久しぶりの版画
もうすこしで暖かくなりそうな気配の二月。陽射しがすこしずつ春へと向かう朝。
雲が厚く垂れ込める明け方。すこしゆったりとした気持で北風の中を歩きます。
現場廻りの日曜日。午前中の空き時間を有効利用して、町田市立国際版画美術館へ。
ここは、駅にほど近い幹線道路の喧騒から、坂を下りただけで別世界の森の中。
落ち着いた佇まいがお気に入りです。
常設展示で織田一磨さんのリトグラフを観ます。
大正から昭和初期の都会風景を描いた版画の数々。
灯りのともる屋台や銀座の風景。雨降りや雪の積もる空気感が伝わってくる。
戦前の風景が時を経ても充分に届く、そんな版画。
久しぶりに版画の質感から、忘れかけていた感覚を取り戻すような、日曜日。
つかの間のご褒美時間です。
時に立ち止り、人々が遺した美術をゆっくりと観る。
さまざまな作品が、その時々のこちら側、観る側の気持ちを映し出してくれます。感謝。
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