ワークス

サービス業としての設計事務所

 とても澄んで凛とした冬の空気の中、海へ着くと三日月が浮かんでいます。

海鳥が視界の中を横切りながら、矢のように飛び去ってゆきました。

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 仕事をする上で、依頼される人々の気持ちになり、相手側の立場に立つことは

難しいことですが、大切なことであります。どういう風なスタンスでこちらがいて、

それが相手にはどう見えるのか。なかなか、こうかな、ああかなと思うばかりで

決定打が出ません。言葉にして表わそうとしているから、余計そうなのかもしれませんね。

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 設計をすることを、サービス業として行う建築設計事務所として、どう伝えるのか。

考え続ける命題が、また一つ増えました。

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 たとえば、新築した家に似合うように考えて、自作したタオル掛け。

アフターサービスの一環ですが、なぜするの?したいから。で終わってしまう行程を

サービス業なら、どう相手にわかりやすく伝えて興味を持ってもらうのか。

 理屈で動くわけではない、設計の一部分も、相手側からはどう見えるのか。

考え始めると、ますます分からなくなる設計屋です。

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 散歩の帰り道。ショーウインドーに、好みのプルオーバーシャツ見つけました。

相手にとって分かりやすい商品。設計事務所には、あるのかなぁ?

出た所勝負

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 設計の仕事は、結果を想定して、あるべき姿にもっていく予定調和なのですが、

以前より、そう細かく決めないで行き当たりばったり、直感勝負でもいいと思えるように

考え方が変わってきました。今年は、震災以後「これはそんなに大事なことだろうか?」

と幾度も立ち止まり、振り返ることが多くなったようです。

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 その時々の判断で、良かれと思える選択をしていく。理詰めで細かく行っても、

逃げ場の無い、融通の利かない、息苦しい、そんな場所へと向かうような気がしてきます。

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 手持ちの駒、たくさんなくても、勘所さえ外さなければ大事なことなんて多くない。

そう思えるようになってきたのは、新しい感覚の萌芽でしょうか。

 名人が舞台に上がる時の「出たとこ勝負」。まだまだ小僧っ子の自分に、合った行き方。

しばらく探してみようと思います。

三十一日是好日

二連チャンの打ち合わせを無事終えて、ふーーっと脱力するみそかになります。

明け方から、先頭をきって進む犬には、毎日の日々是好日です。

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 山場を越えると、抜け殻のようになるって言うけれど、私にとっては脱皮です。

いままで身に纏っていたしがらみを、ぱっと脱ぎ捨ててまた新しいことを始めるように。

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 いつもの、平常仕事に戻り、明日までに完了。そして、束の間の夏休みをもらう。

地道な日々は、時にいい流れを与えてくれる。かけがえのない、実感です。

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 空の色を映して、銀色に輝く波が奏でる潮騒。

八月の終わりにふさわしく、ここちよく聴こえてます。

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よい、水曜日。そして、九月を。suntyphoonsun

譲れぬ一線

曇り空に放射できずに、前日の灼熱が残るお盆休みの海です。

人気がないと、夏の終わりが近いことを感じます。いまだ、残暑の端緒といったところです。

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 その名も、ロータスリーフというお店先。大輪の花火のように葉脈が見えます。

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 今年の花火は、いっそう淋しげに感じられるのは、わたしだけでしょうか。

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 昨日、予算の打ち合わせ、その内実は「値切る」だったのですが、いつもそこまでして

設計する必要があるのか、時には迷うこともあります。

 そんな時、いつも思い出すのは養老先生の書かれた言葉。

「自分に合った仕事なんてない。道に穴が開いていたら不便だから、その穴を埋めるのが

仕事。他人が必要とするから、ある仕事。その仕事に合わせるのが本当。」

 他人から求められる仕事。その信頼をかたちにすることは、「ものにする」ことです。

彼氏、彼女を「ものにする」のと、同じことだって思います。

 隙間を埋める仕事であれ、ココロの隙間を埋める恋愛であれ、自分のこと。

一線を画すにしろ、一線を越えるにしろ「譲れぬ一線」は、自分の中にはっきりと在る。

 ものになる、か、ならないかは、やってみなくちゃわからない。だけど「仕事」である以上

譲れない一線は、きちんと引いてものにするのが、「仕事に合わせる」ということです。

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 継続もチカラ。黄色の励ましを受け、一仕事します。よい、お盆休みを。sun

違う、物差し

 復興財源とか、風評被害の補償など、とても大きな金額の話が続いています。

こちらは、一円単位の見積もりを相手にしていました。いわゆる、市井の、庶民の感覚です。

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 聞いた話ですが、震災直後、善意で配達していた宅急便の方に

「いくらで、請け負っているんだい?」という質問があったとのことです。

 すべてが「お金」という尺度で測られる世の中。

経済一辺倒の、さもしい世の中では、単純な気持ちからの行動は、はかれないようです。

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 社会の中で生きている以上、経済は切り離せないことだけれど、対岸から物を見る

視点だけは失わないようにしたいです。ココロというものさしではかる、暮らし。

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 仕事で、ことあるごとに思い出す、建築家村野藤吾さんの逸話があります。

設計した建物の工事中、どうしても変更したいことがあって、でも予算がどこからも出ない。

 そのときに、「これ、私のわがまま料」と言って、自腹を切った建築家。

違う、物差しは、「心意気」という名かもしれません。

数字と格闘す

 以前、設計させていただいた方から、二軒目の家の設計を依頼され、お子さんの暮らす家

のリフォームも同時にオーダーされました。今、工務店さんに見積もりを頼んで来週明けに

届く予定なので、こちらも設計者として、見積もりをしています。

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 設計という仕事、デザインをするだけではなく、むしろ費用という現実にどっぷりとつかり

経済の只中で、いかに「うつくしいもの」を作り出すか。が、中心にあります。

 人様の大切なお金を預かって、住まいという器を、大切な財産に仕立てる。

おあつらえのテーラーの仕事を、職人さんの手を借りてするわけです。

 無論、職人さんに手間賃を払って、なおかつ利益を出すのが道理。

 ここで、二つの道があって、建物を建てることによって、利益を上げるのが工務店で、

建物を建てぬしに代わって設計して、建物という財産を守って手渡すことで、

設計料をもらうのが設計者。この場合、第三者として、施工者と建てぬしの間に入るのが

わたしたちの仕事になります。

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 建てぬしにとっての利益とは、安全で安心な、居心地のよい住まいを設計通り

出来るだけ安く建ててもらうことです。予算に限りがあるのは、自明のこと。

 大工さんをはじめ、たくさんの職人さんをかかえ利益を上げるのが工務店ですから、

おのずと工事金額の見積もりは高くなり、建てぬしの利益を守ろうとして、より安く見積もろう

とする設計者。そのせめぎあいは、生臭く「デザイン」というイメージからは、程遠いもの。

 でも、その結果、作り手と住まい手の双方が満足の行く建物が出来上がればそれでいい

ので、図面を書いてつくる作り手側としての設計者と、予算を守って出来るだけ有効に使う

住まい手側としての設計者は、あくまで黒子でいい。

 例えば、建物の基礎ひとつとっても、地面を掘って、平らにならし、石をいれて踏み固め

鉄筋を並べ、型枠というフレームを組んで、コンクリートを流して固め 、また型枠を外す。

 たくさんの職人さんの手が動いてこそ、出来上がるのが、住まいという建物でした。

 「予算は細かく立て、使うときは大胆に使え」というのが、亡くなられた棟梁、田中文男さん

の至言です。工務店と建てぬしの間にはいる、第三者の設計者だからこそ、

予算を細かく把握する義務があります。なぜなら、もととなる設計図を書いた本人だから。

 設計者が一番細かく見積もることで、大げさにいえば、「社会的責任」を果たす。

「姉歯」以後、まして今年の震災以後、ますます責任重大な、市井の設計屋であります。

設計の棚卸

打ち上げに、といただいた甲州ワイン。辛口で美味しゅうございましたが、

その産地、山梨の勝沼では昨日38.5度でした。風邪をひいて高熱をだしたような気温。

熱帯への道を、着実に歩んでいるようです。

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夏を迎えるため、片付けをしました。家一軒設計するのに、積み上げられた資料の山。

すべて棚卸をして、すこしでも風通しよく、とはじめて五分後。早、汗が。

まことに「暑い」日々です。

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すっきり、空っぽの書棚。しばらくこのまま空けておきます。

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ユニクロなどのアートワークで有名な佐藤可士和さんの、この一冊。

片付けるときに読むと気合がはいります。超一流の方は、整理の仕方もスルドイ。

モノを切り取る、その切り口はそのまま仕事の切れ味に繋がっているようです。

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 設計の仕事、そのものはルーティンで動いていく部分が多いけれど、

「慣れ」は禁物です。ありふれた日常を切り取るにしても、「これでいいや」と

いつもの手馴れた設計手法でこなしていくと、間違った結果が返ってくる。

 一からはじめて、いつものやり方に結果なるのはいいけれど、もとから同じパターンで

進めるのは創造ではありません。常日頃、なにか「新しいこと」を受信し続けることでしか、

進歩はありません。自分の仕事、棚上げしてはなにも生まれないのは、人の非難をして

自分は棚の上にいる、政治屋と同じでした。

 ことあるごとに、棚卸をして「初心忘れるべからず」。棚の「下から目線」を大切に、

今年の後半を迎えます。ほどほどの、暑さでありますように。sunsweat01

まとまる日

気持ちよく晴れた明け方、日の出とともに海へ到着。休日サーファーがたくさんいます。

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昨日、あらかた設計コンペ案がまとまって、一息つきました。

冷えたビールが疲れたカラダに水のようにしみわたっていきます。beer

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今日は、午前中に見直し、手直し。そして、提出!!いいリズム刻んでいきます。

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仕事は続けていれば、うまくまとまるように出来ています。ただ、そこでは謙虚であること。

そして、すこしばかりの辛抱がいる。養老先生が、今無くなりつつあるのは、忍耐と辛抱

と以前言われていた通りの世の中が、震災後すこし変わったようですから、

わたしもより続けられるよう、辛抱します。

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ものづくり、かたちを作るのは、辛抱あっての楽しさかな。よい、週末を。sun

打ち合わせのココロ

穏やかな朝、いい風が吹き抜けて気持ちよく、よい一週間を送れそうです。

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うちの庭には、薄紅色の白鳥が舞い降りていました。

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連休明け、今日から月末にかけて、二つの基本設計をまとめることになります。

コストの目処を早めにつけることで、よりいっそう設計の密度を高めたいと思っています。

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 思えば、駆け出しの頃、独立したてのころは、がむしゃらに、よく言えばひたむきに

あれもこれも、詰めこもうとして、成果に繋がらなかった打ち合わせ。

今では、自分のペースで進められるようになりました。経験は、人の気持ちを、より汲むこと

をさせてくれる。相手方に阿るのではなく、寄り添うように「答え」が出せたら。

 こちらの「平常心」は、安心となって伝わるのでしょう。設計のココロ、いかように。

働く基本

鶯の声で目覚め、谷戸を渡っていく声を追いながら起床しました。

そぼふる雨をものともせず、由比ガ浜へと向かいます。

ドウダンツツジの花が可憐に風に揺れています。

どんよりとしたグレイッシュな空を睨み、気合を入れて帰ってきました。

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 設計コンペの締め切りを控えた、この週末は仕事をします。

「働く」のは、傍にいる人を楽にすることだ。という名言があって、

私の場合、今日明日、仕事をすることで、自分が楽にもなります。

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仕事の基本は、前倒し。早めに手がければ、その後の余裕が違ってきます。

うまい具合にまとまった設計案。自分自身が楽しみながら、楽しようと思います。

土日は肩の力がうまく抜けて、はかどること受けあいでした。お日様を待ちながら。sun

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