彼の地の夏
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古の建築、特に権力を持っていた人々の居場所には、大きなデザインがあります。
その、ある大きさを持った建物は、ひとつひとつの部分の、小さな繰り返しから
成り立っているのでした。日本の古寺の屋根も、繊細な木の組み合わせを繰り返して
支えられています。アルハンブラの、中庭の池に面して、水面にその姿を映す柱廊にも、
ある繰り返しの装飾がほどこされていました。気の遠くなるような、透かし彫りの装飾も、
場所ごとに、繰り返されるデザインパターンのリズムから出来ている。労力をより効果的に
使って、見せる装飾。イスラミックに限らず、あるパターンを精緻に繰り返すデザインの
システム。現代にトランスレーションするのも、設計屋の仕事であるように思います。
先人たちの、足元へ、少しでも近づけますよう。
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アルハンブラ宮殿のコマレスの中庭。両側の建物は王妃の住居でもありました。
その住居の窓には、透かし彫りの装飾が施され、見上げると、屋根を支える垂木たるき
の部分にも、繊細な面取りがされています。光りを透かし、反射するかたち。
この窓を透して、文字通り透かした光りが、王妃たち(正妻が四人)の部屋を照らす。
その光りは、床に反射して部屋の奥にまで届いていました。
この壁面の装飾には、かつて彩色がなされていて、色彩の乱舞が見られたことでしょう。
現代の建築からは、消えていった、色彩と装飾の響き。しばし、時間を遡って、王と王妃たち
の過ごした、一日の光りの動きを想像してみることにします。よい、休日を。![]()
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スペインの南部、アンダルシア地方のちいさな都市、グラナダにあるアルハンブラ宮殿は、
その美しさゆえ、破壊をまぬがれて、イスラムの文化を今に残しています。
裁きの門をくぐり、カルロス一世宮殿の円柱の並んだ中庭を抜けると、
コマレスの中庭に出ます。その明るさに出会う手前、右側に控えの間のような
アーチの場に立つと、厚い壁越しに光りが差し込んでいました。
暗殺が数限りなく繰り返された時代から、この光りは床を照らしていたのかもしれません。
この写真は、スペインの旅で一番印象に残ったものです。
その闇を抜けると、コマレスの中庭。正面には、玉座の間を内包するコマレスの塔。
そして、その中庭の両側には、王の四人!の正妻の住居がありました。
その住居、1階が夏の、2階が冬の生活の場だったそうで、
きれいな透かし彫りのアーチごしに、中庭の水のきらめきが映る窓があります。
偶像表現をしないイスラム文化がもたらした、華麗な装飾の世界。
設計屋の立場でなくとも、学ぶことの多い、光りと影の世界があります。
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スペインのグラナダにある、アルハンブラ宮殿は、設計者なら、一度は見たい建築です。
たくさんの目を瞠る細部や、全体の構成はおいおいお伝えするとして、
印象に残ったことを書こうと思います。それは、緑と大地のこと。最近のように、
季節の変わり目になると、雨が降る、湿度の高い日本は、緑も濃く草木が足元にある。
それにたいして、ヨーロッパに行くと、地面が乾いているのが感じられます。
見た目には、緑が溢れる宮殿も、ふと地面に目をやると乾いた土がありました。
ワインのブドウ畑も、木の下は、写真のような土に近い感じがありました。
白っぽくさえ見える、パサパサとした大地。でも、豊富な水分より、乾きを感じるほうが、
葡萄も甘くなり、その糖度が美味しいワインを生み出すと聞きます。
人間が、厳しい環境で、力強い仕事をするように、自然もそういうものなのでしょう。
大地から生える、生き生きとした建築に、厳しい美しさを与えるのが、自然環境ならば、
それを考える設計者にも、ある厳しさが必要なのかもしれません。
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スペインと言えば、フラメンコ。とくれば、ギターです。
街中のそこここにあるギターショップ。元ギター小僧としては、
すぐ目がいってしまいました。日が暮れて、夜になり、ツアー客相手の
フラメンコ。でも、そのギターの音は、本場ならではのものでした。
津軽で聴く三味線のように、やはり彼の地で聴く音は「血」が入っているように
感じられました。徐々に、スタッカートしていくリズム。ギターの音色は、弾かれたメロディー
だけではなくて、ギターのボディーをたたく音や、弦をこする音。音を出さずに、指を浮かせて
ザッと切るノイズの束が生み出すリズム。今風に言えばグルーブということになりますか。
旅先での印象に残るものは風景や人、街の匂いのほかにも、音や雨音だったりも
しますね。その場でしか、味わうことの出来ないのは、音楽も建築も料理も同じでした。
好きなものは、国が違っても、カラダが反応するようです。
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外国へ旅に出ると、緑の違いが感じられます。日本の濃い緑とは違う、乾いた感じが
するのは、空気そのものが乾燥しているだけではないような気がします。
ヨーロッパの街は、石畳や建物とともに、日本の湿気とは違う空気感を持っています。
緑に射す光りも、透かして見える並木道の匂いも、全てがそう言って語りかけてくるような。
街路樹とともに、印象的なのが駅舎です。スペインはマドリードにある駅の
屋根の曲線と時計塔のかっちりとした直線の対比。デザインした人は、
このアングルを思い描いていたに違いありません。
商売柄、ついついこういう場所に立つと反応してしまいます。
スペインもイタリアも、街中そこいらにデザインソース、いわばネタが転がっている
いい国です。そんなこと、思い出しながら、現場に出る日となりました。よい、旅を。![]()
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イタリアに行く前、スペインへ旅しました。目的はやはりバルセロナとガウディの建築。
ではありましたが、アルハンブラ宮殿やリゾートもしっかりと訪れました。
その模様はおいおいアップすることにして、まずはホテルの室内から。
初めての街に着き、ホテルで荷物を解くと、一息ついて「さて」
とカメラを手にするいつもの順番で、窓辺や光りの入り具合などをパチリ。
ヨーロッパの街の匂いを味わう前に、固有の場所ごとにある光りと影を
感じることから始めます。内から外へと、視点を移しながら旅を始めるのでした。
旅をすると、目にするものは、すべて新鮮に映ります。
日本でも海外でも、同じ太陽の下ですが、光りと影は、その場所にしかない
固有のものです。風土や気候の違い、湿度の乾いたヨーロッパにいると
日本人である私には、同じ光りと影には見えませんでした。
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木枯らしが吹く季節がやってきて、
新酒の解禁も控える季節です。
旅で訪れた場所、今はどんな気候でどんな風が吹いているのかと
想像してみる秋の夜長。やはりレストランのメニューに思いを馳せることに![]()
秋のイタリア、食材紀行などという番組のレポーター役、あったらいいのに。
ないものねだりついでに、生涯現役を目指しつつ、もし恵まれた老後などという
ものが、もし訪れたら、イタリアでリタイア。「トスカーナの休日」のダイアン・レインと
美味しい
夢見るのは勝手です。
イタリアの風景10回目は、ベタなトレビの泉にスペイン階段。
写真からは、近くの江ノ島を思い出している、失礼な奴がここにはおりました。
いつでも、夢を。次回はスペインへのたびたびの旅です。
初めましてさん、コメントへのお返事に代えて、ありがとうございました。
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今週末の日本シリ-ズ。飲み会の行方とともにとても楽しみです。
元野球小僧。現野球中年には、フィールドというよりグラウンドもしくは校庭と言った
気分が近いのですが、ともあれ思いを馳せる、憧れの舞台(フィールド)であります。
さて、ローマのフィールド。コロッセオ。円形競技場の中に佇むと、そのスケール感に
しばし、ぼーっとしていました。木で出来た家の、紙で出来た障子の家に住む国から
この中に来ると、違う世界にいることを感じます。熱狂という歓声は、聴こえませんが、
時間に耐えた力は、その場所にありました。昔の人も、その時代なりに、普通に暮らして
いたのだと思いますが、このフィールドに立っていた人たちの、気持ちのあり方。
どんなものだったか、時間や感覚が、あまりに遠すぎて、想像することは出来ません。
同じ人間の人生というフィールド。ささやかなものでも、自分の足ですっくと立って
いたいものです。「フィールド・オブ・ドリームス」は、永遠に。![]()
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