すこしばかり春眠暁を覚えずして、待ちかねて鼻をふくらます犬とゆっくり海へ。
降り立った材木座の浜は、強い南風。犬は大喜びしながら、その跡をついてゆく朝です。
春の陽気に上機嫌で、いつもより足を伸ばし長谷まで、潮風に吹かれつつ。
たとえ三十分でも遠出して、違う風景に出合うと、それだけで小さな旅のようなもの。
感覚を呼び覚ますのには、いつもと違う場所に身を置くことが大切ですね。
潮の香りが、春休み感を増量してくれます。
前から観たかった「LIFE!」を観に茅ヶ崎へ。懐かしい「LIFE」の表紙を思い浮かべつつ
NYの都会の風景と、ロード・ムービーの展開で広がる自然の風景の対比と、ヒューマンな
ドラマ。ベン・スティーラーのいつもの表情が、いい味で、人生!そのものの意味を描く。
歳を重ねるといろいろ諦めていることがありますが、失ったわけではない「夢」。
自分らしさ、いつでも取り戻せるもの。一本の映画は、路の途中の小さな旅を味わえます。
いい映画を味わったあとは、美味しいビールも味わうのが礼儀?流儀?
MOKICHIGARDENでゆっくりと過ごすシアワセ。料理やビールも、LIFE!旅です。
夏も近づく八十八夜。お茶の日の朝、雨上がりの空は初夏の気配と冷たい風です。
緑茶好きとしては、一服しながら仕事にメリハリをつけて、明日からの連休を楽しみます。
昨日観た「リンカーン」。スピルバーグの映画だから教条的ではありましたが、
やはり見ごたえのある一本でした。
当時のホワイトハウスが質素で、人々が直にリンカーンと話す場面が多く描かれて
9.11テロ後、今のセキュリティ社会からは想像できない風景です。
リンカーンの孤独や家族の葛藤が光りと翳を使って描かれる。
それぞれの場面で暗い時には内面を、明るい時にはシアワセや、明るい光りゆえの
暗い気持ちの表現がありました。当時の社会の光りと翳そのものを光りと翳の映画に
表わすことで、人々のありようを浮かび上がらせる手法のように思いました。
時代が大きく動いてゆく時に翻弄されるのは今も昔も同じようです。
皐月の光りと翳のなかで、しみじみ振り返るような佳作でした。
雨が降ったり止んだりの八十八夜。お茶のおいしい平和な国で、いい連休を。
八月の終わり、最終水曜日に思い立っての休日を過ごします。
仕事の切り替え、すなわち気持ちの切り替えをするための、休日です。
まずは、湘南テラスモールの109シネマへ。「ダークナイト・ライジング」を観に。
あまり話題になっていないようですが、前作と同じクリストファー・ノーラン監督なので
ハズレはないだろうと思って出かけていきました。結果は、アタリ。
「ダークナイト」の息詰まるような緊張感は、薄れているように感じましたが、
光と闇を行き来する、明るさのやりとり。独特の、カメラアングルと、脚本。
監督夫妻の脚本によるようで、「こうくるか」という展開があって、
立派なエンターテイメントの映画になっていました。
夏休みには、娯楽大作が似合う。楽しい三時間を過ごした後は、美味しいランチ。
お昼二時近くなっても、結構混んでいます。夏休みの終わり、小さいお子さん連れ
で賑わうテラスモール。中華にして、まずは 明るいうちに呑む味も、また格別。
腹ごしらえを終えて、賑わうモールをあとに、横浜へ。
今度は、山下達郎さんのシアター・ライブ。シネコン用にミックスダウンされた
極上のライブ音源と、80年代からのライブ映像。昔から観ていた舞台美術や
若いバンドメンバーの、懐かしい姿と変わらぬ音。
また、三十年以上前に戻る、映画鑑賞の水曜休でありました。
11月の声を聴くと、朝焼けは急に冬モードになって、オレンジの朝を迎えます。
引き潮の砂浜に映って、より光り輝くマジックアワーの始まり。
朝日が顔を出すまで、ほんの数分のハレーションです。
水曜日の休日、映画を見にみなとみらいへ。観覧車の上には秋雲が広がっています。
三谷幸喜さんの新作「ステキな金縛り」を見てきました。以前に、題名を聞いただけで
笑ってしまったこの作品。思い出し笑いが続いて困る出来映えです。
ザ・マジック・アワーの時より、ペーソスの部分が増えて、ぐっとくる場面があります。
それに加えて、間の取り方、シーンの撮り方、に磨きがかかって、より可笑しい。
キャストや、ちょい役も絶妙な配置でありました。
舞台で鍛えられた、笑いのタイミングと泣ける場面のバランス。
しばらく、思い出し笑いとともに、余韻を楽しめる映画です。もう一度見ると、
きっと細かなギャグや演出が隠されていることでしょう。オススメです。
笑える映画、帰り道には笑う花。よい、一日を。
昨日の夕暮れは、雨上がりの薄暗さが伴って、冬の入り口のようでありました。
散歩道のLEDのイルミネーションの白さが、よりいっそうそんな感じです。
お休みの日には映画。ということで「ヒアアフター」を観てきました。
クリント・イーストウッドの映画は、やはり映画館で観るものです。
レンタルでは、失礼にあたる価値があると思っているから。
おりしも、レディースデイで、アイドルの映画を観終わったご婦人たちの
感想を、すれ違いざまに聞き流し、おなじ「1000円」の価値を考えました。
ヒアアフター、は来世をテーマにした映画です。いつものタッチで、描かれた内容は
音楽も配役もぴったり。よい本や美味しい食事と同じで、感じ方はまったく個人的なもの。
評論やランキングなど、どうでもよく、いいと思ったらそれがいいのです。
イーストウッドの映画は、その後の食事とビールがより美味しくなります。
テーマの軽重は別にして、余韻を味わえる内容がありました。
そのあとは、家電量販店へ。地デジ地デジと五月蝿いのでTVを買いにいきました。
それはそれは綺麗になった映像に、ふさわしい内容のある番組は、いくつあるのかな?
と違う心配をする、よい映画と、TV本体の日でした。
学生の頃、母校に教育実習をしに行った時、製図教室の棚に「LIFE」誌が無造作に
積まれてありました。恩師に、「頂いてもいいですか?」(当時の口のききかたでは
「先生、頂戴!」が正解)とことわって、表紙のいい奴!を何冊か失敬してきました。
’50年代前半のこの一冊は、いつか額装して飾りたいと思っていますが、
黒のスチールで、細いフレームのが似合うので、なかなかイメージにぴったりのものが
見つかりません。エッジの効いた、ピン角のフレーム、オーダーするしかないかも。
この表紙の女性、「愁いを帯びた瞳」という言葉は、このことを言うのでしょう。
さて、’54年の4月19日号は、オードリー・ヘップバーンの特集でした。
まだ、セレブという言葉が聞こえてはこなかった時代の「スター」のひとコマがあります。
立ち姿、が凛凛しいこの一枚は「華」という言葉の意味がぴったり当てはまるよう。
現在なら「オーラ」とでも言うのでしょう。まさに「絵」になってます。
この瞳のまなざし、「華」は時代を超えて残るものかもしれません。
たまには、「華」のある話を、というわけでした。
季節は早「小寒」。これからは、北国から雪の便りが、頻繁に届く季節の訪れですね。
327日目の今年、光陰矢のごとし、あっという間に過ぎ去って、ぼーーっとするばかりです。
雨がいまだ上がらず、散歩に出そびれた犬が、待ち体勢で所在無げに佇んでいます。
夕べ観た「スクール・オブ・ロック」元ギター小僧としては、たくさんの小ネタが散りばめられ
とても楽しい映画でした。ストーリーは、お決まりの学園もので、ハッピーエンドなのですが、
主演のジャック・ブラックが素のまま?の怪演。AC/DCのアンガス・ヤングを彷彿とさせる
ステージで盛り上げて、後味も、主演のあくの強さが残る、ひとひねりある映画でありました。
いい時期にある、勤労感謝の日。週末の、宴にむけて、ゆっくり楽しむ休日です。
紅葉を、見上げつ、過ごす小寒かな。
涼しい風が吹き抜けていく、八月の終盤となりました。過ぎ去りし日々に。
サンドラ・ブロックの「幸せの隠れ場所」とマット・デイモン、モーガン・フリーマン、
クリント・イーストウッド監督の「インビクタス」を、ここのところ続けて観ました。
どちらも、実話を元にしたスポーツものの映画です。
片や、貧困、ドラックの中から、ある黒人の少年が、白人の裕福な家庭の
女性に見守られながら、アメフトのNFLに入団するまでを描いたもの。
片や、アパルトヘイト、人種の違いを超えて、国をひとつにする、ラグビーの
南アフリカ代表チームとネルソン・マンデラ大統領の交流を描いたもの。
どちらも、スポーツという場所をメインテーマにしながらも、人と人の繋がりを
描いたヒューマンドラマでした。ことさらに、さまざまな不幸や人種問題を強調する訳ではなく
ある事実を淡々と描くことにより、抑えた表現が、かえって観る者に、考える時間を
与えてくれる、余白を持った映画でした。
殺伐とした、時代の中、声高に叫ぶのではなく、ある出来事を丹念に追いかけて、
必要な部分だけを、選んで描く「端正さ」。提示された側の、わたしたちの、観るちからを
問う、そんな二本の映画でした。観終わって、静かな力が温かみをもって伝わるような、
余韻が与えられる。オススメでした。
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