« 寄り添う秋 | トップページ | 織り成す日々 »

暮らしの器を、創るプロセス

 すこし思うところがあって、杉並の家づくりをまとめる時間をつくります。

住まいをつくるには、まずそれに費やす時間をつくる仕度がいりますね。当たり前ですが。

Rimg8896

 設計の過程は、思うほどビジュアルにはならず、傍からみれば「お絵かき」に近いもの。

これが、現場となると、紙の上の図面とはまるっきり違う次元の出来事になります。

 現場で住まいの居場所が出来上がってゆく過程ほど、ものづくりに携わる人間にとって

面白く楽しいものはありません。これは、手を出さず、口だけ出す、設計屋の特権ですね。

Rimg001

 住宅街に並ぶ、同じような間取りとデザインの家の一つを、すこしずつ解体して

新たに再構築するのが、杉並の家の設計に求められることでした。

Rimg002

 住まいを2階にあげて、1階に仕事場を二つ、つくる。限られた枠の中で出来る、

最大限の仕事をすることで、すこしでも居場所の確保をします。

Rimg003

 建売の常として、折角の南の窓が小さいのを外して、大きくし、床を下げて天井を上げ

音楽教室にふさわしい、気積を確保すること。壁をなくし柱を取り去り補強を施す。

言葉にすればあっという間ですが、ひと月ふた月と手間のかかる仕事です。

Rimg7688 

 天井の柔らかさが出て、落ち着きのある空間になりました。

Rimg004

 壁で遮られ、階段があったコーナーは、制約の中でプランを成り立たせるために、

基礎を取り去り、階段を九十度付け替え、玄関として生まれ変わります。

Rimg005

 当初は、厳しい予算の中、階段をそのままにという意見もありましたが、

Rimg7157

移動しなければ、新しい暮らしの器にならないであろう、と思って思い切ります。

Rimg006

 結果、南と北をつなぎ、風を抜き、人を向かえ送り出す場所になりました。

Rimg007

 北側の書斎のスペースはもう一つの仕事場、診療所として解体して再構築。

Rimg7163

 同じように床を下げるため、コンクリートの基礎を解体し撤去します。

Rimg9248

 窓はそのままに残し、新たな入り口と受付スペースをつくる。

ここにイケアの本棚がはめ込まれているとは、お釈迦様でも気がつくまい、です。

Rimg9250

 住まいという暮らしの器は、たくさんの過程と、現場での職人さんたちの手間による

施工工程を経て出来上がるものです。特に改修工事は、職人さんたちの技術に

よるところが大きい。「見られる」ような仕上がりが、写真に写っているのは、

棟梁たちの努力のおかげです。

Rimg9202

 今あるものを生かしながら、新しい暮らしの器を創る。

未来の暮らしのありようは、職人さんたちの手のひらから生まれるものです。

ごくろうさま。そして、どうもありがとう。

http://www.ksekkeishitsu.jp 

« 寄り添う秋 | トップページ | 織り成す日々 »

住まい・インテリア」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 暮らしの器を、創るプロセス:

« 寄り添う秋 | トップページ | 織り成す日々 »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31