。

Rimg8161

 これからの鎌倉は、五月の連休まで、新緑の季節が始まります。

緑濃くなる手前の、凛凛しい緑。生きる力そのものです。

Rimg8164

 早くなった朝焼けに、いまだ身体が追いつかず、すこしモヤっとしています。

生まれて半世紀。という言葉が友人からのにもありました。

季節より早く、季節を先取りしていた時期は遠く過ぎていきます。

Rimg8167

 そのぶん、月の満ち欠けや風の音、潮騒にココロの奥で反響するかのように、

だんだんと変わってきました。自然にそうなっていくもののようです。

 このところ読み返していた手塚治虫さんのブッダと火の鳥。

そのなかに繰り返される、輪廻というテーマも、昔よりしっくりくるようになります。

Rimg8169

 谷戸の桜。また来年もどうぞよろしくです。

Rimg8170

 今年は、桜をおくりながら、ずいぶんとしみじみする季節です。

日々に学ぶ

 明るい春の空に、白く浮かぶ月。その下には満開の桜世界がひろがる鎌倉です。

Rimg8153

 明け方の蒼さと朝焼けのオレンジに、桜色が映える時。

Rimg8150

 花冷えの澄んだ空気が、より静けさを運んできます。

Rimg8151

 新しい季節を迎えると、新しい人々が活動し始めます。

建築設計の世界でも、新しく斬新な発想をする若手が増えてきました。

Rimg8156

 はなからデジタルの世代。積み上げたセオリーから組み立てる世代の私たちは、

アナログで考えデジタルに移していきますが、今は全てデジタルで行うことも多い時代。

考え方の過程が、そもそもまったく違う世代が登場し、老兵は去るのみかな。

Rimg8160

 建築は、常日頃から何を学び、どう考えてそれを活かすのか。

それが問われる仕事。日々の学び方、問われています。

春色のまち

 お花見の人波を避けて裏道の路地を抜けて大町へ。妙本寺境内の山門脇の二本桜。

ちょうど見ごろであります。すこしひんやりする谷戸の空気の中、うつくしくありました。

Rimg8127

Rimg8130

 足元の約二名。桜を愛でるより、遠出したうれしさにあちこち嗅ぎまわっております。

Rimg8131

 桜並木の華やかさとは違い、春の海には控えめに月が浮かんでいます。

Rimg8138

 春色は淡く静かに湛えられて、心地よい潮騒と一緒にありました。

Rimg8137

 明け方のまちは、朝日に照らされながら目覚めていきます。

Rimg8144_2

 つられて、こちらも上を向く。自然の一部であるように。

Rimg8145

 谷戸の山桜、ようやく見ごろ。すこし肌寒いこの春に、ようやく間に合いました。

Rimg8146 

 我が家のアタマの上、もうすぐ満開。春色の谷戸です。

ひねもすのたり

 桜の季節、歩道まで渋滞している鎌倉の表通り。段葛も明け方は人気なしです。

Rimg8109

 花冷えが続くけれど、そのぶん花が長持ちしてくれれば、楽しめます。

春の明け方、空のグラデーションが美しく、毎朝見とれています。

Rimg8110

 春の海 終日のたりのたり哉 与謝野蕪村の句だそうです。

Rimg8118

 ひねもす、寄せてはかえす静かな春の海。ほんとうに、のたりのたりしています。

Rimg8121

 ぽかぽかと、暖かな陽だまり。春爛漫、いい言葉がたくさん思い浮かびますね。

Rimg8106

 休日は、二匹の同居犬の世話焼きをせねばなりませぬ。

Rimg8083 

 あちこち、右往左往。水溜りやら草むらやら、ところかまわず入り込む迷犬。

よごれも半端ない。最初のシャワーが、どす黒い泥水でやんす。

中腰で、腰を痛めながらの、面倒見。花見じゃなくて、トホホの日です。

Rimg8103 

 ひねもすのたり。年がら年中じゃん。

休みのココロ

 花冷えという言葉の通りに、冷たい北風が吹いています。八幡様の源平池、

水面に映える桜、凛とした風景で満開を迎えます。

Rimg8084

 今年はなかなか目まぐるしいお天気で、暴風やら底冷えやらが続いて

桜も戸惑いながら咲いています。足並みが揃わず早咲きはもう葉桜。

ばらばらなのは、今の日本を反映しているのかもしれません。

Rimg8087

 いろいろあるけれど、今年もうつくしい。暖かな春の陽射しと一緒に愛でましょう。

Rimg8088

 不況というやつ、自営業にとってはツライもの。

自分で営業するから、自営ですが、売り込みは苦手です。

いままで、人の伝手で仕事を紹介されてきました。

仕事の評価をしてくれたクライアントが、またどなたかを紹介してくれて。

 でも、なかなか続いていくわけではありません。

「仕事がない、のは辛い仕事」どこかで聞いた言葉、まったくその通りです。

Rimg8063

 なんでもそうですが、失ってから気付く。だからこそ、有り難いのでしょう。

休日に、しみじみするのも桜の季節だからかなぁ。

Rimg8068_2

 海辺に浮かぶ雲も、桜色に見える朝です。

Rimg8072

 一年中、休日のココロ。一匹いますね。

現場の春の一ページ

 清明の季節、お昼過ぎの湘南新宿ラインに乗り、うとうとと舟を漕ぎつつ渋谷へ。

井の頭線に乗り換えて西永福まで。杉並の家の現場監理にでかけてきました。

Rimg8032

 途中の家並みの中、見事に咲くお庭があります。杉並区の保存樹木になっています。

Rimg8033

 現場近くの桜は見ごろ。鎌倉より一足先に満開です。

Rimg8037

 現場のロフトの合板がきれいに張りあがっていました。

合板といっても無垢の木です。このまま、時を経ていい風合いになってくれますように。

Rimg8044

 思えば一昨年からスタートした設計も、工事が佳境に入りました。

細かな取り合い、現場の苦労、報われますように。

Rimg8049

 洗濯機を置くユーテリティーからバルコニーに出られるこの場所。

これから棟梁が複雑な部分を進めてくれます。

下は、玄関になるし、音楽教室の入り口にもなります。

 図面に描いた暮らしが、多くの職人さんの手でかたちになってゆく。

春を迎えた、家づくりの一ページがつくられていきます。

Rimg8051

 帰り道、桜のむこうに月昇る。よい、春を。

シンプルな線

 清明の嵐が過ぎ去ってしまえば、何事もなかったかのように春の陽がさす日々に戻る。

すがすがしくあかるい、まさに清明と名づけた古人の感覚に敬服する朝が続きます。

Rimg8024

 進んでゆく現場の状況に合わせて、コストを考えることも設計の大切な部分です。

一度は熟考して決めた予算に、自らメスを入れて見直す。すこしでも、より良い物を。

 図面に描いたシンプルな一本の線。その一見シンプルに見える納まりを成立させる

いくつもの工程。工程の複雑さは、すなわち職人さんの手間を増やすこと。

材料や方法が増え過程が重なって、シンプルとはどんどん離れていきます。

Rimg7967

 自然に咲く花は、複雑な清明の容姿をもちながら、とてもシンプルに見えます。

机の上、アタマの中で考えるのではなく、足元の身のまわりにある環境から

素直に学べということでしょうか。

Rimg8026

 予算というこの上ない現実を、どうシンプルかつきれいなかたちにするのか。

混沌を受け止め、清濁併せ呑み、澄んだ線を引く。

まさに、清明な設計の仕事を目指す日々です。

Rimg8027

 御気楽で自由な迷犬。複雑な身体にシンプルな思考。

あんまり参考にはならないや。

http://www.ksekkeishitsu.jp

風景の一部

 近くの近美、神奈川県立近代美術館で、今週末から石本泰博さんの写真展が

開催されます。私たちが建築を学び始めた頃には、すでにその名を知られていた方です。

Rimg7994

 桂離宮、その風景に溶け込んだ建築を切り取った写真の数々。

ゆっくりと、平日の午前中に、静かに向き合って観たい。そう思います。

古人が紡ぎだした建築。堅苦しく考えず、風景写真として、ぜひご覧ください。

Rimg7995

 風景の一部、設計する建物がその土地の風景に溶け込むように出来れば本望。

写真は風景の一部しか切り取ることは出来ませんが、その時代、その場所の空気感を

写し込むことは出来ます。人の目は、大きな全体を総体的に見ることから、細部を

クローズアップして見ることまで、同時に出来る。けれども、瞬間を切り取ることは出来ない。

 写真は、時代を写すと同時に、時を止めることが出来るのが面白い。

Rimg8007

 大きな風景の片隅に、溶け込むような住まい。いつか作りたいものです。

Rimg3325

 我が家もいつの間にか風景の一部。春の主役は、やっぱり山桜。

脇役でいいから、住まいも凛として佇みますように。

前向き続ける

 季節が変わって、ようやく暖かな日が続くようになってきます。冬の間、縮こまったカラダ、

猫背伏目のかたちに固まってしまったその体を、ようやくストレーーーッチする時期です。

Rimg7997

 考えが行き詰っているような時、それは多分カラダが固まっている時でもあります。

なんでもいいから、身体を使って、身体に聴いて見る。手足でも動かせば、アタマは

自然とついて動き出す。いつもそれを忘れて頭でっかちのパターンになります。

Rimg8010

 気分が沈むような時は自然とうつむき、泣きそうな時には自然と上を向く。

すっと前を向き続けるのは、意外と難しくなかなか安定はしません。

Rimg8005

 水平線を見るように、背筋の伸びた自然体。その姿勢が自然に出来れば、

おのずと「前を向く」ように出来ていますね。

Rimg8017

 うつむいたり空を見上げたりしながら、そんなことに気がつきます。

レンギョウの黄色に励まされながら。

Rimg8006

 前を向く鳥のように、しなやかに歩み続ける春に。

想う、の春

 桜の季節の訪れを、あれほど待ち望んだはずなのに、どこか浮かない気持ちの有様。

巡る季節に永遠性を想う、長い冬を長く感じていた先日までとは、ココロの在り方が違う。

そんな気分のまま、どこか上の空で過ごす今週です。

Rimg7973

 材木座六号橋のボックスカルバートが切り取るいつもの風景。

春の明るさとはいえ、すこしココロがクローズしているのは、歳のせいかしらん。

Rimg7982

 身辺で起こることや、人が話す言葉には、聞き流すことが出来ないことがありますね。

Rimg7992

 昔はスルーしていたことも、気にかかるようになるのが、すこしは大人になったこと。

人生いろいろ。機微がだんだんに身に染みてわかるのも、妙と言えるのでしょうか。

花の色合いの妙が、やけに目に届く季節でもあります。

Rimg7993

 いつもと変わらぬ、穏やかな春の潮騒。かけがえのないその音が、

なぜかすんなりココロに響かぬ、砂浜です。

Rimg7999

 考えても変わらぬこと。しかし、いろいろと想うのも、たまにはいいか。

Rimg8004

 らしくない、と独り言。波につぶやく朝のようです。

季節のように

 春の嵐が通り過ぎて、穏やかな桜の咲く週になります。

先日の砂嵐のような春の海。まっすぐ歩けずによろよろと写真を撮ります。

Rimg7962

 南風が吹く日が続くと、確かな春がやってきます。

桜が満開になる頃には、新緑の準備が整うような鎌倉です。

Rimg7953

 消防署の花壇、また咲き出しました。明るい季節の始動週間です。

Rimg7972

 坂の木蓮が、桜より一足お先に開きました。終わる頃、ちょうど桜の花が

引き継ぐ、春の循環が今年も見られます。

Rimg7985

 季節が巡るように、移り変わるように、変われたらいいなぁ。

ココロが開く季節の訪れに、すこし戸惑うような四月の始まりです。

Rimg7987

 砂浜で伏せをする、茶色い奴。年中、春のようにゴキゲンです。

ライブ・ゴーズ・オン

 前の晩からの強風、砂つぶてで幕を開けた昨日、春の大嵐の中を横浜へ。

鎌倉も相変わらず混んでいて、横須賀線も遅れていたので早めに出かけて正解でした。

 横浜でまずは腹ごしらえ。久しぶりに出た横浜は、駅周辺がごった返しです。

表に面したお店はどこも満席。地下街のすこし奥に、お茶漬け屋さんを発見!!

これがアタリでした。どうせ後での嵐?なので軽くすませるのにぴったり。

出汁の美味しさとオクラと明太子。お酒の後にもぴったりのお店です。

Sn3r00150001

 神奈川県民ホールへ着く頃には、雨が小休止。風が冷たくて冬に戻った感じです。

土曜日なので、午後六時開演。始まる前の、歩く時間からすでにアタマの中で鳴っている

ライブ。この時間、音楽好きには至福の時でもあります。

120331_173001

 80年代から、神奈川県民ホールで聴き続けているこのライブ。

今年も、しっかりじっくりたっぷりの三時間半でした。

 今回のツアーから、サックスが土岐英史さんから若手の宮里陽太さんに交代。

それが、また一つ楽しみにしていたことでもあります。

 演奏が、というより全てがうまい「いい音」しか鳴らない、いつものエバーグリーン。

ソロパートも、今回は違う志向でとても楽しむことが出来ました。

 ドームツアーではなく、ホールでのコンサート。ワイヤレスではなく、あくまでシールドの

つながった音のロスがないワイヤードの一徹音楽。PAもクリアーでとてもいい音が

してます。出す音の良さ、その一つひとつが、すべて心に響く。そんなライブでした。

 このライブを見ると、他のは見なくていいと思います。

いい音は、歳をとりません。16の時に聴いたまま、鳴り続けている本物の音楽家です。

 音の余韻を楽しみ、降り続く雨と車のヘッドライトに光る舗道を眺めつつ、

チョリソと飲む。よい、夜でした。

« 2012年3月 | トップページ | 2012年5月 »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31